prospector's works : special
リノベーション・レポート(6)
設計・ページ執筆:山本想太郎
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工事1
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着工(写真1:2005年1月)
工事金額調整のため、若干の設計変更と交渉を経て、いよいよ工務店も決まりました。そして即座に契約、着工です。まずは既存の内装・設備のほとんどを解体・撤去。カラッポの状態になりました。
写真は大工さんが「墨出し(すみだし)」をしているところです。設計図面と躯体の現況を照合して、壁を立てる位置などを壁面・床面にラインで示していきます。やはり解体してみると、躯体の位置関係はいろいろと予測からずれているため、設計者が立ち会って各部分ごとに実測しながら現場で位置ぎめをしていきます。照明器具や仕上材の寸法などを総括的に考えながら次々と調整していく作業は緊張感を伴います。

配管工事(写真2:2005年2月)
新設工事のスタートは床・壁内の配管からです。工事の手順としては、配管、ユニットバスの設置などが終わって、やっと大工さんが床や壁の下地を作り始めることになります。先日調整・決定した墨(=墨出しのライン)に従って、どんどん配管が組まれていきます。写真は床下の排水管です。

壁下地(写真3:2005年2月)
工事は工程通りに進行しています。写真中央が上にも書いたユニットバスです。床には用途ごとに色の異なった配管類が見えます。ここから配管やユニットバスを取り囲むように壁下地が建てられていきます。本日は家具屋さんと、洗面台や靴入れを製作するための打合せなのですが、やはり既存躯体との取り合いで細かい寸法変更が必要で、現場を実測しながらの打合せとなりました。
この段階から先は、先に設置された器具などを傷つけないような配慮も必要です。ユニットバス、給湯器などをきちんと養生するように指示をしました。

敷居と鴨居(写真4:2005年2月)
下地の格子で床・壁・天井の位置が明確になり、部屋のプロポーションが良くわかります。天井と床の下地をつくりながら、今回のデザインの中心となる木製引戸の敷居と鴨居がとりつけられて行きます。
敷居、鴨居、そして照明ボックスはそれぞれ床と天井に埋め込まれるディテールとなるよう設計しているため、それらは全て下地段階で先付けされなければなりません。また精度が要求される上に使用時に力が加わる部分でもあり、大工さんもかなり気を遣われていました。

ボード張り(写真5:2005年2月)
早くも工期の半分が経過しました。石膏ボード張りが始まっています。天井下地ボードは写真のように張りあがりました。梁を貫通するように走る照明ラインがかなり効いています。壁も順次、張られていっています。木製の下地がある部分はそこにビス留め、コンクリートやブロックの部分はGL工法という、接着ボンドをダンゴ状に盛って張っていく方式です。特にこのGL工法はなかなか高度な技術で、専門の職人さんが施工します。大工さんのお仕事もまだまだ続いていて、その石膏ボードのコーナー部の見切り材など、細かい取り合い部分がどんどん作られていきます。

不動産屋さんへ(2005年2月)
施主のYさんと一緒に、現場の近所の不動産屋さんを数件まわりました。今回の部屋は賃貸することになりますので、その募集から管理などの委託と費用についてヒアリング。大手から地元まで、不動産屋さんごとの考え方の違いは意外なほど大きく、なかなか勉強になりました。


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