diary
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7月13日 (火)  東映デジタルセンター

「東映デジタルセンター」の作品紹介ページをUPいたしました。(http://www.atyam.net/works/TDCa.html
この建物は東映の東京撮影所内に新築された、最先端の映像編集、録音、試写などを総合的に行うための施設です。設計・監理は大和小田急建設さんが行い、山本想太郎設計アトリエは、建物の外観ファサードや主要室の内装などのデザイン協力を行いました。
<写真1>
(山本)

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7月11日 (日)  W cup スペイン アナウンサー

日本の試合も終わって、熱狂もひと段落した感がありますが、サッカーのワールドカップ楽しみました。いや、まだこれから決勝がありますが。どちらかといえば、縁の深いオランダが勝つと嬉しい。(それにしても、フィギュア・スケート、冬季オリンピック、ワールドカップ、ウインブルドンなど、ここ半年あまりTVでスポーツばかり観ている。)

さて、ワールドカップ関連の動画で、弟がメールで教えてくれたもの。傑作。
スペインがパラグアイ戦でゴールを決めた瞬間の、TVのアナウンサーとコメンテーターの様子。

http://g.sports.yahoo.com/soccer/world-cup/blog/dirty-tackle/post/Spanish-commentator-celebrates-goal-by-having-se?urn=sow,253430
(クリックしてもうまくリンクされないようなので、アドレスをコピーして貼ってください。)

この日記に書く話題ではないかもしれませんが、自分たちだけで楽しむのはもったいないので。このサイトには、あの試合結果を的中させる蛸の動画もあります。

(イマム)


7月10日 (土)  3大学合同ゼミ / 川口さん自邸上棟を祝う会

大学へ。もろもろ仕事。
13時すぎ、昭和女子大と日大の学生のみなさんが続々と来学。
この日は、昭和女子大学杉浦研究室、日本大学山中研究室と国士舘大学南研究室による、3大学合同ゼミが行われた。

杉浦研と山中研、南研は、昨年度、建築学会誌2009年10月号の東京特集で、合同研究をしたことをきっかけに、交流が続いている研究室。それで今回は、修士研究、卒業研究を含め、3研究室で合同発表会を行うことになった。
3大学合わせて、修士論文および設計の発表者が14名、卒業設計および論文の発表者が32名と、計50名近くが発表する大掛かりな企画に。
14時30分、三大学の先生および3研究室の学生が全員集まり、3年生等もオーディエンスで参加して、計60名ほどが参加。国士舘大学の建築スタジオにて、発表スタート。
修士論文および設計の発表を中心に、3大学の大学院生と4年生の全員が発表を行い、かつ他大学の先生に講評していただく、という形で、さながら学会の大イベントのような、熱気を帯びた雰囲気に。
ひとつひとつの案を講評して、20時半前に終了。計6時間近くの長丁場に。
それぞれの大学の進行状況や違いが分かり、学生達にも刺激となって、非常に有意義な会となった。
終了後、杉浦先生、山中さんおよび3大学の学生たちと、三軒茶屋にて懇親会。こちらも40名ほどが参加して、賑やかな会に。途中、建築系ラジオの松田達くんと、ラジオスタッフの学生も参加。盛り上がる。

(みなみ)


午前中は、理科大の学生のエスキース。来週の最終発表に選んだ2人のために、直前に再度というわけで、目黒まで来てもらった。庭園美術館の金田中のカフェでかき氷を食べながら。

夕方、川口正通さんのご自宅の上棟を祝う会に山本君と一緒にお邪魔する。川口さんの自邸ということで完成してからも拝見するのが楽しみだが、木造なので架構の状況を見るのも勉強になるかと思い出かけた。文京区の、近所では大型マンションが林立する中で、奇跡的に取り残された一角の旗竿の傾斜地。そこに三層の建物を建て、切妻の屋根をかけている。開口がいまどきの住宅のしてはとても少なく、それが暗闇好みの川口さん流なのだろう。

ふと見ると、お隣に樹木にほとんど隠れながら、実験的な鉄骨住宅が見える。建築家が手掛けたという空気が濃厚に漂っている。聞くと、菊竹清訓さんのほとんど発表されていない初期の住宅らしい。全く知らない住宅である。偶然外出のため出てこられた子供連れのご夫婦に伺うと、今お住まいのご家族のご両親が建てたものとのこと。見た感じでは、70年代くらいであろうか。

実は、川口さんのご自宅のすぐ近くには、あの林昌二・雅子ご夫妻の「私たちの家」もある。(今回は外から様子を伺った。)なんだか、建築家住宅密度の高いエリアである。

(イマム)

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7月7日 (水)  建築学会小委員会 / もっと実物に触れよう

大学へ。研究室にて仕事。
2限目、太宰府建築ワークショップの打合せ。
3~4限目、3年生の「設計スタジオ3」の授業。いよいよ来週が提出ということで、学生たちの案の最終チェック。
その後、三田の建築会館へ。建築学会の住宅ストック小委員会に出席。明海大学教授の斎藤広子先生がまとめられている会で、この日は某社のプロジェクト開発部門の方がレクチャーされ、いろいろと興味深いお話を伺う。
終了後、委員のみなさんと懇親会。

ちなみに、下記のページにて、僕が大学で行っている、建築ワークショップの授業ルポがアップされています。

http://www.kokushikan.ac.jp/tagblocks/ReportSE/news/Cat03/0000003045.html

(みなみ)


このころ気になっていることに、建築教育において、実際に建物を経験することが不当に軽んじられているということがある。大学等において授業の一環として、建物を見るということはほとんどなされていない。だんだんと学年が進み情報を持つようになると、学生が自主的に出かけるというのが現状であるが、これはおかしいと最近強く感じるようになっている。

例えば、音楽家になるのに、まずは一流の音楽を大量に聴くというのは当然だろう。いい音楽を知らない者に、どのように音楽を演奏したり、作曲することを教えられるであろうか。作家になりたい人は、人よりも本を読むであろうし、一流のシェフになりたければ、一流の味を知らなければ不可能だろう。

もちろん、そうした手順を踏まなくとも高度に創造的なことを成し遂げてしまう人がいなくもないだろうが、それはごく一部の天才と呼びうる人の話であって、少なくとも何らかの体系を持ってプロを育てるという際に、そのジャンルの前例の一流のものを実際に経験していなければ、不可能であろう。

しかし、実際には、きちんとした住宅を全く見たことがない学生に対して、住宅の課題を課して、「もっと断面を工夫し、光の入れ方を検証すれば、いい空間になるよ」などと指導していても、学生には何も伝わらないことは間違いないと思われるが、どうだろうか。

具体的には、授業として建物見学をすることの効率の悪さなり、煩雑さなどがあるだろうが、いくら雑誌を見ても、建物が実際に良いかどうかというのはわからないのであって(誌面から実際の建物の質がある程度想像できれば、それはすでに経験者。)、また学生時代にいい建築に実際に触れていれば、自分が本当に建築家になりたいかなどももっと実感としてわかるのではないか。

もうそろそろ学期が終わるシーズンであるが、折角の夏休み、学生さんは建物見学に精を出してほしいと思う。

本日は、工学院大学で、2年生の住宅のエスキース。さ来週に提出ということもあって、僕の担当グループ10数人を見た後も、他のグループから何人かエスキースを見てほしいと頼まれる。やる気がないのに参加している学生に指導をするのは苦痛だが(お互い)、意欲のある学生と話しているのは楽しく、つい引き受けて帰る時間が遅くなる。(というわけで、夕方からのギャラリー間でのデヴィッド・アジャイのオープニングには、1時間遅れで到着。)

(イマム)


7月5日 (月)  太宰府建築ワークショップ

今度の8月23日(月)〜25日(水)に、九州の太宰府にて、下記の建築ワークショップを開催します。
これは、国士舘大学・太宰府キャンパスにて、毎年、夏に行っているワークショップです。去年は、地元の方々の参加も含め、100人ほどの人が集まり、盛り上がりました。
どなたでも参加できるので、よかったら是非いらして下さい。

http://www.kenchiku.co.jp/event/detail.php?id=2104

国士舘大学からは、南研究室の学生をはじめとして、教員、学生含め、数十名が参加予定です。
また、今年は、建築家で九州大学准教授の末廣香織さんと、建築史家で西日本工業大学の倉方俊輔さんも、ゲストで来て下さいます。
ワークショップでは、竹や段ボール等を使った様々な製作物を創ると同時に、建築系ラジオの公開収録を行うことも検討しています。
地元の学生の皆さんも大歓迎ですので、お誘い合わせの上、気軽にご参加下さい。

(みなみ)


7月3日 (土)  東光園の図面 / 展覧会ほか

目黒の喫茶店で、芝浦工大の金子君に会う。相談に乗って欲しいというのが、そもそもの話だったけれども、GKについて詳細に調べている金子君に、GKについて1時間近く解説をしてもらい、おかげで今まであまり知識がなかったGKのことが良くわかる。得した。

ついでながら、金子君から菊竹清訓設計の東光園の竣工当時の雑誌コピーをもらう。実は、僕はこのところ秘かに、にわか菊竹清訓研究者なのだが、僕自身も建築家であり、にわかといえども研究者ならば菊竹先生の代表作の、平面、立面、断面をすらすらと空で描けて当然、、、というにはまだ遠くて、時間を見つけては図面等と睨めっこをしているわけです。

東光園といえば、「菊竹の最高傑作とする人も多いこの建物は、それまでのいわば総決算という趣が強い(八束はじめ)」という評価が確立されているが、先日、東光園をスタディしようと思って身の回りの資料を探したところ、図面がほとんど見当たらないことにちょっと驚く。菊竹先生の作品集は何冊かあり、メタボリの資料もまたいくつかあり、それ以外に東光園がすこしでも出ている雑誌や本などそれこと無数にあるが、どこにも図面はほとんど掲載されていないことが判明する。後日図書館で、自分が持っていない作品集などを確認しても同様で、細かい内容は読み取れない手描きの断面図や小さな基準階平面図は時々掲載されているものの、まとめて図面が揃っている本は全くない。

だとすると、この有名な建築であっても、多くの人は庭園側から立面の写真などを何度も目にしていて「ああ、東光園ってあの建物だよね」と知った気になっているが、実は上記の八束さんの引用にあるように共通の認識がされいるようで、実際にはこの建物のことをよく理解している人はとても少ないのではないだろうか。と偉そうなことが書きながら、自分自身がこの建物のことをぼんやりと知っているような気がしていながらも、実はよく知らなかったことに気づいて、とても恥ずかしい思いをしている。

おそらく、同様のことは多々あって、傑作とされている建物も、写真などでイメージは反復されて擦り込まれていても、実際にはよく知られていないし、いざ調べようと思ってもアプローチのしようがない。(結局この東光園のケースも、今の段階で入手できた最も詳しい図面は、半世紀ほど前に雑誌発表の時のもの。)

こうしたことがあると、あらためて建築アーカイブの必要性を痛感する。重要とされる建物100位の図面や模型が、いつでも見れるような、そうした建築資料館はいつできるのだろうか。図面等のアーカアイブは、有志で作ってしまおうか。

(イマム)


アトリエへ。
某打合せほか、もろもろ仕事。

夕方、江東区に位置する深川lラボへ。
松田達くんの展覧会オープニング・レセプションに出席。下記。
http://mmfalabo.exblog.jp/14100214/

ちなみに、国士舘大学南研究室の学生達が、他大学や専門学校の学生達と主催している、atelier103の展覧会も、7月3日より開催されています。下記。
http://www.luchta.jp/information/events/index.aspx?EC=332

深川ラボのレセプションにて、五十嵐太郎さんや倉方俊輔さんほかのみなさんと合流。現地にて、アーティストの白濱さんご夫妻と歓談、ユニークなカフェギャラリーである「深川いっぷく」にもお邪魔する。その後、みなさんと神保町に移動し、懇親会。
建築系ラジオのメンバーや研究室の学生、ラジオスタッフ希望者、関係者の関係者などが多数参加し、予想外の大人数の会に。長時間の建築系ラジオも収録。

(みなみ)


7月2日 (金)  幼稚園の色

イマム

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7月1日 (木)  オルジアティ / 土曜オープン・アトリエ

スイスに行ってきたというと、何人かの知り合いから、オルジアティはどうでしたか、と聞かれた。スイスの建築家で、今オルジアティへの関心が高まっていることを感じさせる。といってもa+uでオルジアティの特集が組まれたのはすでに8年も前のことだから、それが遅れてようやく認知されてきたということだろう。

その、オルジアティについて、折角だから訪問記を書いておこう。実物を見たいという人の参考になるかもしれない。

オルジアティはスイスの小さな村、フリムスを拠点としており、この地は同じく建築家であった彼の父も活躍していた、いわばホームタウン。多くのスイスの建築は小さな村に散在しており、そのためには車以外には交通手段がないのだが、フリムスもまた同様である。ただ、このスイス南東部のエリアには、ズントーやカミアデといった建築家の作品が比較的まとまってあるから、スイス現代建築巡礼の中心的なエリアであるともいえる。車で行くのは大変と思われるかもしれないが、スイスは道路状況は極めていいし、見事な自然の景観を堪能しながら、1時間ごとにお目当ての建築があらわれるというのは、なかなか贅沢な経験である。

オルジアティのアイコンともなっている「イエローハウス」は、道路がフリムスの村の中に入ると、不意に目の前に現れる(写真左、中)。わざわざ探すまでもない。この建物は、この村の公民館のようなもので、それもあって、村の中心に置かれているのだ。この「イエローハウス」のすぐ隣には、ツーリスト・インフォメーションがあり(この規模の村にもきちんとしたツーリスト・インフォメーションがあるのはさすが観光大国スイス)、オルジアティのことを訊ねると、すぐ近くに彼のアトリエがあると教えてくれる(写真右)。こうした現代建築の小品なども、ツーリスト・インフォメーションできちんと教えてくれるのは、この国では他でも経験した。実際、建築を見て回る人は結構多いのだからこうしたこうした観光案内でも、現代建築を扱うのは当然ともいえる(日本でも実践してほしい)。まあ、おそらくこの村ではオジアティ詣での訪問者が多いことは想像に難くないが。

実は、前の晩、チューリッヒ最後の夜のディナーでは、前に座ったのがスイスの若き建築史家ローレントさん。彼は、オルジアティの巡回展のキュレーターをつとめていて、明日フリムスに行くと告げると、ならばアトリエを訪ねるといいと言って、その場でオルジアティさんに携帯で連絡してくれた。残念ながらその場では通じず、翌日の連絡では本日はオルジアティさんは、ロザンヌ出張とのことで、お会いすることはできなかった。またの機会があるだろう。

話しがさらにそれると、そのディナーのレストランは、クローネンホールと言って、良き時代からのスイスの社交場といった風情、オーセンティックでありながらも、フランスの高級レストランのような堅苦しさがなく、折り目正しさとリラックス感が混じった、とてもスイスらしい場所。壁にかかった、シャガールやミロといったモダンアートの油彩は全て本物で、ここは、ドイツの大御所建築家ハンス・コルホフの行きつけなんだぜ、などと噂話を聞いていたら、なんと隣のテーブルにそのコルホフご一行が後から着席。僕の前にはローレントさん、その向う正面にコルホフさんで、その背後の壁にはミロという、なんだか映画の一シーンのような(陳腐な比喩です)晩でした。

話しがオルジアティからすっかりそれたが、長くなったのでおしまい。

(イマム)


大学へ。
1~2限目、1年生の「デザインの表現A」の授業。
4限目、大学院の「建築デザイン特論」の授業。
この日は、ル・コルビュジエの作品と思想がテーマ。コルビュジエが1926年に設計したクック邸がテーマの一つだったので、クック邸の50分の1の模型と作品集を見せながら、解説。クック邸は、ちょうど縦・横・高さがほぼ10.5Mの立方体で、きわめて幾何学的に作られているのが面白い。
5限目、研究室会議。プロジェクトのまとめや、卒業研究の指導など。
その後、国広ジョージ先生との打ち合せ後、研究室にて仕事。

ちなみに、今度の7月17日(土)に、アンプレックスにて土曜オープンアトリエを開きます。良かったらご参加下さい。下記。
http://www.atelierimplexe.com/openatelier.html

(みなみ)

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