diary
   多次元直列日記 2009. 2 メニューに戻る
2月28日 (土)  cctvその後2

クライアントのK夫妻来室。お二人は、現在北京に住まわれていて、話しを伺うと、先日火災のあったcctvから数百メートルのところに住まわれているという。先日、arch daily に出ていた話として、火災の被害は主に外壁のみというニュースを紹介したが、Kさんが先日cctv近くのオフィスで打ち合わせをした際に見たところ、中まで被害は及んでいるようだったという。

そのarch dailyのニュースソースを確認してみると、発表はcctv自身によるもの。どうやら、被害は内部には及んでいないというのは、本当ではなさそうだ。さらに驚くことには、Kさんいわく中国ではこの火災のニュースはほとんど知られていないのだそうだ。日本では、火災の翌日にcctvが謝罪している場面がTVでも流されたが、ごく限定されており、TVでも新聞でもほとんどニュースにされていないらしい。

(イマム)


2月27日 (金)  和菓子展会場写真

先日の和菓子展の写真をアトリエ・イマムのHPにアップしました。ご覧ください。事前にメディアに流したものとは違う会場での写真なので、展示の様子がわかるかと思います。

アトリエ・イマム http://www.atelierimamu.com/

(イマム)


2月26日 (木)  エレベーターコンテスト結果発表

東芝エレベーター主催の、昨年の未来エレベーターコンテストの結果がサイト上で公開されています。

http://www.toshiba-elevator.co.jp/elv/newsnavi/volumes/2008/index.html

メーカー等が後援をするアイデア・コンペはいくつかありますが、このコンペは、東芝エレベーターの本業ともつながりのあるテーマを掲げたコンペです。なので、その場での思い付きだけではなく、年を重ねることに、議論が深まっていくことを期待しています。今回は2回目なので、応募者も昨年の案を参照にしているようで、また審査も前年との比較という視点が入っています。

今年もそろそろ次回の企画を考える時期です。3回目なので、いかに惰性にならず、内容を深めるような主題を作れるか、知恵を絞ろうと思っています。

(イマム)


2月25日 (水)  妻有 again !

今年の妻有トリエンナーレの準備のために2年半ぶりに、現地入りしました。

越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭
http://www.echigo-tsumari.jp/

驚いたことに、今年は雪が非常に少ない。といっても写真を見る限り雪景色ではないかと思われるかもしれませんが、このエリアではこの時期は数m積もっていて当たり前。今回も2階から建物に入るのかと覚悟していったのですが、ちょっと拍子抜けするぐらいでした。

写真は、ボルタンスキー・ミュージアムとなっている旧東川小学校。3年ぶりのメンテナンスと、少しの改造をする予定です。また空き家プロジェクトも一軒関わる予定で、その中では世界的に活躍されているある日本人アーティストの作品が設置される予定です。乞うご期待。

(イマム)

20090225-1.jpg



2月24日 (火)  台湾ツアー、新聞、アートスタディーズ

3/26〜30に、建築系ラジオによる台湾建築ツアーが企画されています。誰でも参加できるので、よかったらどうぞ。下記。

http://www.roundish.com/wordpress/?p=351

日刊建設工業新聞の2月16日号に、「建築メディアの変容/その2」を執筆。

下記、第14回アート・スタディーズ 』へのお誘いです。
3月9日(月)午後6時から京橋のINAX:GINZAで行われます。
======================================================
レクチャー&シンポジウム/20世紀日本建築・美術の名品はどこにある?
第14回アート・スタディーズ 
1990年〜1999年「ポスト冷戦以後の新世界」

【建築】テーマ 《グローバリズムの時代の建築家》
講師 長谷川祐子(東京都現代美術館)「普通さのなかに強靭な特殊性をもつ建築/妹島和世」
講師 松田達 (建築家)「消える建築/負ける建築−なぜ隈研吾は負けないのか?」

【美術】テーマ 《グローバリゼーション化する美術》
講師 大西若人(朝日新聞)「現代における日本的なるもの/村上隆と同時代の表現者たち」
講師 荒木夏実(森美術館)「コンセプトと語りの新たな展開−曽根裕/眞島竜男」

アート・スタディーズは多くの人の鑑賞に資する、歴史に記録すべき《名品》を求め、20世紀日本の建築と美術を総括的、通史的に検証、発掘する始めての試みです。
先人が残してくれた優れた芸術文化を、多くの世代の人々に楽しんで頂けるよう、グローバルな新たな時代にふさわしい内容でレクチャー、討議いたします。

◆ディレクター 彦坂尚嘉(美術家、日本ラカン協会会員、立教大学大学院特任教授)
◆プロデューサー 五十嵐太郎(建築史家、建築批評家、東北大学准教授)
◆アドバイザー 建畠晢(美術批評家、国立国際美術館館長)

◆討議パネリスト
◇五十嵐太郎(建築史、建築批評、東北大学准教授)
◇ 伊藤憲夫(元『美術手帖』編集長、多摩美術大学大学史編纂室長)
◇暮沢剛巳(文化批評、美術評論家)
◇新堀学(建築家、NPO地域再創生プログラム副理事長)
◇藤原えりみ(美術ジャーナリスト)
◇橋本純(編集者)
◇南泰裕(建築家、国士舘大学准教授)

◆司会 彦坂尚嘉(アート・スタディーズ ディレクター)
◆年表作成 橘川英規(美術ドキュメンタリスト)

◆日時:2009年3月9日(月)
17:30開場、18:00開始、21:00終了、終了後懇親会(別会場)
◆会場:INAX;GINZA 8階セミナールーム
(東京都中央区京橋3−6−18/地下鉄銀座線京橋駅2番出口徒歩2分)
(当日連絡先は 090-1212−4415 伊東)

◆定員:60名(申込み先着順)
◆参加費:1,000円(懇親会参加費は別途)
◆申し込み・問い合わせは、氏名、住所、所属、連絡先、人数を明記の上、下記アドレスへ
art_studies2004@yahoo.co.jp
電話:0466-36-7228(伊東)

詳細情報はこちら
http://artstudy.exblog.jp/

◆主催 アート・スタディーズ実行委員会
◆共催 リノベーション・スタディーズ委員会
◆後援 毎日新聞社/日本建築学会/日本美術情報センター
◆ 協力 ART BY XEROX

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

(みなみ)


2月23日 (月)  トウキョウ建築コレクション査読会

来週からはじまるトウキョウ建築コレクションの査読会のために、早稲田の理工学部へ。

トウキョウ建築コレクション2009
http://www.tkc-net.org/

今日は応募された50点弱から、来週の展示および議論のために15点選ぶという作業。今日の段階では、論文そのものではなく、梗概(A3、1,2枚)から判断するのですが、判断材料および時間が少なく、ベストを選ぶというのはなかなか難しい。まあ、どの審査でもそうですが。

また、論文審査は学内なり学会であり、この企画は多くの大学からさまざまな傾向のものを集めて議論することに目的があるので、完成度が高いものの他のものと内容や傾向がかぶっているものは残念ながらいくつか落とされました。

なぜか、今年は構造と環境に関する応募がほとんどなく、そのこともあって昨年のカテゴリーでいうところの現代や未来に関するものが少なかった。意匠論も現代のものはどうも研究として信憑性があるのかという話に傾きがちでどうしても不利。危なっかしいけれども新鮮なものが選ばれる設計展に比べると、論文展はどうしても保守的な側面があると思われます。これは来年以降の課題でしょう。

個人的には、歴史的な話も嫌いではないし、また勉強にもなるので結構なのですが、もっと現在のアクチュアルな話題についての話が聞きたい。それは批評性についてでもあるのでしょうが、ここでもやはり批評と修士論文とでは、目的がずれているのかもしれません。

いずれにせよ、集まった論文は力作が揃っています。来週の本番が楽しみです。

それにしても、今回役回りを引き受けて見て、応募された修士論文50本弱をすべて読んだという昨年の八束さんはすごいと思う。また、今回集まったものも全国で生産された論文のごく一部であるので、それらを皆集めて議論しようと思ってもまず無理でしょう。このイベントが来年ますます盛り上がることを期待するものの、応募が多すぎるととても対応できないでしょう。

(イマム)


2月21日 (土)  STEPS、狛江の住宅

今日は二つの見学会をはしご。(残念ながらカメラを忘れたため、画像はなし。)

まずは、等々力の〈STEPS〉(設計:山代悟+ビルディングランドスケープ)。8階建て40戸の集合住宅で、敷地形状不定形、道路の囲まれているため、複雑な形状となり、結果いろいろなタイプの住戸がある。今、見積中の集合住宅と仕様が似ている部分が多いので、自分たちの設計を確認するような視線で見る。ちょうど、山代さん、西沢君と話をすることができ、設計の要所などを聞くことができた。

次に、〈狛江の住宅〉(長谷川豪設計)。地上一階建ての木造と、地下に埋められたRC造のがずれて配置されていて、一つの住宅の中に、異なる2つの雰囲気の空間を産み出している(屋外のテラスを含めると3つか)。地階を建蔽率に入れないということから生まれた、アクロバティックな解法だが、これが住宅の質に転嫁できているかどうかが肝なのだろう。

先月拝見した、菊地宏さんの〈大泉の住宅〉と、大島滋さんプロデュースの住宅の竣工が続く。大島さんは、これまでに多くの若手建築家に、実作の機会を提供してきた。その功績は大きい。http://www.a-proj.jp/test_site/index.html

今日は、千葉学さんの集合住宅の案内もいただいていたが、立川の先と遠方なので、残念。

夜、DVDで映画〈クイーン〉を観る。スキャンダラスになりうる事件を軸にしながら、抑えの効いた演出と演技とが好ましい。各俳優が、ブレアやチャールズの雰囲気をよく出している。いかにもなブリティッシュ・イングリィッシュの発音、言い回しも楽しめる。

(イマム)


2月18日 (水)  新HP / cctvのその後とarchdaily

アトリエのホームページをリニューアルしました。下記。
http://www.atelierimplexe.com/

(みなみ)


先週のCCTVの火災のニュースは驚きだった。超高層ビル(150mというから品川の超高層ビル程度の高さ)が、火力があるとはいえ花火であんなに簡単に燃えてしまうものだろうか。レムが、WTCとこのCCTVとどちらか迷った挙句、CCTVのコンペに参加し、勝利したというのは有名なエピソードであるが、そのCCTVがサブの棟とはいえ燃えてしまうとは。レムの代表作であり、また中国の現代建築の代表作、引いては21世紀を代表する建築となることが約束されていた建物の悲劇。レムは、彼の神話をまた強化したともいえる。

さて、このニュース、まずはライブでTVで知ったのだが、そのあとも次々とネットで最新情報が流されたのは、今日的であった。そうした情報を少し追う中で見つけたのが、archi daily 、このCCTVの翌日の映像もリアルタイムでアップされていたが、それ以上にこのサイトの充実ぶりには、驚いた。こうしたサイトが存在するのだろうなと思いつつも、やはり実際にあったのかという思い。

このサイトの詳細については、後日アップとされたままでよくわからないのだが、昨年5月から始まって、今の時点ですでに600を超えるエントリーがある。日に5以上の新しいプロジェクト紹介があることも最近ではザラのようで、このようなサイトが出来てしまったことは、ニュース性においては、まさに建築雑誌の完全な終焉を意味するだろう。

そして、日本の中で限られた情報だけを見ている限りは、最近の建築界にはたいした動向もないね、などとのんびりしていられるが、このサイトを見ると、世界では実に様々な試みが活発になされていることがわかる。

CCTVの後日談としては、昨日のエントリーで火災のダメージはファサードだけで、構造や内部には影響がないとの報道があったことが書かれている。だとすればファサードだけ直して完成させるという選択肢もあり得るということだろうか。本当にファサードだけであのような火災となるのだろうか。てっきり、中の巨大な吹き抜けを伝って火が広まったと思っていたが。

archi daily http://www.archdaily.com/

(イマム)

20090218-1.gif



2月17日 (火)  井上高文さん訪問

午前、鹿島出版会の川尻さん来室。ある書籍企画の打合せ。これまで僕は、雑誌原稿ばかりだったので、1年以上かけて本を作り出すという工程は新鮮。雑誌ではたいてい2ヶ月先ぐらいのスケジュールで物事が進み、とりあえずつまみ食いのように勉強して原稿に仕上げるということが多い。今回は、これまで関心があったもののゆっくり考えることがなかったさまざまなトピックがいろいろ含まれている。じっくり取り組もうと思う。

午後は、住宅建築の対談のために、家具製作の井上高文さんを訪問。家具談義をし、また最近のお仕事についてもお話を伺う。ここ数カ月で、原研哉さん、佐藤卓さん、長谷川逸子さん、伊東豊雄さん(家具設計は藤江和子さん)とのコラボレーションが次々と出来ているご様子。

(イマム)


2月16日 (月)  書物・言葉・眼差し―2008年の記憶

少し前の話となりますが、10+1 webの「書物・言葉・眼差し―2008年の記憶」というアンケートに参加しました。ご覧ください。設計者など18名が、回答を寄せています。

http://tenplusone.inax.co.jp/archives/review/topics/0901/enquete/

見てもらえばわかるのですが、僕が昨年の建築本で印象に残ったものとして挙げているのはすべて外国のものです。自分の書棚から探したのですが、日本語の本でこれはというものがなかったのは、自分でも少々意外でした。もちろん僕が見落としている本もあり、また回答期間が短かったため、念入りに調べたり、未読の本を手に取るということはしない範囲でのことではありますが。

この結果からすると、建築論が掲載される建築雑誌が次々に無くなっているという話題はよくありますが、ではその分単行本に成果が流れているかというとそうしたことはなく、むしろ平行するかのように、単行本でもきちんとした(読むに足る、推薦するに足る)本の数は減っているという事実があるようです。まことに由々しき状況ですね。

さて、気を取り直して、こうしたアンケートは皆さんがどんな本を勧めているのか、どんな本を読んでいるのかに興味が引かれるわけです。いい本を教えてもらえればうれしく思い、また一方で「あの人こんな本を取り上げているのか、だめだなー」などと、勝手に思うのが楽しいわけです。(とはいうものの、普段そうして楽しんできますが、今回は自分もそう評されるだろうという思いが選ぶときになかったと言えば嘘になる。でも、かっこつけないようにとも思いました。)、

クロード・パランの『斜めにのびる建築』は複数の方が挙げています。私も興味を持っていましたし、また以前10+1誌の現代思潮研究会の座談会も話題にししていたので、この本の翻訳は待望のといえるでしょう。あらためて数日前手に取って見ると、本文も想像していたように色褪せていなく、また翻訳者による解説が充実していて素晴らしい。ここしばらくの、翻訳建築図書のベストといえるでしょうね。訳者と編者の方に敬意を表します。

『磯崎新の都庁』、僕も楽しく読みました。こうした本が出版され、また新聞の書評に登場することは、建築の社会的認知が向上しているためかと、つい勘違いしてしまいそうになります。

アンケートには、昨年の気になった論考、記事も挙げるように求められていたのですが、そこまでは手が回りませんでした。時間を見つけてチェックし、後日ここで紹介したいと思います。

(イマム)


| 1 | 2 |