diary
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6月26日 (金)  多忙な日々

19日、仙台へ。東北大学にてレクチャー。テーマは、「広場をめぐって」。
22日、アトリエ。11時、青土社編集部の足立さん来所、某打ち合せ。
23日、午前中、町田キャンパスにて授業。終了後、世田谷キャンパスへ。パナソニック汐留ミュージアム学芸員の大村さんが来研。研究室で製作した、坂倉展の模型を搬出。いよいよ展覧会開催が近づく。
その後、研究室にて仕事。
夕方、アトリエへ。ライターの井上さんとカメラマンの方が来所、某雑誌の取材を受ける。その後、南洋堂書店にお邪魔し、引き続き取材を受ける。終了後、アトリエにて仕事。
24日、院生ミーティングと設計スタジオおよびゼミの授業。この8月に行う予定の、太宰府建築ワークショップの打ち合せ。19時、お茶の水の日大山中研究室へ。日大、昭和女子大、国士舘大による、建築学会関連の某研究プロジェクトのための3大学合同ゼミ。
ちなみに、建築学会誌では、4月号〜6月号の3回にわたり、連載小説「ヴォイス」を執筆、発表。
25日、1限目から5限目まで、「デザインの表現A」「建築デザイン特論」「研究室会議」「卒論研究指導」と、びっしり授業。毎週、授業がある日は、ほとんど時間のすき間がなく、ヘトヘトになるので、かなり大変。
終了後、研究室にて仕事をしながら、プロジェクトの検討など。その他、研究室の学生が自主的にやっている、コンペへのアドバイスと指導や、文献資料読みなど。深夜帰宅。
26日、朝、大学へ。教室会議および教授会。その後、研究室にて仕事。夕方、アトリエへ。住宅の現場進行状況の報告を受ける。現場は随時、進行中。その他、もろもろ仕事。

多忙な日々。

(みなみ)



6月19日 (金)  菊竹清訓さん訪問 / 推薦図書30冊、ゆるりぃ紹介

午後、桑沢の授業。今日はオランダについて話す。

引き続き、菊竹清訓さんを訪問し、ある海外の出版についての打合せ。の目的で伺ったが、結果としていろいろ昔の話を1時間半に渡りうかがう。それは、今後テキストにまとめようと思うので、ここでは書きませんが、プロジェクト等とは関係ないエピソードをひとつ披露。

菊竹「私は、イギリスに行く時は、いつもスミッソン夫妻の家に泊めていただいていました。地下室でした。彼らが亡くなった際には、花束を届けにイギリスまで行きました。アリソンさんの時とピーターさんの時と2回です。花束はハロッズで作ってもらいました。さすがはハロッズ、見事な花束でとても感心しました。写真に撮っておけばよかった。ハロッズは、開店前に着くと、風が当たらないところで座って待つことができるのです。そこで、要望を聞いてくれました。」

菊竹先生に長時間話を伺うのは3回目です。その中で文章にしたものもありますが、そのままにしているものも多いです。断りもなく公にするのは支障があるでしょうが、忘れないうちに、文章として記録しておくべきなのでしょう。

(イマム)


建築系ラジオの公開収録アップに関連して、以前から一部の人に配布していた、南研究室の推薦図書30冊が、10+1webにて公開されました。下記。

http://tenplusone.inax.co.jp/radio/200906/kenchikusho.html

「ゆるりぃ」というHPにて、南研究室4年の進藤君、木村君、高桑さんが取材を受けて出演しています。下記の大学別メニューにて、国士舘大学をクリックすると、出ます。

http://yuruly.com/tag/

南研で住宅模型のひとつを製作・展示する、坂倉準三展が7/4よりパナソニック汐留ミュージアムにて開催されます。下記。

http://panasonic-denko.co.jp/corp/museum/exhibition/09/090704/

(みなみ)


6月18日 (木)  オーストラリアハウス現場

日帰りで妻有のオーストラリアハウスの現場へ。朝7時に家を出て現場に着くのが11時だから、片道4時間、往復8時間乗り物に乗っていることになる。現地ではそんなに泊ってほどの打合せのボリュームがないので日帰りなのだが、あらためて考えると、ちょっと海外に行くくらいの移動時間ですねえ。

現場は順調に、思っていた以上に進んでいて、今月中には滞在も可能になりそうだ。古い木造だから解体しないとわからないところはあるし、遠方であるしで、うまくいくか不安に思うこともあるのだが、きれいな仕上がりになりそうだ。アーティストの一人、ルーシーさんは今月頭から現地に滞在しており、午後は彼女とも打合せ。建設会社の飯塚社長は、いろいろな活動をしている面白い方で、昼はそばを御馳走になりながら、飯塚さんの話を伺う。

先週、オーストラリア大使館が作成した、オーストラリア大使館のHPを紹介したが、英語のページにはブログがあって、改修の進捗など、日々の様子を見ることができます。

オーストラリアハウス 英語のページ
http://arts.australia.or.jp/echigo/en/

後日追記、日本語のページでも、日記は更新されていました。

(イマム)

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6月17日 (水)  layer, 座高円寺

午前、新宿にてロンドンから帰国している島崎君と会う。彼が毎年主催しているワークショップの面接が、今回帰国の目的。イギリスの経済状態、建築界の苦境は、かなりのもののようだ。そうだろうなとは思っていたが、当事者から聞くとまたリアリティーが違う。ほとんど楽隠居状態であったロジャースも、事務所の危機に自ら動き回っているのだそうだ。金融業界と結びついて話題となったフォスターは、ダメージが甚大ではと言っていた。

午後、八王子にて工学院の授業。先週出したレイヤーの課題、いくつか面白いものが見られよかった(写真2点)。講評をして、引き続き住宅課題のエスキース。

夜、高円寺にて家具の井上高文さんと、伊東豊雄さんの新作『座・高円寺』(写真:階段室見上げ)にて待ち合わせ。ここの家具を井上さんが手がけられているので、この建物のレストランで食事の約束であったが、残念ながら本日は貸し切り。近くの井上さん馴染みの沖縄料理屋に連れて行っていただく。行ってみて、10年ほど前にも連れて行っていただいたことを思い出す。

(イマム)

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6月16日 (火)  雑誌打合せ / 第15回アートスタディーズ

午前、アートフロントギャラリーにて、北川フラムさん、雑誌編集者の方と、大地の芸術祭の雑誌特集について打合せ。だいたいの目次ができ、僕は空き家プロジェクトのことを中心に書くことになりそう。他の書き手も、フラムさん他そうそうたるメンバーなので、気を引き締めて書かねばならない。きちんとできるだろうか。今年のプロジェクトの図面をどうするか。既存の民家であるし、遠方であるから、実測するといってもそう容易ではない。

午後、事務所にて大井町の集合住宅の設備の打合せ。今週から地面の掘削に入ったが、ちょうどのタイミングで梅雨も本格化。多少の影響はやむを得ないだろう。

(イマム)


下記のアートスタディーズが、7/6(月)に開催されます。
よかったらお越し下さい。

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レクチャー&シンポジウム
20世紀日本建築・美術の名品はどこにある?
第15回アート・スタディーズ 
1985年〜1994年「『85年革命』期の建築と美術」

「1985年前後に新人類と呼ばれる著名人が登場し日本社会に旋風を巻き起こした」という主張が「85年革命」と呼ぶもの。批評では浅田彰、中森明夫など、 美術では森村泰昌、宮島達男など、建築ではポストモダン建築が流行している。文学では田中康夫、高橋源一郎、島田雅彦、小林恭二などなのだろうが、たしかに1986年のバブル経済の中で、日本の国際化も急速に進展して、1990/2000年代の《根拠なき熱狂》へと登り詰める出発点を形成しています。

【建築】テーマ 《日本のポストモダンと装飾》
講師  平塚桂(建築ライター)/「高松伸とポストモダンの時代」
    山田 幸司(建築家)/「ジャジィなポストモダン−石井和紘−」

【美術】テーマ 《「日本の廃虚化」を未来に見て》
講師  白濱雅也(アーティスト、デザイナー)/「雑賀雄二『軍艦島』廃墟芸術は予知夢か」
    高橋 直裕(世田谷美術館学芸員)/「宮本隆司−都市の変貌と写真−」

『アート・スタディーズ』とは?
アート・スタディーズは多くの人の鑑賞に資する、歴史に記録すべき《名品》を求め、20世紀日本の建築と美術を総括的、通史的に検証、発掘する始めての試みです。先人が残してくれた優れた芸術文化を、多くの世代の人々に楽しんで頂けるよう、グローバルな新たな時代にふさわしい内容でレクチャー、討議いたします。

◆ディレクター/彦坂尚嘉(美術家、日本ラカン協会会員、立教大学大学院特任教授)
◆プロデューサー/五十嵐太郎(建築史家、建築批評家、東北大学助教授)
◆アドバイザー/建畠晢(美術批評家、国立国際美術館館長)
◆討議パネリスト
◇五十嵐太郎(建築史、建築批評、東北大学准教授)
◇ 伊藤憲夫(元『美術手帖』編集長、多摩美術大学大学史編纂室長)
◇暮沢剛巳(文化批評、美術評論家)
◇藤原えりみ(美術ジャーナリスト)
◇橋本純(編集者)
◇南泰裕(建築家、国士舘大学准教授)

◆司会/彦坂尚嘉(アート・スタディーズ ディレクター)
◆年表作成/橘川英規(美術ドキュメンタリスト)

◆日時:2009年7月6日(月)
17:30開場、18:00開始、21:00終了、終了後懇親会(別会場)
◆ 会場:INAX;GINZA 7階クリエイティブスペース(前回までと異なります)
(東京都中央区京橋3−6−18/地下鉄銀座線京橋駅2番出口徒歩2分)
(当日連絡先は 090-1212−4415 伊東)
◆定員:60名(申込み先着順) ◆参加費:500円(懇親会参加費は別途)
◆お申し込み・お問い合わせは氏名、住所、所属、連絡先を明記の上、下記e-mailアドレスへ
art_studies2004@yahoo.co.jp

詳細情報はこちら
http://artstudy.exblog.jp/

◆主催 アート・スタディーズ実行委員会
◆共催 リノベーション・スタディーズ委員会
◆後援 毎日新聞社/日本建築学会/日本美術情報センター
◆ 協力 ART BY XEROX

(みなみ)



6月15日 (月)  建築博物館がなぜ必要か考えてみる

午前、ある建築展覧会のためのミーティング。

建築展覧会の話の時に、このところセットで話題になるのは、建築博物館について。建築博物館建設は、知っているだけでも数十年に渡って繰り返し浮上するトピックだが、今がそのタイミングだということを感じている。折しも、アニメの殿堂建設が決まりその予算が117億円であるならば、まずは建築博物館こそが計画されてしかるべきではという意見は今日も聞かれた。

日本は世界に比しても建築大国であり、しかしながら諸外国が充実した建築博物館を持つ中で、日本にはなぜいまだ実現されないのか。そうした議論が建築界からは起きても、実行に移されないのは、少なくとも公的な機関でと考えるならば、世論の後押しがないからである。オリンピック招致と同じで、世論の支えがなければ、実現は難しい(とすると、アニメの殿堂の方が、建築博物館よりも、人々は納得するということか?)

貴重な資料の散逸を防ぐという建築界の側の切迫した事情もある。一方で、姉歯事件にせよ、景観問題にせよ(石原都知事は、以前東京のことを反吐のような街と発言したことがあり、それを建築家の怠慢のせいともした)、邑楽の裁判にしても、またまた建築家にしかるべき仕事が廻らずにゼネコンやディベロッパーが手掛けてしまうのも、もう少し社会に建築や建築家への理解があれば、状況は変わると考える。建築博物館は、われわれの社会の中で、いかに建築が重要な役割を話しているかその理解に役立つはずである。

建築の展覧会が開催されれば、現代美術の数倍の観客を集めることは常態となっていて、それだけ建築が市民権を得ているともいえるが、一方ではそれはデザインの問題として流通しているだけにすぎない恐れがある。常設の博物館があるということは、その存在だけで、社会に対するアピールが異なる。

繰り返しとなるが、建築博物館を実現するには、社会のバックアップが必要。(その理解を求めるのに、建築博物館が必要、という矛盾した状況もあるが。)そのためには、なぜ建築博物館かということを広く伝えなくてはいけないし、またそうした視点で、われわれも博物館の必要性を議論する必要がある。

建築家が内面の発露に建築を使っていてそれはまずいのではないかとか、また社会が建築(家)を必要としていないのではないか、ということをよく聞くが、その対処の一部としても、建築博物館はきっと役に立つはずである。

(イマム)


6月12日 (金)  郊外

夜、六本木ヒルズの森タワーにて東京に関する研究会。今回は、郊外がテーマで、具体的には柏に関するリサーチの報告を聞く。僕は、郊外とはほとんど縁がないし、また興味もない。だからこうした機会は、「こうした世界もあるんだ」という感じで、聴くことになり、それは喰わず嫌いの対象への理解を深めるし、また偏見を修正してもくれる。郊外を形成しているのは、かつてはファミリー層で、今は若者層なのだそうだ。

(イマム)


6月10日 (水)  透明性 / 内野正樹さんレクチャー

午後、工学院の授業。今週は普段の課題エスキースを一休みし、空間をレイヤーで考えるというエクセサイズ。課題説明に関連し、ショートレクチャー。コーリン・ロウの透明性の議論と関連する内容なので、実と虚の透明性にも触れる。2年生には難しい内容とは思ったが、思ったよりもよく聴いている。

よく、「この学年には難し内容」とか「○年生にしてはよくやっている」という意見を耳にするが、たびたび違和感を覚える。教員の方が、生徒の能力に勝手に枠を設けているケースが多々ある。彼らに合わせてとレベルを下げると、彼らは退屈して、結局意欲を失う。理解できないくらいの刺激の方がモチベーションが上がるということもあると思う。

即日で少し手を動かしてもらい、来週までに模型等を作るように指示。

今回、ロウのテキストを読み返してみたが、それを説明するということを意識すると、今までよりもいい読みができたと思う(これは教育に携わるメリット)。ロウのこのテキストは、重要な問題を提起いることは確か。ただ、それを理路整然と説明できているわけではない。いずれにせよ、今回の再読で、このテキストが「使える」という感触を新たにした。

(イマム)


日本大学で行われた内野正樹さんのレクチャー「建築と映画のインタープレイ」を聴講。建築系編集者でありながら非常に映画に造詣が深い内野さんのお話は、しかしものすごく分かりやすく面白くアレンジされていて、有名建築が舞台となった名画、建築的な発想にもつながりうる空間や音の捉え方など、次々と映画のシーンを見ているうちにあっという間に2時間が過ぎました。とても充実した体験でした。内野さん、モデレーターの佐藤光彦さん、ご関係の皆様、ありがとうございました。
<写真1=打ち上げ風景。右から2人目が内野さん>
(山本)

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6月9日 (火)  オーストラリアハウス

大地の芸術祭のプロジェクト、オーストラリアハウスの打ち合わせのためにオーストラ大使館へ。公邸には一度レクチャーで伺ったことがありましたが、大使館は初めてで、普段は入れないところというのは、何かと物珍しいものです。オーストラリア大使館は、東京にある大使館でも有数の大きさで、その金属を多用したデザインとセキュリティーとで、まるで巨大な金庫の中に入ったかのよう。

オーストラハウス、最近本格的に稼働したのですが、早くもサイトが作られていました。http://arts.australia.or.jp/echigo/ 

夕方は、大井町の現場定例会。

(イマム)


6月8日 (月)  地盤改良

午前、大井町の現場へ。地盤改良工事の初日で、構造家の平岡さんと一緒に立ち会い。問題ないことを確認し、その後、法務局へ。移転に関して、登記なり、届け出なり、いろいろあって、それもようやく今週で一通り終わりそう。


(イマム)


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