diary
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6月5日 (金)  橋本純さん特別講義日本建築の空間 / 建築系ラジオ、コールハース特集配信

午後、桑沢にて、新建築社の橋本純さんをゲストに迎え、日本の建築空間に関する特別講義。古代から現代にいたる数々の日本建築を1回の授業ですべて語っていただくという、今年で3回目の、贅沢かついくぶん無理のある企画。今回も時間を延長してしまったが、学生諸君は、日本建築の豊かさの片りんを感じ取ってくれたことと思う。こうしたことから、歴史建築へのちょっとしたとりつきにくさが解消されれば、それだけでこの授業を行った価値は十分にある。

そして、今日見た中で気になったものは、必ず足を運んで見ましょうといった話をした。確かに、遠方であったり未公開のものも多い。しかし、実際に存在するものは、思い焦がれていれば、いつかは見る機会に遭遇する。橋本さんが編集された「日本の建築空間」に集められた100の建築のうち、数えたところ僕がこれまで訪れたのは約40(このほとんどを見ているという橋本さんはやはりすごい。一番多く建築を見ている編集者はおそらく、二川幸夫さんだろう。植田実さんもよく足を運ぶと伺ったことがある。橋本さんも、実によく見学会などでお会いする。)。そのうち、京都の「角屋」と菊竹さんの「スカイハウス」は去年初めて願いかなって、中に入ることができた。

橋本さんの力点のひとつは、日本建築を空間という視点から捉えなおすということであるが、空間を感じるということはその場に身を置かなければ無理である。なので、メディアを作っている方からすれば、幾分悩ましいテーマだろう。写真は、空間を切り取る力を持つが、空間そのものではないことは自明で、美しい写真を眺めることで満足してしまえば、空間の価値再考という意図からは逸れてしまうから。

(イマム)


『ユリイカ』2009年6月号、レム・コールハース特集の関連イベントとして企画された、建築系ラジオの全体討議がアップされました。下記。

http://tenplusone.inax.co.jp/radio/

『ユリイカ』コールハース特集については、下記。

http://www.nanyodo.co.jp/php/detail2.php?book_id=79170194

日刊建設工業新聞、6月3日号が届く。
この号では僕は、社説欄にて「写像としての台湾」を執筆。

このところ、アンプレックスへの、オープンデスクの申し込みが多い。遠方からの学生も含め、様々な学生から申し込みがある。
オープンデスクに関しては、よほどのことがない限り、できるだけ受け付けるので、気軽に申し込んで下さい。

(みなみ)


6月2日 (火)  

現在施工中の住宅の屋上にアートワーク「Family Flags」がつきました。アーチストの本間純さんの作品です。建築とアートが一体化して、独特の景観になりました。建物の詳細は近日中にUPする予定です。
<写真1>
(山本)

20090602-1.jpg



6月1日 (月)  八束研ゼミ

午前、八束はじめさんにゼミの発表を聞きにきませんかと誘われ、出かける。昨年の大学院の都市デザインの演習、東京湾岸に線状都市をつくるという課題を継続しているもの。

提案の絵はまだ少なく、いろいろなリサーチの報告がなされるが、毎度いろいろと考えるヒントをもらえる。今後移民政策の変化により、大量に人口が増えるという前提で考えているのだが、人口爆発を伴うグローバルシティは今日世界各地にあるが、東京は20世紀後半の高度成長を体現している唯一とも言っていい都市なのだから、その遺産をうまくつなげた方が他の都市とは異なるユニークな都市像が描けるのではないか。ただし、20世紀の東京湾岸は工業エリアであって、都市とは言いがたい状況であったので、それが少し悩ましい。

またデータを扱うは、巨大都市を考える根拠として外せないことは確かだろうが、その数値をもとに予定調和的に構想することには何かと問題がある。まず、未来のデータはあくまでも仮定でしかない。また数値から導かれるビジョンには、どうも社会計画主義的な匂いがしてしまう。それは古さを感じさせもするし、また有効性もどうもわからない。

レムのXLしかり、超、ハイパーといった言葉で、巨大都市の性格を指摘しようという流れがあるが、それらには、計画をはみ出すというニュアンスがある。その中で、データをどのように扱うかは、僕にとっても考えてみる価値のある課題だと思われる。

午後、アートフロントギャラリーにて、夏の大地の芸術祭の打合せ。今日は、オーストラリア・ハウスの件を中心に。予算のめどが立ったので、近々いよいよ工事が始まる。

(イマム)


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