diary
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1月19日 (月)  米田明さんインタビュー、r4配信

10+1webの建築系ラジオr4にて、建築家の米田明さんインタビューが配信されました。下記。
http://tenplusone.inax.co.jp/

今回のコンテンツは、下記。聴き手は、南+松田。

・日本の建築空間:やぶれる空間について/プチ崇高について

(みなみ)


1月16日 (金)  京都精華大学ジューリー / 建築系ラジオ配信

トマス・ダニエルさんに誘っていただき、京都精華大学の講評会に参加。折角京都に行くのだから、他にどこか寄ろうかとも考えたのだが、午前中から来てほしいとのことで、寺巡りなどは断念。大学に近い京都国際会議場と村野藤吾の宝ヶ池プリンスホテル(写真左はその壁面)とを20年ぶりくらいに見学。

講評会は、午前中の作品選定からさせてもらい、午後に1年生、2年生それぞれの講評会。この学年にしては、よくやっています。いくつかの独創的なプロジェクトは面白かったし、また建物と人との新しい関係の必要性をはっきりと自覚して取り組んでいる学生(1年生!)もいた。5時間あまりだが、充実した講評会で楽しみました。

この2年生の課題、担当教員は3人なのだが、一人はトムさんでもう一人は中国人のエスターさん(http://kyokoto.com)と、きわめてインターナショナル。エスターさんは、ハーバードを出て今は京都に暮らしているが、旦那さんは中村外二工務店の大工さんだという。精華大の新井清一さんと鈴木隆之さんにも久しぶりにお会いしたが、新井さんはファッションのコースも持っているという(学生は建築の学生)。10年ぶりくらいに訪れた精華大学は、何ともユニークで刺激的な場所であった。

トムさんに、昨年末にプリンストンから出版された" After the Crash: Architecture in Psot-Bubble Japan" をもらう。トムさんが、いろいろな雑誌に寄稿した、日本の現代建築に関するテキスト20数本を集めたもの。日本の現代建築について書かれたものをこのようにまとめた本はないので、貴重です。序文は阿部仁史さん。

写真右は、夕食の中華料理屋で泣きじゃくるトムさんの長男のルーク君。

(イマム)


第19回目の建築系ラジオが配信されました。また、ロゴデザインが生まれ変わりました。新しいロゴデザインは、東北大学五十嵐研の加藤君によるもの。下記。

http://radio.tatsumatsuda.com/

今回のコンテンツは、下記の3本。

1,山田幸司はどうやって建築家になったのか?(第1部)
2,南泰裕のアーキソフィア・レクチャー編 第6回「単位、その1」
3,南泰裕のアーキソフィア・ダイアローグ編 第1回「旅、その1」

(みなみ)

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1月15日 (木)  TSA forum 2007の本

イギリスから帰国中の島崎威郎くんとランチ。お土産に毎度、紅茶をいただく。また、彼が主催しているフォーラムと呼ばれるワークショップの記録の本も貰う。なかなか凝った手作り感のある本だが、このフォーラムの関連として、昨年夏に僕がロンドンの日本大使館で行ったレクチャーも収録してくれています。(今ならば南洋堂書店にて購入可能。)

(イマム)

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1月13日 (火)  馬場徹さんトーク

夕方、foro08のコミッティー打合せ。来月頭に行われる和菓子の展覧会についての件がメイン。この展覧会についての詳細も、近々アップします。3日目には、実際にそれぞれのデザイナーが作った和菓子を食べていただけることになりました。

引き続き、建築家馬場徹さんをお迎えして、トーク。お住まいの『無量子庵』再生のエピソードや京都での生活の振る舞いの話などを披露していただく。東京の人にとっては新鮮な話題ばかりで、集まった方々にも満足いただけた様子。

その後、和食屋に移動し、打合せの続きを兼ねたコミッティーの新年会。釜炊きのご飯が売り物のお店でした。

(イマム)


1月12日 (月)  今日の建築

建築家中村拓志さんから、フリーペーパー『今日の建築』が届く。体裁を新しくした第一号とのことで、今回は塚本由晴さんへのロング・インタビュー。塚本さんの長い発言を読むのは久しぶりだが、やはり塚本さんの言葉は発見的で面白いし的確。

中村さんご自身が、人と建築との新しい関係を作ろうとしていることもわかり、共感。それは今必要とされていることであるし、またそのチャンスの時期でもあるように思える。そのような視点から思い返してみると、中村さんが建築でやろうとしていることが以前より分かる気がした。

建築メディアの勢いがない中で、このようなフリーペーパーをはじめとするいくつかの試みがある。中村さんにはぜひ継続して欲しいものです。

ちなみに、ディテール・ジャパンは次号で休刊であり、またTNプローブもその活動をやめたようだ。どちらもとても惜しまれるが、そのことについてはまたあらためて書こうと思う。

(イマム)


1月11日 (日)  渋谷

渋谷東急文化村にて、ピカソ&クレー展を観る。全般的に、満足できる質の展覧会。一点モランディーがあり、その良さにほっとする。なぜこのコレクションに、モランディがと不思議に思ったが、シュールレアリズムのつながりとしてらしい。しかし、展示してあったのは、その次期のモランディではなく、スタイルを確立した後期のそれである。ピカソはいただけない。クレーはやはりよい。構成が楽しいし、線も魅力的だ。今回は、淡い色調の画面を持つものに惹かれた。

それにしても、渋谷という街の混雑はどうだ。都市の賑わいとか、混沌の魅力とか言ってみたところで、現実のこの状況には頭が痛い。街に人が溢れれば、必ず醜いというわけではない。混雑が活気のある様子を産み出すこともある。難しいのは、ただ単に人を集積しても、それが必ずしもポジティブな活き活きとした情景となるとは限らないということだ。

(イマム)


1月8日 (木)  kimcity@youtube

芝浦工大の大学院の都市デザインの授業の最終講評会。この東京湾岸に10kmの都市をデザインするという演習の成果と意義に関して、きちんと整理すべきであろうが、それは簡単に書き飛ばせるものではないので、今回はパス。それはさておき、今回のプレゼで面白かったことを紹介しておく。

今回の作業は、3つのグループに分かれて行い、最終的なゴールを設けないというルールで始まったため、それぞれの都市的提案をどのようにプレゼンするかも、オープンであるという了解であった。最終日になって2つのグループが興味深いプレゼを行った。

ひとつのグループは、彼らが提案する都市の、プロモーションビデオを作成した。彼らが考える空港とパスポートフリーの秒民(彼らの造語)について、投資家、企業、訪問者向けのビデオである。しかも、本日の講評会に先立って、すでにこの動画をYou Tubeにアップ済みなのだという。新しい都市の提案を、いったい誰に向けて行うのか、という問題意識のもと、学校の教員向けよりも先に、まずは世界に発信したというわけだ。これは新しい。

彼らのプロジェクト名は kimcity。You Tube(http://www.youtube.com/)にて kimcity で検索すると、現在トップに彼らが作った二つのムービーがアップされている。

また、もう一つのグループは、プロジェクトをフリーパーパーの形でまとめてきた。その名もR357(写真)。これは、体裁も含めて、メジャーなフリーペーパーR25のパロディ。なぜ357なのかといえば、彼らの提案は、湾岸道路357号線沿いの計画だからだ。彼らは、実際にはこのフリーペーパーを街頭で配りこそしなかったものの、動画のチーム同様、新しいメディアで彼らの考えを広めようというスタンスはよい。

新しいメディアは、人と社会との新しい関係を開いている。都市に対するアプローチも、これまで通りの専門家だけの内輪でいくら議論しても限界があることは明らかだ。戦後これまでの都市計画を取り巻く専門家集団のあり方が賞味期限を過ぎているからであろう。都市と人々の新しい関係が求められている昨今において、どのようにメディアを活用するのかが重要であろうし、また今回の手法はいずれも、自分たちの手作りで発信できることが素晴らしい。

(イマム)

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1月6日 (火)  草食系男子 / アトリエ、彰国社

昼過ぎ、桑沢デザイン研究所の新年会@渋谷セルリアンタワーへ。といっても、行ってみたところ、姉妹校である東京造形大学との合同のもので、知り合いはほとんどおらず。

桑沢の専任の先生に話を伺うと、このところは建築系に進む学生が減っているとのこと。桑沢は、1年生は全員一緒に、デザインの基礎のようなものを学び、2年目からスぺース(空間)、グラフィック、ファッション、プロダクトという風にコースに分かれるのだが、最近の学生はスペースは、難しいそうとのことで敬遠する傾向にあるのだそうだ。それよりも、身近なプロダクトやグラフィックを好むらしい。

特に、男子学生にその傾向が顕著で、今年のスペースデザインの学生は20数名のうち、男子学生は何とたったの2人。ちょうど、今朝の朝日新聞の記事に、草食系男子というキーワードが出ていたが、まさにその実例のようなものか。

(イマム)


アトリエにて仕事。年賀状の整理や某住宅設計案の検討、大学の授業シラバス作成、某原稿のゲラチェックなど。
南洋堂書店に寄り、今年の大学院授業で使うための教科書候補の書籍をいろいろチェック。読む価値のある建築書自体は無数にあるものの、建築論の教科書として、大学の授業に即して使える本となると、いろんな条件が出てくるため、意外に限られてくる。諸々考慮しながら、いくつかの候補を検討。
夕方、曙橋に行き、日大の山中新太郎さんと、喫茶店にて某企画の打合せ。
その後、彰国社へ行き、関係者とともに別件の某企画の打合せ。

(みなみ)


1月5日 (月)  馬場徹さんトーク

京都の建築家、馬場徹さんのトークイベントを企画しました。日が近づいての告知となりましたが、ぜひお越しください。

市中山居:京の古い家に住むということ

今回お話いただく京都の建築家馬場徹さんは、若手の建築家として活動される一方、築80年の町家を改装しそこに住まわれています。〈無量子庵〉と名付けられたその家は、かつてはご隠居さんのための離れであり京都の町中にありながら市中山居を営む場所でありました。
馬場さんも奥様ももとは関東の出身ですが、今では京都で暮らしており、建築家、作家としての日々を過ごしながらも、この京都の伝統的な暮らしを楽しまれています。と言ってもそれは、和のスタイルを現代に採り入れたといった通り一遍の話ではなく、お茶をし茶懐石を習うという本格的なものであり、また和の住まいと庭を維持することの、現代人には想像を絶するほど手間がかかることを、実践されています。
馬場さんは最近のエッセイで「家は人を喰らって生きながらえている」という言葉を引かれていましたが今回のトークでは馬場さんの日々のエピソードを伺いながら、住まうということについて、みなさんと一緒に考えてみたいと思います。(今村創平)

日時:1月13日(火曜日)Open 18:30 Start 19:00 (予定)

詳細、申込方法は下記サイトをご覧ください。
http://www.foro08.com/pdf/pdf_news_t14.pdf

馬場さんを知らない方も、彼のウエブ日誌(http://showkai.blogzine.jp/diary/)を見れば、必ず興味を持つことと思います。

写真:無量子庵台所

(イマム)

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1月4日 (日)  長谷川アトリエ新年会

長谷川逸子さんのアトリエにて、恒例の新年会。長谷川アトリエのOB、OGが30名ほど集う。清水淳くんがみんなの食事を一手に作る(長谷川アトリエには、充実したキッチンがあるのです。長谷川さんが料理好きなもので。)。どれも美味で、質量ともにさすが。僕は普段はあまり長谷川事務所時代の人とは会う機会がないが、こうして1年に一回会うのは楽しいものである。

ただ、このところに経済ショックのあおりをダイレクトに受けたという人が何人もいた特にディベロッパーと仕事をしていた人は、軒並み仕事が止まったという。10階建ての建物の7階まで工事をして止まったものもあるらしい。みな、厳しい時代だという。来年の今頃には、揃って上向きになっているといいのだが。

もちろん、いいニュースもある。比嘉さんと川原田さんが5年前に(伊東豊雄さんを破って)勝った武蔵野市の施設は、ようやく着工したのだそうだ。市長が代わって予算が大幅に削られたそうだが、完成を楽しみに待ちたい。

(イマム)


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