ススの助 Susunosuke

 生まれつき体の弱いススの助に
ノラネコ暮らしは無理だった。
 
 兄弟たちに見放され
ゴミ焼き炉のススで汚れた毛皮は愛されもせず
ランドセルの子供たちに
投げつけられた名前が『ススの助』。

 底の無い空腹が、体力も気力も奪い去った。
 意識が土に溶けて消えようとした時
『一緒に帰ろう。』と、誰かが言った。
 
 眼が覚めた時ススの助の生活は一変した。
 ススの助のそばにはいつも優しく見守る
お母さんがいた。
 お母さんは病弱なススの助を片時も離さず
看病した。
 一ヵ月後、元気になったススの助は嬉しくて
お母さんの見守る所で思いっきり遊び
毎日お母さんの腕枕ですやすや眠った。
 
 幸せな日々は二ヶ月で終わった。
 三ヵ月目、ススの助は病気に倒れ、死を宣告された。
 毎日泣きながら看病するお母さんの目を盗み
ススの助は最後の力を振り絞って写真館へ行った。
 
お母さんとお別れする日
『今度はぼくが見守るね。』と、小さくつぶやき
お母さんの枕もとに
自分の写真を静かに乗せた。

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