クレラーミュラー美術館のゴッホの傑作といったら、皆さんはどんな作品を連想されますか?私は、クレラーミュラー美術館に行く時、一番期待した作品がこの作品、種蒔く人でした。でも、照明のせいもあるのでしょうか、輝くような作品を予想していたのですが、ほんとうに暮れかかっている感じでした。少しガッカリ、しました。ゴッホ作品の難しいところは、その時の観るものの心を反映するのか、観ても良かったり、悪かったりします。
もちろん、この絵はミレーの『種を蒔く人』(1850年・山梨美術館所蔵)がもとになっています。ゴッホは、農民画家ミレーを尊敬して、この絵を描いたわけです。
でも、この背景の太陽(夕日?)と、穂の一群の黄色と、土の青のような絨毯(多分刈った稲)、このこの色合いがたまらなく素晴らしいです。これは、ゴッホにしか描けない絵です。
この絵は、1888年の6月の制作で、縦64.0cm×横80.5cmで、キャンパスに描かれた、油絵です。やはり、アルル時代のものです。1985年の日本でのゴッホ展で、一番絵葉書が売れた絵でもあります。
今、この作品をもう一度観てみたい気がします。
次のページでは、クレラーミュラー美術館のゴッホのもう一つの傑作について述べたいと思います。ゴッホ・ファン、いえいえゴッホ・ファンでなくても、気付く人が多いと思います。あの絵を観て、アルルに行きたいと思ったのは、私だけでないと思います(次へ)。
(2004年6月6日作成)
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