diary
   多次元直列日記 2010. 7 メニューに戻る
7月28日 (水)  設計授業ほか

大学へ。
3~4限目、3年生の「設計スタジオ」の最終授業。
5限目、ゼミナールにて、太宰府ワークショップのミーティング。
その後、研究室にて仕事。

(みなみ)


7月27日 (火)  新聞記事、オープンデスクほか

日刊建設工業新聞の7月26日号が届く。
この号では僕は、論説欄にて、『「秋葉原」から何が見えるか』を執筆しています。

神戸大学教授の遠藤秀平さんより、『建築新人001/建築新人戦オフィシャルブック』(学芸出版社)が届く。関西発の、建築の有望な学生を発掘するイベントをまとめた本。建築系ラジオのイベントも収録されています。
遠藤さん、どうもありがとうございました。

JIA(日本建築家協会)からの応募を含め、日本の各地から、オープンデスクの学生が時間差でいろいろ来所。今年は新潟、愛知、島根と、遠方からのオープンデスク希望者が増えています。

建築学会より、今年の学会大会(北陸)の大会冊子が届く。例年同様、今年も僕は南研究室の学生たちとともに参加し、研究発表します。今年の大会は9月に、富山で開催予定。

(みなみ)


7月25日 (日)  土曜オープン・アトリエほか

アトリエ・アンプレックスにて、第4回目の土曜オープン・アトリエを次の8月28日(土)に開きます。下記。

http://www.atelierimplexe.com/openatelier.html

(みなみ)


7月24日 (土)  読書の道は遠い

昨日出張の帰り、新幹線を降りて品川駅の本屋にて、マルクス/エンゲルス著『ドイツ・イデオロギー』を見つけ購入。このところこの本を探していて、しかし目黒の有隣堂にも恵比寿の有隣堂にもなく、それがこんな駅中の本屋にあるとは。

タフーリ関連を読んでいると、たびたび「タフーリはマルクス主義者であり云々」などといった文章に出くわし、マルクスなりマルクス主義に関してはほとんど知らないので、一度取り組まざるを得ないかな、などと知り合いにメールしたところ、マルクス関連の本は大量にあるがそれらはかえって回り道になるから、マルクス自身の『経済学哲学草稿』、『ドイツ・イデオロギー』にあたるべしとのアドバイスをもらい、それでこのところこの2冊を探していた。

しかし、実際に『ドイツ・イデオロギー』を手に取ってみると、この岩波文庫版は2002年に発行されているためレイアウトやフォントなどはとても読みやすくなっているものの、研究書のようにマルクスやエンゲルスの添削の状況なども合わせて本文に挿入されており、文章が錯綜していた、どのように解読すべきものか、内容の理解以前の段階で大いに躊躇する。

数ヶ月前、同じくタフーリ関連を読んでいたらアドルノが頻繁に登場し、こちらも僕は不案内。どうしたものかと思っていたところ、同じ人から、アドルノならばマーティン・ジェイの評伝が平易かつ高度な入門書と教えてもらい、渡りに船と早速購入。アドルノ自身の著作は5cm厚や7cm厚があたりまえで、手を出そうという気にすらならないので、優れた入門書があるならば助かる。

しかし、このジェイの本も冒頭からいきなり、アドルノの思考を要約することは困難であり、アドルノ自身そうしたことに強く抵抗していたとある。

「事実アドルノは、思考の内容をその表現形式から切り離そうという試みに対しては、それがいかなるものであれ、きわめて懐疑的であった。思想をその表現様式や文脈に左右されることのない一義的で簡潔な一連の命題に還元することが可能だと考えるような提案に対しては、彼の気質の芸術家的側面が牙をむいたのである。」

結局このジェイの本は3分の一ほどを読んだあたりで、数カ月が経過。昨日はその後に六本木に回ったついでに青山ブックセンターでもう一冊の方『経済学哲学草稿』を見つけたが、とりあえず買うのは今度とすることにした。

(イマム)

20100724-1.gif



7月23日 (金)  横浜、八重洲 / ネイチャー・センス

朝、横浜某所へ。
某プロジェクトの打合せ。
夜、東京駅そばの八重洲ブックセンターへ。同書店内で行われた、建築史家の三宅理一さんのレクチャーに出席。
三宅さんの新刊である『秋葉原は今』(芸術新聞社)の出版記念に合わせたイベント。三宅さんとは、数年ぶりにお会いする。
終了後、三宅さん、編集者のみなさんとの懇親会に出席。いろいろお話を伺う。

(みなみ)


森美術館の展覧会「ネイチャー・センス」のオープニングへ。
http://www.mori.art.museum/contents/sensing_nature/index.html

タイトルだけではよくわからないかもしれないが、3人のアーティストの空間を使ったインスタレーション。森美術館は、長方形平面の展示室が連鎖するような構成となっているが、その各室1点くらいの割合で、日本の美術館では稀な高い天井高を生かした、贅沢に空間を使ったインスタレーションが展示されている。吉岡徳仁さんの《スノー》は、映像では見たことがあったが、今回の展示は見事。

誰でも楽しめる展覧会であるが、建築系の人にもお薦め。作品を楽しみつつも、「このシートはどうやって留めているのだろう。この光はLEDだろうか」などと舞台裏を考えてしまうのも、職業病であり、かつわれわれにとっては正しい展覧会の楽しみ方。

写真左:吉岡徳仁《スノー》
写真中:篠田太郎
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示‐非営利‐改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

(イマム)

20100723-1.jpg 20100723-2.jpg 20100723-3.png



7月22日 (木)  建築系ラジオ収録ほか / トウキョウ建築コレクション2010

大学へ。
1~2限目、1年生の「デザインの表現A」の授業。
4限目、大学院の「建築デザイン特論」の授業。
5限目、研究室会議。
6限目、建築系ラジオの、建築デザイン・レビューの収録。
その後、研究室にて仕事。

(みなみ)


修士論文部門のコメンテーターをつとめた、トウキョウ建築コレクション2010の記録集が届く。今回も充実した内容であるし、こうした企画を実行し、このようにきちんと記録に残すことは素晴らしいことだ。(例えば修士論文のページを見ると、この本のために丁寧に内容を整理し直して作られていることが分かり、この本の資料としての価値が高められている。)

こうしたイベントに参加したり、いろんな大学の講評会に参加するにつれ、この国の建築教育の厚みにあらためて強い印象を受けることがたびたびある。実際のところ、世界のトップレベルの建築学校に匹敵する大学は、日本にはなく、正直なところ、そのレベル差は結構開いてしまっている。しかし、例えば、この一年で訪れたモスクワ、バンクーバー、チューリッヒ、いずれの都市にも本格的な建築学校はひとつしかない(ポリテクニックや専門学校を除くと)。それなりの規模の都市の建築設計をする人材が、たった一つの学校から毎年供給されているいるのである。日本にいるとそのようなことはちょっと想像しにくい。

ロンドンにしたって、メジャーなのはAAとバートレットとその他数校であるし、ニューヨークにしてもコロンビアのほかいろいろ合わせても10校は絶対にないだろう。しかし、東京に限っても、おそらく50というオーダーで建築を教える学校があって、それぞれが頑張っている。でなければ、卒業設計日本一といった大会に全国から550もの作品が集まることなどあり得ない。

20年前のロンドンでは、AAのみが突出していたから、全国ディプロマ展などがあっても、上位は全部AAの作品だったと聞いている。今の日本の状況は、建築家の(特に独創的な)数がこれまでほどはいらない時代になっている中で、いくぶんいびつな状況と言えなくもないが、学生の熱意に直に接するたびに、何かを生み出すのではないかと期待を寄せてしまうのは、僕だけではないだろう。

(イマム)

20100722-1.jpg



7月21日 (水)  太宰府ワークショップほか / 工学院講評会

大学へ。研究室にて仕事。
2限目、院生ミーティング。
4限目、建築スタジオにて、太宰府ワークショップのミーティング。この8月23日〜25日に国士舘大学太宰府キャンパスで行う、下記の建築ワークショップです。

http://www.kenchiku.co.jp/event/detail.php?id=2104

(みなみ)


大学の学期末なので、最終講評会が続く。今年は、先週の理科大が野田、今週の工学院が八王子、来週の千葉工大が津田沼と、遠方が多く、呼ばれてコメントを行って帰ってくるということを繰り返していると、なんだか旅芸人のような気分になる。

本日は工学院大学2年生の住宅の課題の講評会であったが、例年よりも作品のレベルが高かった。上位の学生は2年生とは思えないほどの密度に達していたし、例年数十名規模で見かけるやる気が全く感じられない提案も、今年はとても少なかった。学生も手ごたえを感じているようで表情が明るいし、われわれ教員もこういう状態でなんだかみな表情が緩んでいる。(懇親会のビールも旨かった。)

こちらが頑張ったからと言って、そのまま結果に反映されないのが、教育の難しさである。毎年終わりに近づかないと、上手く行ったかどうかわからない。今年は、教員の指導が例年よりよかったのかどうなのか。個人的には、同じ授業の3年目で惰性も生まれてくるので、最初の授業の際「例年以上に厳しくやる」と生徒に宣言し、そうしたつもりである。しかし、講評会の懇親会では、今年退官される教授から「今村さんはもっとできるはず」とだめ出しをいただいた。

とりあえず、ひとつずつ学校が終わり、開放感がます今日この頃。8月は大学がない自由を満喫するが、9月がまたやたらと学校が多くて、今からいくぶん身構えている。

(イマム)


7月18日 (日)  学生設計優秀作品講評会

大学へ。
この日は国士舘大学建築学系のスーパージュリー(学生設計優秀作品・講評会)が行われ、様々な人が来学。
ゲスト建築家として、五十嵐淳さん、前田紀貞さん、前田圭介さんに来ていただき、非常勤講師の丸山洋志さん、保坂猛さん、都留理子さん、および専任教員の国広ジョージ教授ほか、計15名ほどの講師が参加。
その上で、大学院、3年生、2年生の優秀作品を選抜し、みなさんで総合的に講評。
11時開始、17時終了。
その後、大学の近くにて懇親会。

お忙しい中、遠方からお越しいただいた建築家のみなさん、どうもありがとうございました。

ちなみに、建築系ラジオにて南研究室・建築デザインレビューがアップされています。下記。
http://www.architectural-radio.net/

(みなみ)


7月17日 (土)  へミングウェイ

恵比寿ガーデンプレイス内のパパス・カフェに初めて入ってみたところ、なかなか快適。持っていた本のうちの一冊がヘミングウェイの『移動祝祭日』で、そういえばヘミングウェイ繋がりだなと後から気付く。

へミングウェイといえば、先月泊まったイタリアの湖畔のホテルがヘミングウェイ縁(ゆかり)であった。前もって宿泊先を教えてもらっていたのでネットで調べたところ、ホテルの由緒にヘミングウェイ云々とある。早速、この小説家の研究者である伯父に、こういうホテルを知っているでしょうか、単なる観光客目当ての宣伝?とメールをした。

すぐさま、返信があり、そのホテルは farewll to arms (『武器よさらば』)の中で主人公が恋人と泊まったホテルとして書かれているとのこと。伯父も訪ねたことがあるが、ホテルは高そうなので、コーヒーだけ飲んで帰ってきたらしい。

なんと『武器よさらば』を読んだことがない!! 残念ですね。あんなすばらしい情景描写のあるマジョーレ湖を描いた作品を。

とのコメントももらう。ちなみ、この伯父が僕にこの本を読んだかと聞く際は、もちろん英語でというニュアンスが入っていて、日本語では読んだことにしてもらえない。

このホテルに泊まる数日前にチューリヒ市内で時間があったため、探したところ繁華街の中心部に英語の本だけを扱う本屋を発見。探すとペーパーバックのfarewll to armsが見つかる。しかし、円に換算すると約2000円。さすがに高くて買う気がしない。

最近の円高もあって、ペーパーバックはこのところかなり割安感がある。感覚的には以前の半額から50%オフといった感じで、試しにアマゾンでfarewll to armsを探してみると900円くらい。それでも、日本の文庫本の方が紙質はいいし、カバーはついていて、かつ安い。日本の文庫本は世界に誇れる文化である。

写真:へミングウェイも愛用したというホテルのバー・カウンター

(イマム)

20100717-1.jpg



7月16日 (金)  神保町

大学へ。研究室にて仕事。
2限目、学内会議。
終了後、建築学系の先生方と、キャンパスの隣にある、前川國男設計の世田谷区民会館へ。同会館内のレストラン「けやき」にてランチ。
梅雨明けの晴れ渡った青空とサンクンガーデンの池に、鮮やかな緑が映えて気持ちいい。来るたびに、ここは良い場所だと思う。

その後、神保町へ。
南洋堂書店にお邪魔し、荒田さんと某打ち合せ。
その後、芸術新聞社の石山さんと会い、神保町の喫茶店で某打ち合せ。
その後、神保町から昌平橋経由で、歩いてアトリエへ。もろもろ仕事。

(みなみ)




| 1 | 2 |