ばほうざん れんこういん はつうまでら

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平成21年12月25日
六地蔵お性根入れ
   
こちらもご覧下さい

22日(冬至・大安)に蓮光会共同墓地の六地蔵尊復帰開眼法要を行いました。隣地の住宅地造成工事がほぼ完了し、しばらくお性根抜きの後、避難してもらっていたものです。 一般に「お性根入れ」「お魂入れ」などとも言いますが、正式には「開眼供養」と言います。五眼(肉眼,慧眼,天眼,法眼,仏眼)を具足して万般功徳のご利益を願う法要を厳粛に勤めさせて頂きました。 六体の地蔵菩薩は「六道に遊化し、二仏中間に於いて、まさに人天を利益し、生死を度脱し、一切衆生をして現世未来に大安楽を得せしむ」といわれ、墓地の一隅に祭られております。 では、皆様良いお年をお迎え下さい。

平成21年11月24日
結縁潅頂(けちえんかんじょう)

結縁潅頂儀式1日目の「庭儀三摩耶戒」のうち「庭讃」の風景

一般の方々が仏様とご縁を結ぶ「結縁潅頂」の儀式が近くの津観音寺で11月21日から23日の間、厳粛壮大かつ神秘的に挙行され、この和尚も出仕させて頂きました。
古代インドで国王が即位する時、四方の海の水を集めて頭に潅ぎ全世界の王であることを示したのが由来とされますが、日本では天皇の勅許のもと戒壇をつくることを許された寺院でしか催行することが出来ませんでした。かの天台宗開祖の最澄も、弘仁3年(812年)の暮れに京都高雄山寺にて真言宗の開祖空海のもとで潅頂を受けた記録が残っております。
さて今回の舞台裏ですが、その準備たるや想像を絶する大変なものでおびただしい檀具(仏具の数々)の用意、戒壇所の設定・荘厳、多数の出仕僧の依頼、統一衣体の準備、特別な声明(仏教音楽)や進列の練習etc、etcと実に2年の準備期間を経て挙行に到ったものです。お陰様で和尚も沢山の仏縁を頂きました。

平成21年10月21日
相輪

当院本堂の屋根形状はちょっと変わっています。
丸みを帯びた屋根はお遍路さんの笠をイメージし、てっぺんには五重の塔などにある相輪が天に向かって突き出ています。
この相輪は、上から順に、宝珠・竜車・水煙・宝輪(九輪)・受花・伏鉢・露盤とこれらを貫く心棒(刹管)から成り立っています。宝輪は九つあって五大如来・四大菩薩を顕すとされます。仏の世界そのものを現わしている訳です。ご祈祷ないしご供養の修法では、和尚が堂内に座って瞑想を凝らし、仏様をお招きする所作があるのですが、その時この刹管を通って無数の仏たちが、どどどーっと入ってこられて堂内に満ち満ちる気がします。皆様にも是非この感覚を味わって頂きたいものです。

平成21年9月18日
民主主義と政権交代

このたびの総選挙で自民党から民主党政権へとバトンタッチされました。友愛をうたう民主はさしずめ慈悲の世界である「胎蔵界曼荼羅」の世界をめざすのか、対する自民党は智慧の世界という「金剛界曼荼羅」の世界を目指したがサル知恵・悪知恵が目立つようになって自滅してしまったというところでしょうか。(ちなみに智慧は神仏の普遍的・絶対的智慧、知恵は人間のともすればあさはかな知恵)
両界曼荼羅がどちらが表でもなく裏でもなく渾然一体となった調和の世界であるように、智慧と慈悲が満ち満ちた活力溢れる平和な世界に向かって進路をとって欲しいものです。なにはともあれ、民主主義は努力しないと力を発揮しません。放っておいたら堕落するものです。国民主権のルールのもとに、我々も常に参画意識を持って自問しながら運営していかなくてはなりませんね。
弘法大師の教えもご覧下さい。

平成21年8月20日
継続は力なり

やっとお盆の期間が過ぎました。棚経で各家を廻らせて頂きますが、例年のことながら暑さが身にこたえます。この期間の仕上げとして18日の日に隣町の一身田中野区の慈眼寺という地域の人たちが守るお寺での年中行事として護摩供の修法をさせて頂いています。30度を超える暑さのなかでの護摩焚きはかなりきついものですが、今年も無事勤めさせて頂きました。
「継続は力なり」と言いますが、「継続するから力になる」のではなくて「力をいれてやるから継続できる」と考えるべきでしょう。

平成21年7月18日
奇縁仏縁

一昨年の暮れ、当山が聖徳太子ゆかりの寺ということで、わざわざ遠い広島県F市から御参詣のM様、当山の「初馬寺」という扁額が、先の太平洋戦争による米軍の爆撃で堂宇もろとも破壊され欠落したままになっていることを知られ、このたびご奉納をいただきました。
この18日馬頭観音のご縁日に、実に64年振りの復活掲示となり、仏縁とはまことに有難いものと感謝の極みです。
この扁額が未来永劫、当山を飾ってくれるよう切に願うしだいです。
当山縁起もご覧下さい。

平成21年6月19日
祇園精舎の

『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の世の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ』平家物語の有名な一節です。
百年に一度の経済危機とかで、米国のクライスラー社、GM社が破産法申請とか、日本でも著名な会社がどうなったとか、とばっちりを受けた弱者が失業して困っているとか騒々しいことです。先日、当山の世話方(相当の年配です)と話していたら「戦中戦後はとにかく食べるものがなかった、生きるのに日本中が必死だった」「当時に比べれば、今は何ということもない。百年に一度なんてウソウソ」と。
因果必然の理を信じ、傲慢さを捨てて、足るを知る生活をしていれば

好不況の振れ幅も今の様に大きくならずに済むものを---和尚の愚痴です。

平成21年5月16日
知覧での法要

5月12日鹿児島県の知覧にて、法友13名とともに太平洋戦争特攻隊英霊の鎮魂法要と世界平和祈願を厳修いたしました。もう60数年前の出来事とはいえ、現地で二十歳前後の若者たち1036名が、お国のためにと散っていった実情・残された多数の遺書などから、切々と胸に迫るものがあり、涙を禁じえない思いで一杯になりました。一方であの戦争にもし勝っていたら、今の日本はどんなふうになっていたかと想像すると、なにか背筋が冷たくなります。第二次世界大戦での戦没者数は全世界で5000万人以上とされており、内日本人は310万人。とてつもなく野蛮なことを演じてしまう人間とは一体何者なのでしょうか?しかし、彼らの犠牲の上に現在の世界が成り立っているのもまた事実です。
恒久の平和を願い「手をつなごう、助け合い、語り合い、信じ合う、我らみな仏の子」和尚の思いは駆け巡る。左は「特攻平和観音堂」とその内部(本尊は「夢ちがい観音」)です。

平成21年4月20日
悟りとは
「悟り」とは
○六道=地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道を輪廻するこの世界から解脱すること。
○悩み・怒り・迷いなど即ち煩悩に満ちた心を脱した境地。
などと説かれますが、どういうことか? と考えていたら、
正岡子規の言葉に行きあたりました。
 「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合も平気で生きて居る事であった。」と。
何となく腑に落ちる気になった和尚ですが、さて皆さんの心の状況はもう六道を突き抜けていますでしょうか?
平成21年3月17日
行く河の流れは

「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。(方丈記)」
ブルートレインと呼ばれた、長距離寝台特急「はやぶさ・富士」がこの3月14日をもって姿を消しました。しかし昨年の11月末には、それらを駆逐した新幹線の「0系車両」も役目を終えました。街には卒業式かなと思える若人の姿が見られます。地上では無数の花が、今咲こうとしています。   
時も流れています。再び巡っては来ない。
あなたは二度とない今日の命を、精一杯生きようとしていますか?
 ところで左は、隣の公園の「0系車両」型公衆トイレです。「どっこい、まだ現役だよ」なんてね。

平成21年3月5日
厄除け祈願
3月1日,2日の当山恒例「厄除け祈願の初午会式(はつうまえしき)」が無事終了しました。写真は1日の堂内での馬頭観音護摩供の様子です。炎の中に観音様が御姿を現わされているように見えませんか。
2日は境内で柴燈護摩供の予定でしたが、あいにく強風が吹き荒れて、代わりに堂内での護摩供となりました。
津駅に近くて周りにビルが並んできて、いわゆるビル風が突風となる状況で、昔とはずいぶん事情が変わってきています。
これも「諸行無常」のひとつでしょうか。
平成21年2月17日
世の中おかしい・・・
久しぶりに友人S君の絵手紙です。
世界経済が百年に一度の大不況だというのに、その最中にありながら、この日本国の最高府においてはなにやらダラダラダラダラ。目の前で浪費されていく血税一日一億円の国会開催費用。いったいどうなっているのか?
『物之興廃必由人 人之昇沈定在道』という弘法大師の言葉がまた思い出されます。
「民度」という言葉があります。国民の精神的成熟度という意味あいでしょうか。世の風潮・ムードに流されることなく真理を見抜く力を付けて「民度」を上げて行きたいものです。
かく言う和尚も修行中ですが・・・・・。
平成21年2月1日
節分会 星祭り

「神秘無限の大虚空 照らす光は異なれど 当年星は廻りきて 必ず救うの御誓願」 星祭り供養和讃の一節です。
2月3日は節分、翌4日が立春で昔はこの辺りが正月でした。なんとなく春の兆しが感じられる気候となるころです。
皆様の当年星を供養して今年の恙無きを祈る行事で、鬼払いの豆まきもよく知られています。近頃は恵方巻(太巻きずし)を食べることも流行ってきました。

さて、当山の星祭りのお札は、昔ながらの版木による手刷りにこだわって「一刷三礼」の気持ちを込めて作っています。家内工業で数に限りがありますが、どうぞご祈祷をお申込み下さい。

平成21年1月17日
「あ字」

元旦の独り言(下)の写真は初日の出の中に「阿字」を入れてみました。
サンスクリットの「あ」で、大日如来=宇宙の本質・根源=命の源を表しています。
「阿字の子が、阿字の古里(ふるさと)立ち出でて、また立ち還る阿字の古里」とお大師様のご詠歌にありますが、我々の生から死への間の命の旅を思う歌でしょう。
また、この「阿字」は「阿字観瞑想法」にも使われます。月輪の中に「阿字」を描いた掛軸に向かって静かに座り、呼吸を調えて心を落ち着かせ、自身に内在する仏性(ぶっしょう)を悟り大日如来との一体感を瞑想するというもので真言禅とも呼ばれます。
現代社会で、心の平安を得る精神修養として皆様も試みてはいかがでしょうか。

平成21年1月1日
「変」

新年あけましておめでとうございます。
『「変」の字も知らぬ顔して猫悠々』
境内に出没する野良猫の様子ですが、あるがままを受け入れて自由に生活する彼らが羨ましくもあります。
人間世界には不景気風が吹き荒れてます。経済活動なんて所詮人間が作り出したシステムに過ぎないのに、そのシステムがうまく回らなかったが為に、その中で人間が悩み苦しむ----自縄自縛を自ら演じているのではないか?
人間とはなにか? 少なくともこの地球にとって必要な生き物ではない。
・・・・・という訳で、この続きは皆様で考えてください。本年もどうぞよろしくお願いします。

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