diary
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2月14日 (土)  台湾近現代建築ツアーのご案内

下記のツアーが行われます。学生はもちろんのこと、誰でも参加できるので、よかったらご参加下さい。2月下旬ごろに申し込み締め切り予定です。


「建築系ラジオメンバーとめぐる、台湾・近現代建築ツアー(4泊5日)」
建築系ラジオ企画(コーディネート:松田達)

-Point-
・建築系ラジオのパーソナリティである五十嵐太郎、南泰裕、山田幸司、松田達
も同行します。
・パーソナリティらのネットワークから、最新の台湾現代建築情報あり。
・ツアー企画と連動した公開ラジオ収録もあるはずです。

■旅行日程:2009年3月26日(木)〜30日(月)

3/26(木) 17:30成田空港に集合・チャイナ航空(CI)カウンターにて諸手続き→19:35発チャイナ航空(CI 105便)にて台北へ→22:40台湾桃園空港到着→バスにてご宿泊ホテルへ
3/27(金)終日自由行動
3/28(土)終日自由行動
3/29(日)終日自由行動
3/30(月)ホテルチェックアウト後バスにて空港へ→8:55台湾桃園空港発・チャイナ航空(CI 100便)にて帰国→13:05成田空港着

なお、終日自由行動とありますが、ツアーの行程はあります。好きなときに、そちらにご一緒してもらい、自由行動もOKという意味です。例えば、下記の建築をめぐる予定(他にも見学します)。

台北
・台北101(超高層)
・宏国大樓(李祖原)
・旧台湾総督府(長野宇平治他)
台中
・台中の住宅ショールーム群(日本で考えられないくらいの労力と予算を使ったモデルルーム)
・東海大学路思義教堂(I・M・ペイ)
高雄
・高雄スタジアム(伊東豊雄、ほぼ完成)
・Star Place(高雄、UNスタジオ)
・高雄85(超高層)

■旅行代金:¥63,800-(2名1室ご利用の場合の1名様費用)
料金に含まれるもの・・・
* 往復航空券 (成田空港使用料、台北空港税、燃油サーチャージ、航空保険料を含みます。また、上記パターン以外の手配の場合は追加代金が必要となります)
* 空港〜ホテル間の往復送迎 (但し、車輌料金を20名様ご利用を前提に算出しておりますので人数変動の際には料金も変動致します)
* ホテル宿泊費用 (お2人様1室ご利用・朝食付き×4泊、 延泊・シングル利用ご希望の際には追加代金が必要となります)

■募集人数:20名

■お申し込み・問い合わせ先:企画編集舍roundish 有田泰子
early@roundish.com


(みなみ)



2月6日 (金)  京都のポピュラーな場所へ

今日は、イエールの学生と一緒に日帰りで京都へ。廻った社寺は、三十三間堂、清水寺、高台寺、銀閣寺という、いかにも京都ツアーの王道という場所ばかり。正直、自分で京都に行く際には、こうしたところにはまず行かない。メジャーな社寺は、近年ますます混雑しており、せっかく京都で時間を過ごすのに、そうしたところはぜひ避けたいという気持ちが先立つ。

しかし、10人ばかりの学生が一緒となると、こうしたところが便利であるし、見方によっては、少人数では行かないところも、こうした機会にならば行けるとも言える。基本的に、学生たちと建物を回る際には、静かに鑑賞するといったことはあきらめている。別に彼らが品のない連中だというわけではない(多くの場合、国内外とも、僕と付き合っている学生は知的で礼儀正しいものです)。しかし、僕の役割は、彼らに知識を与えたり、ディスカッションの相手となることであるので、自分の世界に入ってしまうわけにはいかない。

また、以前はこうしたポピュラーな場所には興味がなかったのだが、昨年の秋UBCの学生と清水を訪れて少し考えが変わった。いわゆる観光名所といわれるところは、その宗教的教義によって人を集めているのではない。例えば、清水寺であれば、そのスペクタクルな建築が、人々を惹きつけているのである。(そう考えてみると、清水寺の入口部分の大階段の光景は、ローマのカンピドリオ広場前の大階段と相似に見えてくるから面白い。)三十三間堂にしても、銀閣寺にしても、そのポピュラリティと建築との関係は、興味深い。

大雑把に言って、仏教には大乗と小乗とがある。大乗のわかりやすい例が本願寺で、巨大な本堂に次々と信者が押しかけ、願い事をして帰って行く。その対極が禅で代表され、禅寺で実践されている座禅や掃除といった行為は、個人を鍛えることを基本としている。大徳寺などで鑑賞できるこの禅の方が、切り詰められた庭や茶室など洗練されたものに思えるし、また自己鍛錬の姿勢は、近代以降の個人主義とも結びつき理解がしやすい。

最初の話につなげると、個人または少人数で京都に行く場合には、禅的な場所に行くことが多く、しかし、大乗的な現象も見逃せないので、そうしたところにも関心があるといったところか。非常に大雑把な議論で恐縮だが、このテーマは、しばらく掘り下げて考えようと思っている。

さて、夜は、イエールの先生お二人に、京都在住に馬場徹さんとトマス・ダニエルさんが合流し、先斗町でお食事。

(イマム)

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2月5日 (木)  ちょっ蔵広場

外国からの建築関係者の見学要望で多いのが、坂茂さんと、隈研吾さん。ともに、地方に代表作が多い。隈さんは、それこそ都内にもたくさん作品があるが、自然素材を使ったものをとなるとみな地方にある。短い滞在期間で、それらを訪問することはまず不可能と、毎度説明することになる。

今回もそうした要望があったのだが、調べてみると、ちょっ蔵広場と宝積寺駅は、宇都宮駅から10分ほどで、かつともにすぐ近くにある。というわけで、今日の午前中は、宝積寺まで足を延ばした。昨日までの3日間は都内で、今日からの3日間は地方めぐりというわけである。

午後は、イエールの一行には自分たちで仙台に行ってもらい(メディアテークは槻橋さんに案内をお願いした)、僕は帰京し、和菓子展の最終日へ。相変わらず、連日途切れなく来場者があり嬉しい限り。夕方から撤収。準備に半年を費やした和菓子展、無事に終わり一安心。

写真右は、今回のギャラリーが入っている柿傳だが、今回建築関係者と話していると、多くの方が、知らなかったとか、はじめて来たとか言っていた。新宿駅のすぐ横なのになぜだろう。中のお食事の席は、流石は谷口吉郎さんであり、見事な空間だ。お茶室も、これほど作為のない茶室は見た覚えがない、それ故にかえって怖いものを感じた覚えがある。この外観が、どうもへんてこなものと思われ、この建物の評価を下げていたのかとも思うが、今見るとなかなか現代的な意匠。しかも、隈さんの建物を観た後だと、なおさら今風のルーバーのデザインに思えてくる。(ビルの設計は、明石信道)

柿傳 http://www.kakiden.com/

(イマム)

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2月4日 (水)  台中オペラハウスほか

今日のイエールのツアーは、上野から。前川さんのホール、コルビュジェの美術館を、ホールまでさっと見てから、谷口さんの法隆寺館へ。まあ、毎度のことながら、ここに連れてくれば、誰もが黙りますね。説明もほとんど求められず、みな静かに見て回ったり、スケッチをしたり。

午後、伊東豊雄さんの事務所を訪問。ちょうど伊東さんは先週イエール大学でレクチャーをされたのだそうだ。今日は、台中のオペラハウスについて、担当の水沼さんが丁寧に説明をしてくださった。実施設計の話など、かなり具体的なことを直接聞くことが出来て、学生にはかなり印象に残ったようである。このプロジェクトが今注目のものであるにとどまらず、このスタジオのテーマのテクトニックの視点からも、ちょうどいいものであった。

今日は、彼らに六本木周辺の建築マップを渡してバイバイ。僕は、和菓子展の会場へ。

写真:今村の展示2

(イマム)

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2月3日 (火)  和菓子展オープニング

今日も、イエールの学生たちと一日をスタート。まずは、歌舞伎町のリチャード・ロジャースのオフィスビル。今回は、パトカウさんの趣向とユニットのテーマを反映して、テクトニックの視点から興味深いものを特に見たいとのリクエストがあった。なので、こうした少し古いものもコースに含めた次第。偶然、オフィスの方が中にはいっていいよと、中に入れてくれる。ぼくもこの建物の中は初めて見学。

新宿駅に行く途中に、午前中のゴールデン街を見学しつつ、千駄ヶ谷の東京体育館へ。昨日の丹下さんの体育館と規模がほぼ同じなので、その比較ということで。この建物の、丁寧に見るのは竣工時の見学会以来だろうか。汐留に移動し、黒川紀章の中銀カプセルを見る。今年にも壊されるとのうわさがあり、今日が見納めかもしれない。昨日同様、銀座の建築マップを渡して、僕はここで切り上げる。

柿傳ギャラリーにて、本日は和菓子展の初日。夕方のオープニングには、数百人が来たようで、かなりの盛況。いろいろな方から、好意的な反応をいただき、ほっとする。虎屋さんも、黒川社長から、今回の和菓子を作成してくださった職人の方々まで、多くの方が見える。一日、立ちつづけ、話し続け、かなりぐったり。しかし、今週もまだ火曜日。

写真:今村の展示

(イマム)

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2月2日 (月)  イエール大学 、パトゥカウ・ユニット

今週はずっと出ずっぱり。というのもイエール大学の一行の来日と和菓子展とが重なったため。

イエール大学は、大学院のジョン・パトカウさんのスタジオ。ジョン・パトカウさんは不思議と日本ではほとんど知られていないけれども、カナダを代表する建築家で、北米で多くの建築を手掛けている。お会いするのは初めてであるが、温厚ながらも知的な方。

ジョン・パトカウ http://www.patkau.ca/

今日は、パトカウさんの宿泊している六本木のホテルで今週の予定について打ち合わせをした後、原塾に移動。明治神宮と丹下健三の代々木体育館を見学。珍しく、第一、第二体育館とも使用しておらず、両方見学が可能であった。ツアーの最初に明治神宮とこの体育館を観るというのは、なかなかインパクトがあってよい。その後、ヘルツォークのプラダ青山まで移動した後、表参道周辺の建築マップを皆に渡して、僕は切り上げる。

普段こうした建物の近くを通ることはあっても、じっくり見ることはしないし、また考えることもないものだが、こうして改めて見返して、またポイントを学生に的確に説明しようとし、そして彼らとディスカッションするのは、いい機会でもある。

新宿の柿傳ギャラリーにて、明日からの展覧会の設営。少し予定より押したが、9時ころだいたいのめどが立ち解散。いよいよ明日からである。

(イマム)

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2月1日 (日)  キャトル柿の木坂店 in 新建築

オランダ在住の建築家吉良森子さんに設計協力した〈キャトル柿の木坂店〉が、新建築2月号に掲載されました。下2層がケーキ屋さん、上2層が集合住宅ですが、それぞれのプランが異なるところを、10mの高さに押さえているので、見た目はすっきりと見えますが、なかなか構造的にはアクロバティックなことをしています。工事も、どのようすれば施工できるのか、現場と知恵を絞ったものです。

キャトルHPにも、新店舗の写真がいくつか掲載されています。http://www.quatre.co.jp/index.html

(イマム)

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