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平成20年12月16日 |
懺悔文(さんげもん) |
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108の煩悩と言いますが、それらの中で特に害をなす代表的な煩悩が「貧瞋痴(とんじんち)」、で、これを「三毒」と言います。
貧(とん)の毒とは貪欲(どんよく)で、あれも欲しい、これも欲しいという欲望。
瞋(しん)の毒とは瞋恚(しんに)で、貧が叶わないとき、人を妬んだり、羨ましがったりすること。
痴(ち)の毒とは愚痴(ぐち)で、真理を知らない迷いの毒。ひいては人の幸福を奪ったり、卑怯なことをやって陥れたりすること。
今の世界同時不況という社会情勢はこの三毒にまみれた人々が原因を作ったとかしか思えません。
我昔所造諸悪業 皆由無始貧瞋痴 従身口意之所生 一切我今皆懺悔
(がしゃくしょぞうしょあくごう かいゆむしとんじんち じゅうしんごいししょしょう
いっさいがこんかいさんげ)
=無始よりこのかた貧瞋痴(とんじんち)の煩悩にまみれて、身と口と意(こころ)とに造るところの もろもろのつみとがを みな悉く懺悔し奉る
和尚の勤行は先ずこの懺悔文から始まります。
もうすぐ、108の煩悩を洗う除夜の鐘が鳴る大晦日が来ます。
あなたも、この三毒につかまっていないか、時々、心のお掃除をしてみてください。 |
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平成20年12月1日 |
今日から師走 |
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今日から普段はゆったりしている和尚も走るという師走。
あわただしい年の瀬が近付いて来ました。
そろそろ来年の準備です。
先ずはホームページの更新にあたふたしています。
当山の来年の年中行事は、
2月3日 星祭り
3月1日・2日 初午会式
7月19日・31日 木瓜加持
となります。
星祭りは節分の2月3日で毎年変わらないのですが、
初午会式は3月最初の午の日が本日、その前日がよみや(宵の宮)ということで来年は3月1日・2日となります。
また木瓜加持は夏の土用の入りから立秋までの間の丑の日ということで、一日のみの年もありますが、来年は2回(丑の日と二の丑)巡ってきます。
皆様、どうぞご参詣下さい。
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平成20年11月17日 |
United States of America |
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「United States of America」は直訳すれば「アメリカ合州国」が正しいのでしょうが、1854年調印の日米和親条約で江戸幕府の役人は、〈亜米利加合衆国〉と意訳しました。アメリカの政治形態が「民主主義」であったため「合衆政治の国」すなわち「合衆国」としたのでしょう。
ただ当のアメリカ人は、こんなことは未だに知りません。
しかし、黒人のバラク・オバマ氏が次期大統領になるなんて、和尚が過ごしていた20年ほど前には考えられないことが起こりつつあります。まさに「合衆国」の名に相応しい出来事かも知れません。弘法大師が理想とされた国籍不詳・性別不明の神・仏が秩序良く過ごす「曼荼羅」の世界に少しでも近付いて欲しいものです。 |
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平成20年11月1日 |
花梨(かりん) |
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当院「魚籃観音堂」の隣にある花梨の木に実がなりました。
写真は約750gの大物です。
中国原産のバラ科の落葉樹で、日本では弘法大師が唐から持ち帰り、821年に香川県の満濃町を訪ねた際に苗木を植えたのが始まりといわれます。
非常に硬くまた渋いとのことで、生では食べられませんが、カリン酒や蜂蜜漬け、またジャムにしたりすれば、のどの薬・咳止め薬になるそうで、美妙尼が挑戦中です。
さて、どんなものができますやら。
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平成20年10月16日 |
唐人踊り |
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今年も10月12日津祭りの出し物「唐人踊り」を奉納して頂きました。
寛永13年(1636年)に始まった伝統ある催しで、朝鮮通信使を真似たという滑稽なお面をかぶり、笛・鉦・太鼓の音にあわせ愉快な踊りを披露してくれました。
当院の仏さま達も満足・満足!!。
三重県無形民俗文化財で、
こちらは公式ホームページへのリンクです。
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平成20年10月1日 |
お大師様のお言葉に |
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世間は政局・経済ともに何やら怪しい状況になってきています。
透けて見えるのは人間の果てしなき、かつ行き過ぎた欲望の結果ですね。
さて弘法大師は著作「性霊集」の中で
『物之興廃必由人 人之昇沈定在道』
(物の興廃は必ず人に由る、人の昇沈は定めて道に在り。即ち、物の栄えるか衰えるかは、それに関わる人たちの人柄・能力・智恵・努力によるものである。また人の成功・失敗や浮き沈みは、その人が、人の歩むべき道を踏んでいるか、踏み外したかで決まるものである。)と述べられています。
ここで「物」を「世界」に、「人」を「国家」に置き換えて考えてみてください。
幸いにして民主主義の日本国民たる我々は、「興」と「昇」に導く指導者を冷静に選ばなければなりませんね。
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平成20年9月16日 |
微生物 |
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微生物とは『顕微鏡を通してしか見ることのできないような、小さな生物』のこと。 「細菌」「菌類」「ウィルス」「藻類」「原生動物」などの総称で、地球上のあらゆる所 (土の中、水の中、空気中、植物の中、動物の中、汚物の中etc)に存在し、 土を豊穣にする微生物、醤油・味噌・酢・酒をつくる微生物、原油を作り出す微生物、 化学農薬に代わる微生物農薬。そして我々の中の腸内細菌と呼ばれ消化吸収を助ける微生物。食物連鎖・自然界の循環の中の必要不可欠な偉大なるプレーヤーです。 この微生物の存在と働きがなかったら生態系は成り立ちません。
すなわち我々人間も存在できないのです。
目に見えないものに生かされていることに感謝。
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平成20年9月1日 |
ビッグバン |
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「宇宙は無から生まれた」---現代の物理学者はこう考えている。137億年前に超高温超高圧のビッグバン(大爆発)から様々な素粒子が誕生し,素粒子から多種多様の原子が生まれ無数の星々をつくった。今も膨張を続ける宇宙の膨張速度から逆算すると宇宙の現在年齢は137億年となるそうだが、その宇宙誕生の種は「無」と言われると???? 物質文明しか知らないこの和尚の理解の外です。しかし「無=空」と考えると、これもまた「色即是空」「空即是色」のバリエーションのひとつかと。釈尊は夜の満天の星を見ながらこんなことまで考えていたのでしょうか。
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平成20年8月17日 |
アインシュタインと湯川秀樹 |
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今年も8月15日の終戦記念日が過ぎました。敗戦なのに何故か終戦という日本人ーーー素直さがないですね。
広島・長崎への核爆弾投下が決定的事由になったと現代史にはありますが、絶対的に状況不利なことが分かっていながら、なぜもっと早くギブアップしなかったのでしょうね。日本人の先送り体質は当時もそうだったんでしょうか。
さて主題の2人はいずれもノーベル物理学賞の受賞者ですが、「失敗の歴史は人類の共有財産」と唱え、生涯核兵器の廃絶を訴えられました。
またアインシュタインは命の大切さを説く宗教心の重要性を語り、
「宗教のない科学は片輪であり、科学のない宗教は盲目である」と。
そして「第三次世界大戦はどう戦われるでしょうか。わたしにはわかりません。 しかし、第四次大戦ならわかります。石と棒を使って戦われることでしょう。」とも言っています。これはどういう意味でしょうね。考えてみて下さい。
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平成20年8月1日 |
わらべ地蔵 |
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先日、篤信の I様から写真手前の2体の土人形を奉納頂きました。
さっそく、境内のお地蔵様の傍にお祭りし「わらべ地蔵」と呼ぶことにしました。
泣いているような、怒っているような---実に表情豊かな、かわいいお地蔵さまです。 |
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平成20年7月16日 |
盂蘭盆会 |
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お盆の時期は、当地では新盆(7月)・旧盆(8月)と称しそれぞれ7日から16日、または13日から16日と各家によってまちまちです。しかしその心は家々において先祖をはじめ新旧すべての亡き人の精霊を偲び、お迎えし、お家によっては精霊棚を設けて、真心を込めて供養し、同時に「果たして自分たちは、ご先祖さまに恥ずかしくない、また安心していただけるような生き方をしているだろうか」と自己を見つめ直させていただくということです。
またお迎えしたご先祖と共に踊るのが「盆踊り」で代表格が「阿波踊り」や「郡上踊り」、お送りするときの「送り火」の代表格が「京都大文字の送り火」や各地の「灯籠流し」などです。
この期間に僧侶は各家にて「棚経」を務めさせていただく訳です。
何か情に富む美しい日本の風習ですよね。
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平成20年7月1日 |
藤堂高虎 |
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この津市の礎を築いた初代藤堂藩主の戦国武将「藤堂高虎」は戦国の世を一介の浪人から、豊臣秀吉や徳川家康など主を替えながらその武勇と才覚で生き抜き、関ヶ原の戦い(1600年)以後は外様ながらも、家康から32万石を拝領。築城や領民の幸せを第一にする城下町作りの名手としても名高く、1608年に伊勢・伊賀国に入府。地方分権の先駆けとしての評価を受けています。今年は、その「高虎入府400年」ということで「NHKの大河ドラマに」などの活動にも熱が入っています。
当山蓮光院も藤堂藩の祈願寺となっていましたので、何か因縁を感じている次第。
詳しくは「津市観光協会のホームページ」をどうぞ。 |
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平成20年6月16日 |
三方よし |
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近江商人の教えに「三方よし」というのがあります。
すなわち、「売り手よし・買い手よし・世間よし」と言うことですが
自身の収益追求と同時に、客にも喜んでもらえること、社会にも受け入れられることを決して怠らぬようとの教え、商人道の基本だそうです。が、考えてみれば「武士は食わねど、たか楊枝」などと言って見栄にこだわって、借金だらけになり挙句、「徳政令」で借金踏み倒しなんてことになった「武士道」よりよほど現実的で人の生きる道そのものではないかと思います。
仏教の「自利利他行」と同じ教えではないかと思うしだい。 |
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平成20年6月1日 |
馬頭観音のご利益 |
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今年のまだ寒い頃、I市のN様が当院に参詣され,身内の過去霊に自死された方があり、今のご家族関係が何かぎくしゃくされているとの由。この和尚、事情も良く分らぬままに、本尊馬頭観音に過去霊の滅罪生善と頓證菩提をよくよく祈念させて頂いた所、しばらくして家族関係がとても良くなりましたとお礼参りに来られ、写真の提灯4灯と鰐口用緒綱を御奉納下さいました。諸大観音中慈悲最も優れたりとされる馬頭観音は、このようなご利益もお持ちなのですね。このご縁を頂けた事に和尚も感謝感謝です。
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平成20年5月15日 |
花祭り |
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5月5日こどもの日には例年津市仏教会主催で花祭り稚児練りを催しています。
お釈迦様の誕生(4月8日)を祝ってのお祭りですが、お子さんたちが参加しやすいように、こどもの日となっています。
今年は雨模様の日となりましたが、有難いことに稚児練りの間は雨があがり、傘もなしに歩くことができました。
ゴールの津リージョンプラザではお釈迦さまへの甘茶かけ、漫画映画上映、大抽選会と親御さんたちも一緒に楽しんで頂きました。ことしは9回目の参加なんてお子さんもいて盛大に終えることができました。
来年は皆さんのお子さん、お孫さんも参加されてはいかがでしょうか。 |
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平成20年5月1日 |
ニュートリノ |
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「浄 (きよ)き御国 (みくに)を荘厳 (しょうごん)し、宇宙の秘蔵を拓 (ひら)かなん」
ご詠歌”金剛和讃”の一節です。
ノーベル賞学者小柴昌俊博士の研究室には宗教画が飾ってあるとの由。
それを見た浜松ホトニクスの社長は「この人は科学の本質を理解している」と確信し、高感度の大型光電子倍増管の提供を快諾。これが地球をも突き抜ける素粒子ニュートリノにも質量があることの発見に繋がり、ノーベル賞受賞となった訳です。まさに”金剛和讃”の世界を生きてこられた様に感じている和尚です。
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平成20年4月16日 |
"ボケない5ヶ条" |
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日本人の平均寿命は男性79才、女性85才とか。なぜ女性の方が長いのか?
その秘密は"おばちゃん力"だそうです。すなわち"ボケない5ヶ条"を信条としている人たち、つまり
@仲間がいて気持ちの若い人
A人の世話をよくし、感謝のできる人
Bものをよく読み、よく書く人
Cよく笑い、感動を忘れない人
D趣味の楽しみを持って、旅の好きな人
などなど、皆さんの周りにも思い当たるおばちゃん≠ェいませんか?
世の男性陣諸君もまねをして、高齢化社会を笑って明るく楽しく生きていこうじゃありませんか。 |
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平成20年4月3日 |
ホームページ |
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当山のホームページを作って4年近く経ちました。
昨年7月ころからトップページの絵が動かなくなったとの声を頂きました。
実はIBMのホームページビルダー付属のソフトでは、WindowsXPでは問題なく動くものが、WindowsVISTAとは相性が良くないらしく、ロールオーバーでの切り替えとしておりました。
今回新しいソフトを入手して試したところ、うまく行くようなので早速アップしました。皆様の画面でも動くようになっていますでしょうか?
まあ和尚の自己満足に過ぎませんが、よろしくお付き合いください。 |
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平成20年3月16日 |
健康長寿 |
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この地球上には、飢餓に苦しむ人々が一説には10億人いると言われます。一方、この日本では食料の60%をも輸入に頼っているのに、飽食のあげく、全食料の30%をムダに捨てているとのこと。
さて、動物実験では、通常の食餌量の6割に抑えるとガン発生率が下がり、動脈硬化などの老人病の発症も少なくなり、風邪もひきにくく、自然治癒力が高まり病気からの回復も早くなるなどが遺伝子レベルで解明されつつあるとのこと。人間にもきっと当てはまるのでしょう。
健康長寿の秘訣はダイエットと言えるようです。栄養失調になるほどやるのは行き過ぎでしょうが、この4月からは小麦をはじめあらゆるものの値上げが喧伝されています。”もったいない”精神を発揮すればエコライフとなりメタボリックともさよなら。
我々の実生活でも心がけて行きましょう。 |
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平成20年3月1日 |
四苦八苦 |
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人生は四苦八苦と言いますが、四苦とは生老病死。さらに
愛別離苦(あいべつりく):愛する者と別れなければならない苦、
怨憎会苦(おんぞうえく):怨み憎しみを持つ対象とも会わざるを得ない苦、
求不得苦(ぐふとくく):求めても求めても得られない苦、
五蘊盛苦(ごうんじょうく):心身の活動が活発なゆえに苦しむ苦。
の四苦を加えた八つの苦を四苦八苦と表現します。
我々の煩悩の一つ一つもこれら八つの苦に落とし込めますよね。ところで
4x9=36、8x9=72 足して108の煩悩なんて、まるで落語のようですが、
苦しい時も笑い飛ばせるように精神を鍛えていかなければなりませんな。 |
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平成20年2月16日 |
星祭り(節分星供養) |
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節分の2月3日は朝起きると、久し振りの雪で境内は真っ白。参道だけでもと雪掻きで大わらわ、午後2時からの、星供養護摩供の頃には大部分融けてはいましたが、寒い一日でした。
が、この和尚気合いを整えて、お申し込みの皆々様の開運招福を至心に仏天に祈願させて頂きました。皆々さまが向こう一年息災で過ごされますよう更に祈念いたします。 合掌 |
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平成20年2月1日 |
究極の幸せ |
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人間の究極の幸せは
人に愛されること
人にほめられること
人の役に立つこと
人に必要とされること
2005年愛知万博の電力館に掲げられていた額の文言です。
人間という生き物は、みんな幸せを求めて生きているんですね。 |
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平成20年1月16日 |
親は選べない? |
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昔、親に叱られたり、仲互いしたりした時に
「産んでくれと頼んだ覚えはない」などと悪態をついたことはありませんか?福島大学経営学部教授「飯田史彦」氏の研究によると、「自分の魂は大きな大きな光の世界から母親の胎内に宿る時、落ち着き先を自分で選んで来ている。
たとえ苦しい、絶望的な人生であったとしてもそれは自分が学ぶために設定した試練なのだ。高い修行、学びを積んだ魂ほど困難な人生にチャレンジして生まれてくる」そうです。自分の親も人生も自分が選んだものだと自覚して、生まれて良かったと思えるように修行していきましょう。 |
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平成20年1月1日 |
かぐや |
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月観測衛星「かぐや」からの「地球の出」「地球の入り」の映像を見ていて、宇宙飛行士毛利衛さんの言葉を思い出しました。
「人間のあらゆる営みは、人間が生き延び、そして豊かになるためにある。
地球上には65億人もいて、自然界を支配しているようにみえる。人間から見ると、人間が存在しない地球なんてとても考えられない。でも、それは人間だけの理解でしかない。人間がいようといまいと地球は存在し続ける。」・・・
地球に嫌われないように、生活していかないといけませんね。----という訳で、本年もどうぞ宜しくお願いいたします。 |
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