【 聞かせて! 又市さん! 】プロローグ
「又市、ちょいと来とくれ」
「でひぃ」
「あんたじゃないよ、長耳」
「又の字ぃ、お呼びだとよ」
「次の仕掛けは?」
「おう、ちょっくら行ってくらぁ」
「で、おぎんさん、何か用でやすかい」
「あんたに客だよ」
「客?」
「坊やのこと訊きたいって」
「坊やって、あの物書きの先生…?」
――― 道を通せば 角がたつ
――― 倫を外せば 深みにはまる
――― 所詮、浮き世は夢幻
――― 邪心、野心は 闇に散り
――― 闇の欠片は 夜に解け
――― 残るは巷の 妖しい噂
『 御行奉為 (おんぎょうしたてまつる) 』
【 聞かせて! 又市さん! 】
■第2話 「柳女」 ■第3話 「白蔵主」 ■第4話 「舞首」
■第5話 「塩の長司」 ■第6話 「芝右衛門狸」 ■第7話 「帷子辻」 ■第8話 「野鉄砲」
■第9話 「孤者異」 ■第10話 「飛縁魔」 ■第11話 「船幽霊」 ■第12話 「死神或いは七人みさき」(前編) ■第13話 「死神或いは七人みさき」(後編) 【 聞かせて! 又市さん! 】エピローグ