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「先生!!おひさしぶりです!アカデミーを卒業出来ました!!」

卒業後、配属されるまでの僅かな期間、それぞれ学生達は故郷に戻り、入隊の準備などをしていた。アスランが自宅に戻った事を知った、クルーゼは或る日の午後、アスランを訪ねた。


クルーゼはアスランがあのような手紙を書いた理由を覚えていた。

月から帰っていた後、父親と自分の情事を見、アスランはクルーゼに同じ事をしたいとねだったのだ。

クルーゼは特にアスランを陥れるだけならば、直ぐにでも自分の身体を与えても良かったが、一瞬パトリックがパトロンとなってから自分に尽くしてくれた事を思い出したのだった。
自分の身体を貪っているこの子の父親が、ただ金銭と身体の交換条件だけなら迷うことは無かったが・・・・又、ここまでアスランが自分を覚えてくれていて、慕ってくれている事に、戸惑いを覚えたのだ・・・・

だが、あの、ユニウスセブンの悲劇の後、クルーゼがザフトの優秀なパイロットである事、そのトップが自分の父親である事に改めて気が付き、今、自分が何を為すべきか、を考え、入隊を考えていると相談を掛けてくれた時、パトリックは止めた。
日頃、冷徹な、冷静な、プラントの為なら家族を犠牲にしてもと思われていた男ではあったが、やはり、一人息子という躊躇はあったようだ。
しかし、クルーゼは、パトリックのいない時アスランに応えた。

「それも選択の一つですね。一番早くこの社会のために活躍出来るかも知れませんね。」
「一人前になれますね。」
「ええ、親の七光りなどと言われない、実力の世界ですから、とにかくお父様の為、国防委員会の為にもなりますから。反対なさってましたが、成績が良かったら、やはりお父様もお喜びになるのではないでしょうか?」
「クルーゼ先生、貴方は?」
「勿論ですよ。一人前になったザフトのエリートの証し、赤服のお姿を見たいと思いますよ。」
「わかりました。」



クルーゼが入れ知恵したのかと暫くはパトリックから責められたが、同じ最高評議会議員の子息達が同期にアカデミーに入校したのを聞き、それ以上はクルーゼを責める事は無かった。




「先生、今日はザフトの白い制服ではないのですね?」
「やあ、良く似合うよ、赤服、君はこれで出入りして当然だが、私が制服のままでは目立つだろう?休暇を取ってのプライベートだ。」
「制服のお姿でなくて残念ですが・・・・先生、今度、秋には15歳になり、成人です。そして、MSパイロットとしてクルーゼ隊に配属が決定しています。一人前として認めて下さいますか?」
「ああ、アスラン、隊長としてこれほど心強いことは無いよ。頼みとするよ、アスラン・ザラ。」
ソファに腰を掛けながら、目の前に立っている少年とまだ言えるアスランを、眩しそうにクルーゼは見上げた。


「先生・・・・前の約束を覚えていらっしゃいますか?」
「ああ、覚えているよ、君とのことは全て覚えている・・・・一人前になるのが待ち遠しかったよ・・・・」
「おいで・・・・アスラン・・・私への想いがまだ変わっていないのなら・・・」

クルーゼはすっと、プライベートの時は仮面を外し、この屋敷に来る時は代わりにスクリーングラスをしていたが、それも外した。めったに見せない素顔をアスランに見せ、更にパトリックにでも知られたら大変な事になるだろう極上の微笑を与えた。
そのめったに見られないクルーゼの素顔と微笑にアスランはもう舞い上がってしまった。

「クルーゼ先生・・・ずっと、想っていました・・・・あなたのことを・・・」
「初めてクルーゼ先生と父上との逢瀬を見た時から、ずっとこうしたいと思っていました。」

アスランはクルーゼの背後に回りクルーゼの髪を手に取り、隠されていた首筋にキスをした。そしてそっと抱き締めた・・・・びくりっと、感じたクルーゼにふっと満足げな笑みを背後で浮かべた。

そして後ろから手を衣服に滑り込ませボタンを外しに掛かった。そして、肌が露わになり、その白い身体の所々にまだ赤みの残った痣が散らばっている事に気が付いた

「先生・・・まだ父上と・・・」
「見ないで・・・・アスラン・・・頼む・・・・」

と、初めて今日、気弱な声で頼み、顔を背けるクルーゼにアスランはきっぱりと応えた。

「恥ずかしがらないで・・・・父上の痕等この私が消して見せる・・・・父上を忘れさせて見せます。」
「ああ・・・ア・アスラン・・・ああ・・・・」

痣の上に更にきつく吸い上げ痛みと共に新しい赤みが付けられて行く・・・・クルーゼは、この痣を見て又絶句し赤くなったり青くなったり怒り出したりする一人の無骨者のことを思い出していた。
アデス・・・・この痣はお前が昨夜付けた物、私がプライベートの休暇を取ると聞きパトリック・ザラを意識し付けた物だった・・・

誰が、今度配属される新米のひよっ子隊員とことに及ぶ為の休みだと思っているだろうか・・・・
又、アデスのザラ議員への嫉妬を煽るだけになってしまうかな?と、内心、自分を待つ忠実な艦長に、アスランの愛撫とキスを受けながら、想いを飛ばしていた・・・


「何を考えていらっしゃるのですか?父上の事ですか?忘れて下さい・・・・」

急にその言葉と共に、クルーゼの中心の雄を掴みきつく扱き出したから、不覚にも呻き声を上げてしまった・・

「お願いです・・・声を出して、名前を呼んで下さい・・・・クルーゼ先生・・・・」
「ああ・・・・あ・アスラン・・・・先生はいらないよ・・・・クルーゼと・・・・」
「クルーゼ・・・・父上と一緒ですね?クルーゼとお呼びしたかった・・・・」
「ああ・・・あああ・・・・急がないで・・・・アスラン・・・・もっとゆっくり・・・・くっ!・・・」

忙しなく動く指に不覚にもクルーゼは追い上げられ、今にもイキそうになって腰を引いた・・・

「クルーゼ?」
「君のモノを・・・・」

と、言い、指をアスランのモノに絡め、アスランの唇を奪った・・・・既に十分大きくなっていたモノは、キスと指に耐え切れず直ぐに反応し、クルーゼの手の平に男のモノを発射した・・・・

それをクルーゼはアスランの指と、まだ達したばかりでびくびくと余韻に浸っているモノに塗り込めた。そして、アスラン目に入るように体勢を替え、、残ったぬめりを自分の受け入れさせる所へ塗り付けた。

「いいのですね?」

その言葉と共に、一度既に果てた彼のモノは勢いを取り戻し天を仰いでいた。
それを見てクルーゼは、若いな・・・しかし今日はいつ開放してくれるやら・・・・と心に思い、アプリリウス・ワンへ行っているパトリックが急に戻って来ない事を祈った・・・・

背後からアスランが迫って来た・・・ソファから下り、膝を付き、腰をアスランに突き出し、挿入し易い体勢になり、クルーゼは声を上げないようにクッションを抱え顔を押し付けた・・・
両側からきつく尻を掴まれ、ぬめりで幾分挿入し易くなってはいるものの、クルーゼは息を吐き、衝撃に耐えた・・・・金髪が跳ね上がった・・・・弓なりに背中が綺麗に曲がり、悲鳴は上げなかったものの食い縛った唇からは呻き声が洩れた・・・・

休む事無くアスランは腰を進めた・・・・衝撃に耐えながら、クルーゼは、このまま行くと直ぐに傷つくな・・・と、だから初めての子は・・・と苦笑した・・・

「せ・先生・・・・うう・・・ああ・・・こんな気分は・・・あ・・・はじめて・・・」
「アスラン・・・クルーゼで良いと言っただろう?」
「は、はっ・・・・ク・クルーゼ・・・」
「そう、いいよ・・・ああ・・・あ・・」

夢中で、初めての締め付けられる快感と苦痛に、ひたすら腰を振り奥へ奥へと自分のモノを突き入れている様子に、クルーゼの先ほどいきそびれたモノが、又熱を帯び始め、ひとりでに、立ち上がって来た。それは頭を垂れて痛みに耐えていたクルーゼに、もっと更なる快感を与えるように迫った。
背後で掴んでいるアスランの片手を外させ、その手を自分のモノに絡ませた・・・・そしてクルーゼの手を上から絡ませ、ふたり分の指で扱き出した・・・・

「せ・先生・・・?」
「クルーゼだろ?・・・・そう・・・上手いよ・・・あ・ああ・・・・そう・・・アスラン・・・・上手だ・・・・自分でもしていたのかな?上手だ・・・・私のも感じているだろう?」
「クルーゼ・・・」
「ああ・・あ・・くうっ!!・・っっ!・・」
二人に責められ扱かれていた物は一気に熱を帯び、天を向き透明な蜜を湛え始めた・・・声を時折零し、感じている事をアスランに知らしめ悦ばせた・・・・
そして、更に天を向いている先端の割れ目に指先を入れ、刺激した途端にクルーゼのモノが解き放たれた。アスランの指や手のひらは白濁した男の液体で濡れた。同時にアスランも硬直したクルーゼの身体に締め上げられ、溺れ、呻いてクルーゼの身体に、熱いモノを注ぎ込んだ・・・・

それはアスランの拙い自慰の感覚どころではなく、初めての、それも待ち望んだ愛しい男への愛液だった・・・
その夢中の出来事に背後から埋めていた為に、アスランは男の背中を抱くようにして身体の力を失い、息を弾ませるだけで精一杯の様子だった・・・
クルーゼも吐き出した快感にしばらく酔っていた。無茶な挿入と動きに痛みをこらえながら、ふと、初めてだからな・・・・と、唇の端をゆっくり引き上げた。

「アスラン?」
「はい?」
「もう、抜いてくれても良いのではないかな?」
「あ、は、はい・・・あの・・・」
「どうした?」
「あの・・・」

クルーゼはドクンとアスランの声と共に体内に残っていたモノが変化した事に気付いた。
「すみません・・・・抜けなくて・・どうすれば良いのか・・・あの・・・」

アスランの顔が真っ赤になり、しどろもどろに応える。その瞳はどうすれば良いのかと訴えていた・・・
「――判った。君の気が済むまで今日は付き合うよ・・・・」
「ああ、あ、ありがとうございます・・・」
と応える前にもう、腰を動かし始めた・・・
クルーゼは痛み止めが必要になるなと、そして、だから初めての坊やは・・・と又ため息をついた・・・・

「あ、くっ・・う・・あ、アスラン・・・・」
「せ・せんせい・・・う、うん・・・」
先程からの体勢を変える事無く、アスランは自分の欲望のみに正直にクルーゼを責め,欲望を注ぎ込んでいた・・・・
クルーゼは膝を付いたままの責め苦に黙って耐えていた・・・・自分でも不思議だな、と、擦られ膝から血が滲み出しているのに気付きながら、ぼんやりと考えていた・・・・背後からの痛みは吐き気も伴なったが、これだけの快感をこの少年は今日得てしまった・・・・さて、この後どうするかな?と意地悪く頭の片隅に置きながら、この辺りでお仕舞いにして貰おうかと、彼の体内を蹂躙しているモノを締め付けに掛かった・・・

「ああ・・・あああ・・くう・・・アスラン・・アスラン・・・・も、もう・・・・」
「駄目ですか?」
「ああ・・・うう・・・もう・・・くうっっ!」

クルーゼの切羽詰ったような作り声に、締め付けに煽られてアスランは腰の動きを更に速め、何度目かの愛液を注ぎ込んだ・・・・
アスランは抜かずに3度までイッたところ迄は覚えていたが、既に、何度達してしまったかは覚えてはいなかった・・・・
クルーゼとの接合部分から溢れ出している白濁の液体と、傷つき流れ出した赤い血がそれに混ざっていた・・・
そして、自分の雄を出し入れする度にぬめりが立てる水音は、その色彩と共に、初めてのアスランの視覚と聴覚を強烈に犯した・・・・




そのまま幸福な感覚に身を委ね意識を飛ばしていたアスランは、身体が浮く感じがして気が付いた。
ソファに自分が横たわっている事に疑問を感じ、一瞬にして思い出した。
跳ね起きた目の前に、先生の姿は無く・・・

クルーゼ先生!!
昔の嫌な夢を思い出した・・・


時間の観念も無く、下半身の衣服を直し慌ててゲストルームに向かった・・・・
ドアを開けるとシャワーの水音がかすかにしてほっとした。

しかし声を掛けられて吃驚した。
執事が目の前に立っていたからだ。

「アスラン様?」
「このような遅いお時間にどうなされたのですか?」

一瞬、どうしたら良いのか混乱して、言葉も出ず、口を開けたまま立ち竦んでしまっていた。
執事は大きなランドリー用のバスケットを床に置き、部屋の中に入るように身体をずらし、アスランを招き入れた。
「アスラン様、貴方が為さった事にとやかくは言いたくはありませんが、執事としてご主人様のご子息に大変申し上げ難い事ではありますが、一言この際ですからご忠告申し上げます。貴方が為さった結果をご覧ください。感情に任せての行為は今後十分にお気をつけ下さいませ。」

俯いて、クルーゼにした事を全部執事に知られた、羞恥心に身を震わせているアスランの上に、優しく声が覆ってくれた。

「もうそれ位にしてやって下さい。彼だけが悪いんじゃない。それ以上苛めると言い付けますよ。」
「判りました。ですが、後、貴方様の身体の手当てだけは知って頂かないと・・・・」
「てあて?」
「そうだね、身体は洗い流したけれど、痛い所や、血が滲んでいる所などがあるだろう?、次の日の為に少しね。」
「さ、横になってください。」


救急キットを出し、執事はてきぱきと塗り薬を指に取り、傷あとに塗り始めた。やはりバスタオルにはまだ血が滲んでいる所もあり、声は無いが傷に触れられ、身体が一瞬硬くなる時があった。
アスランは、白いクルーゼの身体に点々と作られた傷あとに目を奪われていた。
自分が無意識につけた傷、その痛々しさと、執事が今まで、アスランが征服し蹂躙していた秘所に、薬を塗りつけた指を差し込み塗り込めて行く有様に羞恥よりも、羨ましさを感じた。
執事に情事の結果の身体を預け、全てを晒しているクルーゼを、今度は自分が傷付け、手当てをして見たいという歪んだ欲望がアスランに芽生え始めていた。

「アスラン様、身体を傷付けてまでも欲しがったこの事、父上には内緒にして差し上げます。クルーゼ様もそう願っておられるようですし・・・・言動にはお気を付け下さるよう、お願いしますよ?」
「大丈夫さ、もう、私とは卒業だ、少年期のちょっとした気の迷いさ。今度は素敵な婚約者を自分に夢中にさせる方法を考えたらいい・・・」

と、軽く笑いかけながら、執事の差し出したグラスと錠剤を手にした。
「それは?」
「痛み止めだよ。女性でない私にはきつい行為なのだよ。」
「申し訳ありません!」
思いっきり頭を下げ謝るアスランの姿を見て執事が声を掛けた。
「さ、お休みになります。アスラン様、貴方ももうお休み下さいませ。夜も更けております。退出しましょう・・・・」

と、アスランの肩に手を遣り、クルーゼに会釈をすると、クル−ゼの衣服が入ったランドリー用バスケットを持ち、ドアに足を向けた。

「アスラン様?」
「はい・・・お休みなさい。」
「ああ、よくお休み、アスラン・・・・」
  



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