この「Contact」プロジェクトは、「第3回大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2006」のコンペにおいてプロスペクターが出品し、入選したことによってスタートしたものです。 2006年のイベントに向けて、アートと自然のなかでの「足湯」の実現を目指します。 0000 |
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「contact」装置としての足湯(コンペの際の説明文) 東洋医学の思想においては、血行状態の変化は人の感情、感覚をも変化させるものである。血行不良状態が改善されると、利己的な感情は薄れ、より静穏に感覚が研ぎ澄まされていく。それは健康状態だけでなく、人間の性質自体の変化である。そして意識主体としての人間の変化は、すなわち「環境」の性質の変化を意味するものでもある。 ここに提案する「足湯」は、松之山温泉など優れた温泉を有する当地の特質を生かし、手軽に、気持ちよく血行バランスを改善させる装置である。このイベントの見学者(参加者)たちは、長時間電車か車に乗ってやってきて、現地では忙しく車で移動して徒歩で見て回る。そのプロセスは体内に疲労と凝りという血行不良状態を生み出しかねない。この状態を癒すことによって、自然、アート、人、そして自分自身をも含む環境に対し、よりリベラルで、鋭敏な感覚をもって「contact」することが可能になる。つまり足湯は、この場で発生する全ての感覚的反応=コミュニケーションを増幅させる装置なのである。ここでは必然的に人々は裸足となって大地と水に接し、またその場所の環境を、一定時間とどまって知覚することになる。(中略) それぞれの状況における「contact」の対象はそれぞれ自然・アート・人などに限定されるものではない。むしろその総体としての「環境」のみが意識され、そしてそこに存在する「自分自身」との「contact」こそがこの装置の目標点である。 |
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