ばほうざん れんこういん はつうまでら


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平成18年12月15日
インド仏教復興運動

人口11億人と言われるインドは仏教発祥の地ですが、今はヒンズー教の国となっています。 教義に基づくカースト制度(身分差別)が厳然としており、最下層の不可触民階級の人たちは、一生ずっとそのままで、就職・結婚・日常生活 のあらゆる場面で差別されて生きています。仏教復興を目指したアンベートカル博士の遺志を継ぎ、日本から現地に赴きもう38年も仏教の 布教に努める真言僧佐々井秀嶺師のもと身分差別のない仏教への改宗者がもう1億人を超えたそうです。万民平等と世界平和を謳う日本国憲 法は最も仏教的とも言えますが、その元で生活できる我々日本人は、そのことだけでも感謝し忘れないようにしたいものです。

平成18年12月2日
捨身ヶ嶽

お大師様の四国八十八霊場第73番出釈迦寺奥の院に捨身ヶ嶽があります。奥の院から急峻な行者道をふうふう言いながら登って来ました。弘法大師7才の時、「仏道に入って衆生を救いたい、成就するなら霊験をたまえ、さもなければこの身を諸仏に捧げる」といってこの絶壁から身を躍らせると、眼下に紫雲が沸き起り、釈迦如来と天女が現れて大師を救われ「一生成仏」の宣を授けたと云われるところです。

実話ですか?といわれると、和尚も???ですが、それほどの強い意志の芽生えがこの年にしてあられたということは感じることの出来る場所でした。

          南無大師遍照金剛

平成18年11月16日
不動明王

左の絵は友人S君の手になるものです。とても味のある絵でしょ。
不動明王の信仰が広まったきっかけは、ひとつは平安時代初期の平将門の乱です。この時なかなか手に負えない平将門を調伏するために京都の高雄山神護寺から不動明王像を借りて関東に持って行き、成田の地で調伏の法を行いました。この像はなぜか京都に戻らず、そのまま現在の新勝寺の本尊として伝わっています。そしてお不動さんを決定的に庶民に浸透させたのは鎌倉末期の元冦でした。この時は全国各地で敵国退散のご祈祷が行われ、その主役は不動明王でした。
また、お不動さんは庶民信仰の中では疫病退散の仏としても信仰を集めています。
当院では本尊馬頭観音の脇侍として祀られています。

御真言は、「ナウマクサマンダ・バザラダン・センダマカロシャダ・ソハタヤ・ウンタラタ・カンマン」と言います。

平成18年11月1日
大日如来とお釈迦さま
ある時、大日如来とお釈迦さまの違いは何?と聞かれました。
お釈迦さまは仏教の開祖。では、お大師様の真言密教の本尊である大日如来は?
ニュートンの万有引力の法則と、もともと自然界に遍満する普遍的法則との関係とでも言いましょうか。つまりニュートンはりんごが木から落ちるのを見て万有引力の法則に気付き世に知らしめた訳ですが、りんごはそれ以前から木から落ちていたという事実があるということです。
同じ様にお釈迦さまはこの普遍的法則を人間に分かる言葉で伝えた人、大日如来は大宇宙の摂理そのもの、すべての現象の根源となる仏です。仏教の各宗派で語られる仏・如来・菩薩などは全てその化身です。
平成18年10月16日
ジャンボジェット
あるパイロットの方と話をしていて、「あなたは、空気で食べているんですな」と言ったら「きょとん?!」でした。
あんなに大きなジャンボジェットも、空気がなかったら機体は上がらないし、ジェットエンジンも回りません。従ってパイロットという職業も成立しない。だから空気で食べているとなる訳です。

もっともその前に人間の存在もないことになりますがーーー!。
どんな職種でも、大元を突き詰めると自然界のものを利用している、いや利用させて頂いていることになるんですなぁ。 
平成18年10月1日
いただきます

小学校のPTA懇談会で、ある母親が「給食のとき、お金を払っているのだから”いただきます”とは言わせないで」と発言したとか。
常識のなさというか、教養のなさというか---この親にしてこの子ありでなければ良いのですが。
 ある小学校校長経験者の方が「子供を見れば親、特に母親が分かる。子供の資質の7割以上は母親ゆずりだから」と言ってましたが、子育て中の母親諸姉、是非肝に銘じて下さい。この国の将来は諸姉に掛かっているんですよ。もちろんお父さんも積極的に関わって下さい。
 大切にしたいのは、感謝の気持ち。 
 私たちは野菜や動物の命をいただいて食事をしています。その命に対する感謝の気持ちが「いただきます」です。 

平成18年9月17日
高野槙

このたび、ご誕生の悠仁(ひさひと)様の御印とされた高野槙。
当院の境内にあるのは、まだ1.6mくらいの背丈ですが
20〜30mにも育つとのこと。
前回高野山に行った事を書きましたが、あの供養塔は隣にある高野槙の根っこにあおられて傾いたのを修理したことがあります。
境内のがあんなに大きくなるのは何年先か分かりませんが、今はすくすくと、悠仁様と共に育つことを祈ります。

それにしても、高野山のことを書いた直後にご誕生と御印の
ニュースに接し、なにかご縁を感じた次第です。

平成18年9月1日
高野山

久しぶりに高野山に参拝しました。真言宗の総本山です。樹齢数百年の杉木立の中、奥の院に向かう参道の両側は法然、親鸞、武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、浅野匠頭、陸奥宗光、近衛文麿---等々日本の歴史に名を残す人々を含め、30万基ともいわれる墓石・供養塔で埋め尽くされています。宗旨も敵味方も関係なく誰もがここで眠ることを望んだのは、宗祖・弘法大師空海が宗派を超えて信仰されてきた証でしょう。
かくいう我が蓮光院の明治期の住職・良澄和尚の供養塔(五輪塔)も姿見の井戸の右奥に祀られています。

皆様もお盆・お彼岸・ご命日に限らず、ご先祖さまに思いを馳せる機会をどうぞお持ち下さい。

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平成18年8月19日
総供養
津市仏教会による
戦没者、各家ご先祖、
水子の諸精霊の冥福を祈る「総供養」法要が厳粛に催されました。

左は8月19日付け中日新聞記事です。
平成18年8月9日
絶滅危惧種

今日9日は長崎の61回目の原爆忌です。
一方、紀元前2000年頃、超古代文明は核戦争によって滅びたという説があります。
トルコのカッパドギア遺跡の地下都市インドのモヘンジョダロ遺跡など世界各地に核爆発の超高熱がもたらしたとしか言えないような痕跡が残っているといいます。
とすれば日本人は最初に核の洗礼をうけた人類ではないことになりますが、

このところの世界を見ていると背筋の寒くなることが余りに多いと思いませんか?
「太古の昔、人間という自らを高等動物と称する傲慢・無知蒙昧な種がこの地上に存在していたようだ。その種は核をもてあそんで自滅したらしい」
などと後の世の種に言われないように、絶滅危惧種とならないように襟を正していきたいものです。

平成18年7月15日
不飲酒戒(ふおんじゅかい)

禅宗のお寺の門前には「葷酒山門に入るを許さず」との石柱が立っています。「ニラ、ニンニクなど臭いのきついもの、また酒をのんで山門に入ってはならぬ」との戒めです。いわゆる不飲酒戒です。
しかしお大師様の真言宗には、この戒はありません。

それどころか「御遺告」(ごゆいごう)の中に「酒はこれ治病の珍、風除の宝なり」とあります。「酒は病を治す妙薬、特に風邪の予防に効く」との意味です。だからといって度を越した飲み方では、「十善戒」は守れません。ほどほどに--ほどほどに--ですよ。

平成18年7月1日
木瓜加持
7月23日(日:土用丑)、8月4日(金:二の丑)は当院恒例の木瓜加持を厳修します。
病など一切の悪因縁を木瓜に封じ込めて断ち切る、お大師様由来の秘法です。
木瓜は「きうり」と読みますが、他に「ぼけ」とも読みます。木瓜加持は木瓜封じとも言いますから、「ぼけ封じ」にも通じます。
いくら長生きしても、健康かつ元気でなかったらつまらないものです。
夏の暑い日の一時を、諸病平癒・健康長寿祈願についやしてみませんか。
平成18年6月18日
健康とは
世界保健機関(WHO)が定めた健康の定義は、『健康とは単に病気あるいは虚弱でない というだけでなく、肉体的、精神的、社会的に完全に良好な状態を指す』としています。肉体的には頑健でも、精神面に不足のある人、肉体的・精神的には一見健全でも社会的になにか不調和な人ーーーー考えてみると、WHOの定義にぴったりあてはまる人は和尚もあなたも含めて、この世には一人も居ませんね(言いすぎでしょうか?)。
お釈迦さまは仏教で「中庸」を説きました。

「バランスを保て」と言うことかと思います。今の日本国にしても、一見「平和」ではあるけれど、「健康」とは言い難い状況のような気がします。
人も家庭も社会も国も『健康』に向って弛まぬ努力が必要です。

皆さん、「健康」に良いことやってますか?
平成18年6月2日
不殺生戒
前回の独り言で”十善戒を心に留めて”と言いましたが、その第一番は”不殺生”です。殺人などは言わずもがなです。 でも生きてゆく為には食物は摂らざるを得ません。どんな食物も元々は生あるものですから、最初から守れもしないことが戒となっています。そのためでしょうか毎日の勤行は、懺悔文から始めます。”我昔所造諸悪業 ーーー 一切我今皆懺悔”(我、昔より造りし諸々の悪業 ーーー 一切を今、皆懺悔いたします。)つまり、この身を維持するための必要最低限の殺生に留め、他の命を戴いて、生かされている事に感謝しますと言う意味になります。
ご飯の前に、「いただきます」と皆さん言ってますか?
平成18年5月17日
一生

一生とは、
一度しか生れないから一生。
一度しか生きられないから一生。

一度しかない人生だから一生。
皆さん、与えられた人生を精一杯、元気に楽しく生きていますか?
但し、十善戒を心に留めてですよ。

平成18年5月1日
The Day after Tomorrow

数年前の映画「The Day after Tomorrow」を再見しました。地球の温暖化により海流の流れが変わり北半球に突然氷河期が訪れるとのストーリーですが、昨今の現実の温暖化現象はこの冬日本海側にドカ雪を降らせたり、この5月1日には日本各地が夏日になったり異常気象が目立つ様になってきています。人類が出すCO2の排出増が自然界のバランスを崩しているせいと言われていますが、京都議定書に加わらない大国があったり、人間の傲慢さの結果と言わざるを得ません。
仏教では「因果応報」と言います。今の悪果を逃れる為には悪因を取り除くべく努力する以外手はありません。

平成18年4月9日
六地蔵とお墓参り

六地蔵って聞いたことがありますか?
お墓参りの時、見かけませんか?よく墓地の入り口に祭られている六体の地蔵菩薩がそれです。
地蔵尊は地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六道に遊化して、あらゆる人を仏道に
導き救うという教えによるものです。

お墓を常時見守って頂いているわけです。
墓参りには、お花とお線香、蝋燭などを持参されますが、お線香は6本は残しておいて、帰りにこれらのお地蔵さんに感謝の気持ちをこめて1本づつあげて下さい。
お花もあげて頂けばより丁寧になります。
御真言は・・・“おんかーかーかーびさんまえいそわか”と唱えます。

平成18年3月22日
WBC世界野球選手権

第一回大会日本優勝!
短期間の即席チームで、本当によくやってくれました。世界一万歳!
個々人のプロフェッショナリズムxチームワークの成果ですね。
これを見ていて、思わず曼荼羅のことを思いました。
大日如来を中心にその意思のもとに、周りに配された大日如来の化身である
数々の菩薩・明王・天部の仏がそれぞれの持ち場・立場で精一杯の働きを
する、調和のとれた一大世界---その時発するパワーも最大になります。
皆様も曼荼羅絵図をこんな気持ちで観照してみてはどうでしょうか?

平成18年3月11日
日本三大「大日如来坐像」
津の平安仏」のページに日本三大大日如来坐像と紹介しましたが、他の二体は
和歌山県の高野山金剛峯寺、滋賀県の石山寺の平安前期の仏像で、金剛峯寺のは金箔張、石山寺のは彩色痕が見えますが、状態は当院のものとよく似ております。奈良国立博物館、東京国立博物館などのお墨付きで、三体とも国の重要文化財に指定されております。
和尚の欲目でしょうが、お姿の美しさでは、当院の尊像が一番と思っています。
平成18年2月20日
善通寺展
名古屋の松坂屋での善通寺展(出開帳と四国八十八ヶ所お砂踏)
(〜2月27日まで)に行って来ました。

月曜日で雨だと言うのにとんでもない混み具合。とは云え、なかなか本四国には行けないので、お砂踏みをやってきました。
当山と同じ馬頭観音を御本尊とする霊場は第七十番本山寺だけでした。但しお姿は明王系の忿怒相三面八臂で、当山のものとは相当違います。当山では聖徳太子御自作との寺伝がありますから平安の儀軌以前のお姿かと思います。
今年は3月5日、6日(初午の日;厄除け祈願)に御開廟されますので、どうぞ御拝観下さい。
平成18年2月1日
旧暦・新暦

旧暦は,明治5年(1872年)12月2日まで日本で使われていた月の形で日にちが決まる太陰暦のことを指します。つまり明治5年12月3日が新暦(太陽暦)明治6年1月1日となった訳で、なんと12月が2日間だけで新年を迎えたわけです。
今年の立春は、2月4日ですがこの辺りが昔のお正月で「初春のお喜びを申し上げます」と言う文句も似合うと思います。日本人の季節感には旧暦の方が合っているのではないでしょうか?
ついでながら、当院の星祭りは立春前日の節分に行い、新しい年の幸せを祈る行事となっています。

平成18年1月21日

仏教では欲を否定していると思っていませんか?
しかしどんな人にも欲があります。生きている限り欲を離れることは出来ません。
ただし欲には悪欲と善欲があります。
悪欲とは渇愛・貪欲・妄執・我執など煩悩や執着心を含む欲望。
善欲とは精進し向上心を起こす意欲です。
仏教では善欲を勧めていることは言うまでもありません。
いくら富を貯めこんだところで、我執に基づく所有は所詮虚妄に過ぎません。
最近の世相における耐震偽装・IT企業の虚偽決算・保険金殺人etc---すべて悪欲の結果です。皆さんどう思われますか?

平成18年1月1日
毘沙門天
1月上旬の境内点描は、新しい年の開運招福を願って七福神(恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋)です。
三番目の毘沙門天は釈迦の説法を最も良く聞いたので、多聞天とも言われ四天王の1人で、北方の守り神、財宝・福徳をもたらす神でもあります。戦国武将上杉謙信の旗印の「毘」はここから取ったものです。当院本尊馬頭観音の左側の脇侍も毘沙門天です。 御真言は
「おんべいしらまんだやそわか」 と唱えます。
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