「さっきの宿のが豪華だったのに!」
「あっちはペットお断りだったじゃないですか」
「でも、駐車スペースはあったじゃん!」
「貴方たち三人はいなくても大丈夫ですけど、ジープがいなければ天竺に着けないんですよ?」
「三人って言ってるぜ? いいのかよ三蔵さま」
「……後が面倒だから構うんじゃねえよ」


「三蔵、コーヒーいかがで……ちょっと窓開けません?」
「寒い」
「煙いから開けろって! だいたいさんぞーたち、煙草吸い過ぎ!!」
「煩えな、猿は黙ってろっつーの!」
「猿って言うなよなっ!!」
「近頃は蛍族って言って、ベランダに出て吸うのが常識ですよ? 副煙流の害も明らかになって来てるんですから。回りの人間に対する愛があれば、行動パターンは自ずから決まってくるはずでしょう。三蔵だって、僕の肺が真っ黒になるのは本意じゃないですよね?」
「腹ン中真っ黒な男が、今更何言ってやがる」
「「うわ、三蔵ってば命知らず…」」
「…三人とも、何かおっしゃいました?」


「あ! それポン!!」
「ダーメ。猿、お前鳴くの遅すぎ」
「悟浄こそ、先ヅモ禁止だろ!!」
「女子どもの麻雀じゃねえんだから、ンなちんたらやってられっかよ」
「きったねえぞ、このクソ河童エロ河童ゴキブリ河童ッ!!」
「なんだと、このクソチビ猿がぁ!!」

「…ふたりとも、当初の目的を忘れてません?」
「…馬鹿どもが」
「どっちにします? 一人部屋と二人部屋」
「一人部屋」
「悟浄たちに一人部屋の鍵を一つずつ渡して、僕たちが二人部屋という選択肢もありなんですが」
「…聞こえなかったのか? さっさと一人部屋の鍵寄越せ」


「おやま、子ザルちゃんは撃沈?」
「ガキだからな」
「あらら、八戒も。いつも目ぇ固えのに珍しいな」
「一日中、ジープのハンドルを握りっぱなしだったからな」
「三蔵さまは? まだ寝ねえの?」
「そういうてめえはどうなんだよ」
「俺? 俺は別に何もしてねえし」
「……なら、煙草の火くらいつけたらどうだ」
「へいへい」



 
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  閉架書庫のkitori様が配布されていた小説をReアップ//
三蔵一行というキャラ達の素晴らしさを、いつもいつも感じさせていただいてます//(〃∇〃)
これからも御活躍楽しみにしていますv愛は末永くのんびりとv

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