prospector's works : special
国分寺Y邸 現場レポート(2)
設計・ページ執筆:山本想太郎
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(2)躯体工事1
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工事について
施工は(株)大明建設さんに決定しました。設計の先輩からの紹介と、会社の雰囲気、見積りの内容などから総合的に判断して決定しました。見積り金額(調整後)では、約70万円/坪となりました。業者決定が年末であったため、実際の工事は2004年1月から。竣工は5月中旬の予定です。

左の写真1 は昨年末に現場を上から撮影したところです。約8mx10mの長方形の敷地で、更地状態からのスタートです。
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着工まで
工事に先立って、工事全体の計画、特に今回はコンクリート打放しの建物ですので、きれいな打放しを作るための施工上の注意点やスケジュールなどについて、詳細に打ち合わせました。
ちなみに今回の工事では「地鎮祭」は行いませんでした。本来、地鎮祭はその土地に初めて建物を建てるときに、土地の神様を鎮めるためのものなので、今回のようについ最近まで建物が建っていた場合や建て替えの場合は必ずしも必要ではありません。もちろんお施主様のご希望でやることもあります。「安全祈願祭」という形で工事の安全を祈念することもあります。

根切工事(写真2:2004年1月8日)
工事前の確認申請の段階で、構造設計のために地盤調査を行い、この建物を支える支持地盤として、地表面から50cm-75cmくらいの深さからの関東ローム層を想定していました。根切工事(基礎を造るための掘削工事)で表層部の土と「ガラ」が除かれ、写真のようにきれいな赤土(ローム層)が確認できました。左のほうにある砂利山は基礎の底盤を確定するために敷かれます。

捨てコン(写真3:2004年1月10日)
根切の土の上に砂利を敷いて捨てコンクリートを打った状態です。この上に鉄筋を組んで、基礎梁と耐圧スラブを造ります。溝状にくぼんでいる部分が基礎梁となります。右下のピロティとなる部分で敷地内の排水を集める最終マスのために基礎梁を曲げています。そのくらい敷地ぎりぎりまで使った計画なのです。

配筋検査(写真4:2004年1月17日)
配筋検査のちょっと前の写真です。まだ右側のスラブ配筋が完了していません。鉄筋はコンクリート打設後には全く見えなくなりますが、躯体性能の重要な部分ですので、かなり多くの項目を設計監理者がチェックし、不良箇所はその場で指示を出して直してもらいます。検査には今回構造設計をお願いしている鈴木孝夫氏にも来てもらいました。

基礎コンクリート打設立会(写真5:2004年1月20日)
基礎コンクリート打設です。道路から生コンクリートを送るため、大型生コン車は用いられず、小型車がリレー式にやって来て打設しました。交通渋滞による若干の遅れはありましたが、ちょっとゆっくりめくらいの、ほどよい打設ペースで施工できました。赤い服の方が持っている棒のようなものは、コンクリートを振動させて充填するためのバイブレーターです。

基礎完了+1階外枠(写真6:2004年1月26日)
基礎と土間スラブが打ちあがり、1階外壁の外側の型枠コンパネを建て込んだところです。一部、壁配筋に入っています。いよいよ建物のボリュームが見えてきます。隣地境界からの離れ=作業スペースが少ないため、道路側以外のコンパネは幅60cm(道路側は幅90cm)として、型枠の脱型などの作業がやりやすいように配慮しました。ここからは施工精度が外壁の仕上がりに直結しますので、合理的な施工法の検討も重要です。

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