多次元直列日記 2012. 6 |
6月27日 (水) 『20世紀建築の発明』刊行記念トークイベント (参加者が定員に達しましたので、申込みを締め切りました。) アンソニー・ヴィドラー著『20世紀建築の発明』の刊行を記念して、トークイベントを開催することとしました。対談のお相手として、タフーリの訳者であり、建築界きっての論客であられます八束はじめさんをお招きしています。少人数の集まりの、濃密な時間になるかと思います。お申し込みの上、ぜひお越しください。 ―――――― 『20世紀建築の発明』刊行記念トークイベント 対談 八束はじめ(建築家・建築批評家、芝浦工業大学教授) 今村創平(建築家、本書訳者) 日時 7月12日(木)19:00〜 場所 南洋堂4階N+(千代田区神田神保町1-21、http://www.nanyodo.co.jp/) 定員 15名(先着順) 料金 無料 参加方法 souhei@atelierimamu.com にメールにて申し込み ―――――― アンソニー・ヴォドラー著『20世紀建築の発明 建築史家と読み解かれたモダニズム』(鹿島出版会 目次 序文 ピーター・アイゼンマン イントロダクション 第一章 新古典モダニズム ―エミール・カウフマン 第二章 マニエリスト・モダニズム ―コーリン・ロウ 第三章 未来派モダニズム ―レイナー・バンハム 第四章 ルネサンス・モダニズム ―マンフレッド・タフーリ 第五章 ポストモダンもしくはポストヒストリー? (イマム) |
6月21日 (木) 中村敏男さん訪問 中村敏男さんを訪問、『20世紀建築の発明』をお渡しする。 中村さんは、『a+u』の創刊号から25年に渡って、編集長を務められた方で、ヴィドラーの『歪んだ建築空間』の訳者でもある。数年前に、『20世紀建築の発明』の翻訳を手掛けていることをお伝えし、楽しみにしていますと言っていただいた。それから時間がたち、本日ようやくお届けすることができた。 中村さんには、『a+u』の創刊のころのお話からはじまり、実にさまざまなエピソードを伺った。写真は、『a+u』創刊号だが、この表紙は、a+uの文字のインゴットをドライアイスに入れて撮ったとか。噂に聞いていた、玄関に飾られた建築家のドローイングコレクションも拝見。特に、ルイス・カーンの直筆スケッチが、素晴らしかった。 僕が大学四年の時、『a+u』は、リベスキンド、レム、チュミ、ロッシ、マイヤー、モーフォシスなどの特集号を毎号のように出し、その充実ぶりは見事だった。僕が留学したのも、そうした『a+u』の特集号に触発されてのことだったと、今あらためて思う。それから、四半世紀がたち、ようやく中村さんに、当時の思いをお伝えすることができた。 (イマム) |
6月19日 (火) 現場検査 午前、桑沢で講義。建築の表現方法について、建築と光について。 午後、オーストラリア大使館にて、Tさんとオーストラリアハウスのオープニング関連の打合せ。 引き続き大使館での現場の、配筋検査と鉄骨検査。構造家の横山太郎さんも立会い。(写真) (イマム) |
6月18日 (月) 藤村龍至さんと柄沢祐輔さん 午後、インテリアデザイン史の集まり、僕は、戦後10年間の動向について説明。 夕方、アーバンデザイン研究会。本日は、藤村龍至さんと柄沢祐輔さんの発表。お二人とも以前から知っているし、プロジェクトも折に触れ拝見しているが、まとまって説明を受けると理解が深まる。活発に意見が飛び交い、緊迫した場面も。 八束はじめさんに、『20世紀建築の発明』を読み終えたと聞く。たいへんな訳業ですねとか、買いました、ということはこれまでにもいくつか聞いているが、読了されたというのははじめて。なかなか面倒な本なので、多くの方が、手にとって最初の方をぱらぱらめくって、そしていつか読もうとなってしまうのはしょうがないだろうが、やはりすべて読んでいただいたということを聞くのは嬉しいもの。 (イマム) |
6月15日 (金) アジア・エクスプレス 午前、ある本の出版に関して、編集の方と打合せ。 夕方、森美術館で開催の「アラブ・エクスプレス」展の内覧会&レセプション。中近東の現代アートを紹介するという試み。石油をはじめとする経済や、イスラムの国として、何かと関係や関心があり、きわめて重要ながらも、いまだに日本とはなんとなく縁が遠い国々。そういう事情を反映してか、レセプションでは、外務副大臣がスピーチをし、小池百合子さんが乾杯の音頭をとられた。(ついでながら、金耀の夜だというのに、政治家の方々は何とエネルギッシュなのだろう。) 写真は、気になった作品のひとつ。説明するとネタばれになりますので、ぜひ会場に足を運んでください。 アジア・エクスプレス http://www.mori.art.museum/contents/arab_express/index.html (イマム) |
6月11日 (月) 今村創平さんによるヴィドラーの訳本出版されました 坂牛卓さんが、ご自身のブログで、『20世紀建築の発明』を取り上げてくださった。訳業についてたいへん持ち上げてくれ、嬉し恥ずかし。 今村創平さんによるヴィドラーの訳本出版されました http://ofda.jp/sakaushi/diary/2012/06/post_2166.html (イマム) |
6月10日 (日) 明治神宮 妻のご両親と明治神宮へ。写真の通り、見事な空。 まだ3分咲きであったが、神宮内の菖蒲園へ。義母は48年ぶりの来園とのこと。 (イマム) |
6月9日 (土) 『20世紀建築の発明』読書の手引き しつこいですが、再度『20世紀建築の発明』について。おかげさまで、今週より各書店の棚に並んでおります。手にとられ、中をぱらぱらめくって、そのまま棚に戻すことなく、レジへとお進みください。 さて、すでに手に取られた方はお分かりかと思いますが、この本には、カウフマン、ロウ、バンハム、タフーリなどさまざまな登場人物がおり、そうした歴史家の著作などについて、ある程度の知識がないと、読み進めるのは難しいかと思います。とは言え、学生さんなど初学者の方々は、関連書籍の何から読んだらよいものかと、途方に暮れるかもしれません。 ならばと、『20世紀建築の発明』を理解するための読書案内の文章を書きおろし、鹿島出版会の担当編集者の川尻さんが見事にレイアウトしてくれました。今、南洋堂で『20世紀建築の発明』を購入すると、もれなくもらえます。残念ながら南洋堂限定です。悪しからず。 南洋堂 http://www.nanyodo.co.jp/ 南洋堂のサイトでは、ブログ〈南洋堂日和〉でも、スタッフの関口さんが同書について書いてくれています。お読みください。 |
6月5日 (火) 『続編-東京の微地形模型 TOPOGRAPHY MODEL TOKYO WITH PROJECTION』 遅ればせながら、『続編-東京の微地形模型 TOPOGRAPHY MODEL TOKYO WITH PROJECTION』展を本日拝見。想像以上の見事な出来に感銘。東京の地形を、東京という都市を、愛する全ての人に必見のものとお勧めして、法螺(ほら)ではないと言う自信あり。 映像がない地形の状態では何度か目にしていた模型だが、映像が重ねられると、東京の姿がくっくりと浮かび上がる。僕は、東京のことをかなり詳しいと自負しているが、こうして地形と映像データとが重なると、「こういうことだったのか」と驚かされたこと数回。 来週末までの会期ですが、しばらくは毎週末も展示の予定だそうです。 『続編-東京の微地形模型 TOPOGRAPHY MODEL TOKYO WITH PROJECTION』展 www.youtube.com ‎ 2012.5.14(月)-6.16(土)14:00-19:​00 南洋堂書店4F N+ GALLERY 入場料:無料 日曜休廊 好評を博した『東京の微地形模型展』の第二弾。 模型に動画コンテンツをプロジェクションします。 (映像、音楽なども担当しています。) 企画制作:荒田哲史(南洋堂店主)菊地宏(建築家) 南洋堂 −−−−− ということで、お昼時に南洋堂訪問。『20世紀建築の発明』をバンバン売って下さるようお願い。東京堂書店に寄ったら、すっかり改装されてカフェ併設となっていた。待ち合わせには便利そう。 その後、豊洲の芝工にて、八束先生とミーティング。他の参加者は、東京計画(丹下)とゴルジ体(槇)をスクリプト表記するというドク論を書いている水谷君と、台湾出身でバートレットを経由し現在セドリックについてドク論を書いているタルディさんと、これからETHでドク論を書くスコピエ出身のダミアン君。多彩なメンバー。 (イマム) |
6月3日 (日) レーモンドは2重スパイ? 秋尾紗戸子著『ワシントンハイツ GHQが東京に刻んだ戦後』(新潮文庫)を読む。戦後、進駐軍のための住居が日本に大量に作られ、そのうちのワシントンハイツなどは、日本の住宅がその後アメリカ的設備を備えるという流れを準備した。そうしたことについて調べる中で本書を手にとったのだが、表題のワシントンハイツの話題に限らず、戦後からオリンピックの時期に至るまでの、さまざまな社会的、文化的出来事が記されていて、とても面白い。 建築家アントニオ・レーモンドが、日本の家屋の構造の情報を提供することで、アメリカ軍の空爆の手助けをしたことはよく知られている。だが、著者が米国立公文書館に保存されている、戦略事務局(CIA)の前身の「レーモンドファイル」を調べると、レーモンドはアメリカと日本の2重スパイであった可能性を示す記述があったという。本当であろうか。レーモンドは東京大空襲に加担しただけではなく、スパイ活動も行っていたのか。それでいて、それを語らずに再度来日して、設計活動を続けたのであろうか。 (イマム) |
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