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ティランジアの冬越し雑感 (02' Mar. 日本ブロメリア協会会報 第11号掲載)


序.更新情報(2004年5月)
 本稿は、筆者が2002年度の日本ブロメリア協会会報第11号の為に書いた原稿です。御覧の通り、トリトメのない雑文でありまして、特にこれといった内容も含まれていませんが、難しい学術的な文章のみではなく、こういったものもBSJの会報には掲載されているのだ、ということで、ご参考までに。

<以下本文>

はじめに
 私が以前、都内某所のアパートで暮らしていた頃、毎年のように頭を悩ませる問題として、ティランジアの冬越しがありました。本来はベランダなどの屋外スペースに簡易温室を設け、そこで栽培すると良いのですが、私の場合は植物趣味が高じた結果、冬季は冬型球根や耐寒性の高い多肉植物などがベランダを占領してしまい、屋外スペースには僅かの空きもありません。必然的に、全てのティランジアは室内のごく狭いスペースで冬越しせざるを得なかった訳ですが、今回は、その折々に思ったことや感じたことのなかから、特に初心者の方にも参考になりそうな題材を選び、幾つか書き連ねてみたいと思います。

ティランジア緑葉種について
 ある程度の数のティランジアを手がけるようになると、その中にも必ず緑葉種(タンク・タイプのティランジア)が含まれてくることと思います。花や葉姿に秀でたものも決して少なくはなく、コレクターならずとも手がけたくなる植物ではあるのですが、これが存外曲者で、大抵のものは葉が柔らかで痛み易く、さらにサイズ的に比較的大きめであるため、冬越しの際に、狭い場所へ他の植物達と一緒に押し込めるには、なかなか骨が折れます。また、タンク・タイプであるが故に完全な断水が出来ず、真冬の低温の続く時期には環境障害を防ぐため、室温の調整にも充分な注意が必要となります。
  しかし、決してネガティブな面だけではなく、緑葉種であるが故の大きな利点もあります。それは、「ロゼット内に常に貯水されているため、冬季の乾燥による障害をほとんど受けない」こと。そして、「タンク内から蒸散される水分によって、その植物の周囲は常に、ある程度以上の湿度が保たれる」ということです。
 特に、狭いスペースでティランジアの冬越しを行う場合、後者が大きな意味を持っており、例えば高めの湿度を好む小型種を冬越しさせる場合、僅かなスペースを割いて、ただ植物棚に転がしておくのではなく、直接、緑葉種のロゼット上にそれらのティランジアを乗せて管理するだけで、タンク内から発生する湿度により、通常よりの随分と乾燥によるダメージを減らすことが出来ます。大型緑葉種の上に小型銀葉種が散らばっている光景自体、あまり宜しくはありませんが、省スペースと小型種の健康維持の点では大きな効果を発揮します。これまでに冬季の乾燥で大切な植物を失ったことのある愛好家の方は、是非、試していただきたいと思います。 
 なお、こまめに新鮮な水を補給しないと、緑葉種のタンク内には緑藻を筆頭に、イロイロな小生物が発生しがちです。その手が苦手な方はご注意を!

加湿器のススメ
 前項で書いた通り、大型タンク・ブロメリアのロゼット上は、そこそこの湿度もあり、小型銀葉種にはなかなか快適な場所です。しかし、上に乗せるには少々大きすぎる種や、既に何等かの素材に着生させてあるものについては、物理的にそうもいきません。そこで加湿器が登場する訳ですが、これは単に空中湿度を上げるためだけのものではありません。スチーム式加湿器を使用すれば、簡単な工夫次第でそれなりの加湿効果さえも得ることが出来ます。
 私の場合、6畳間の窓辺に市販のワイヤーラックを置き、棚の一番下の段に加湿器を設置しましたが、勿論、そのまま真上に植物を置いてしますと、蒸気の熱でティランジアが煮えてしまいます。そのため、蒸気の通り道に植物が倒れ込まないように、針金などで簡単な間仕切りを作り、蒸気が安全に一番上まで抜けるように細工を施しました。その上で、通り道に近い側から寒さに弱いティランジアを並べていったのですが、結果は上々、暖かい蒸気の通り道周辺のティランジアは言うに及ばず、その冬越棚に配置していたほとんどのティランジアは、非常に元気に春を迎えることができました。思いの外、効果は大きいですから、これも機会があれば試していただきたいと思います。

冬の扇風機
 ご存じの通り、ティランジアは風通しをこよなく愛する植物ですが、「冬季の室内」という条件下では、温度や湿度のコントロールが最優先となり、どうしても風通しの如何は後回しになりがちです。しかし、冬季だからこそ、「風」が重要になってくる部分もあります。前項でも触れましたが、一般家庭室内でティランジアの冬越しを考える場合、空中湿度を高めに保つことが、植物の健康を維持する上で非常に有効です。
 しかし、実はそこに落とし穴があり、高めの湿度下で空気の流れが充分では無かった場合、たまに銀葉種の茎葉に黒カビを発生させてしまうことがあります。当然、見栄えだけではなく、その植物の健康状態にも悪影響がでてしまうため、充分な注意が必要なのですが、実は加湿器を稼働する際、一緒に扇風機をごく弱く運転させておくだけで、非常に簡単に防ぐことが出来ます。副産物ながら、その室内の暖房効率も飛躍的にアップしますので、夏にしまい込んだ扇風機を引っぱり出す価値は充分にあるのではないでしょうか。室内でティランジアを栽培している全ての方にお勧めです。

おわりに
 以上、思うままに書いてきましたが、如何でしたでしょうか?時期的に、やや遅きに失した内容ではありますが、拙者が皆さんの今後の冬越しの参考になれば幸いです。それでは、皆さんが良い春を迎えられますように。

<了>

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