見慣れた天井を背景に、金髪が笑っている。
やたら優しい目でこっち見てる。
むしろ怖い。
慌てて起き上がろうとしたが、がっちりホールドされていて、動けない。すげえ馬鹿力だ。
「てめェ・・・・・・!」
ぐぐぐ、と全身に力を入れて金髪を押し返そうとする。なんかワケ分かんねえが、負けてたまるか。みしみし言ってんのはオレの関節のほうだ。合金はダテじゃねえ。だが、徐々にではあるが金髪の体が浮き上がってきた。あとちっとだ。
そう思って体勢を整えようとした矢先、ふ、と顔の上へ影が落ちた。
(頭突きか)
とっさにそう感じて衝撃に備えた。
が、衝撃ではなく、生暖かい感触が唇におりてきた。あったかくて、濡れている。
(やべえ)
やべえやべえと頭んなかでは思うが、体が動かない。
この雰囲気はあやしすぎるだろと思ってはいたが、本気でこれは良くない。またあれか。ウイルスか。ウソップのやろう、何しやがった。
ぺろっと金髪の舌がオレの唇を舐める。それからちゅって音をたてて吸う。
「・・・・・・ッ」
背筋に電気が走ってぞくりとする。
再びぐいぐい唇を押し付けられる。
考えたくないが、どうやらキスされてる。
更に考えたくないが、どうやらこのままだと襲われる。
なんなんだ一体。
突然なんなんだ。
男は嫌いだとか言ってなかったか。入れる穴がねェから変な気おこすなとか言ってなかったか。
くちゅ、と変な音がして舌を吸われた。やべえ、どう考えてもこのままじゃいかん。オレは必死で金髪を押し返しながら、何があったんだ、故障か、と言った。だが実際には
「も、もがっ」
と、うめき声しか出なかった。何しろ唇は奴にふさがれている。
金髪の手がいつの間にか腰のあたりを不穏な動きで這い回りだした。吸い付くように、手のひらは大きな円を描いて腰から腹にかけて揉み解す。
「・・・・・・ぷはっ」
オレはどうにか金髪の頭を引き剥がすことに成功した。
「てめ・・・・・・っ、なんのつもりだ!」
「何のって・・・・・・ろくすっぽ恋人もいねえてめえのアッチの世話をしてやろうってんだろーが、暴れんな、大人しくそこに座って感謝でもしてろっ」
「するかっ!てか、余計なお世話だ!」
「なんだとてめェ・・・・・・っ、オレを主人の役に立たせねえってのか」
がばりと金髪の頭が腹の上に伏せられた。胃の上あたり、それから腕の付け根を軽く噛まれた。噛んだあと、舌でちろちろ舐めてくる。くすぐったくてたまんねえ。思わず体に力が入った。気付いた金髪がにやりと笑う。そしてあろうことかオレの乳首を空いた手で摘まんだ。
「・・・ッ」
ビクッと肩に力が入ってしまった。
「待ってろよ、今すぐオレ様のテクでてめえをメロメロにしてやる」
やめろ、と言いかけた口をぐっと閉じた。
金髪が、乳首を舐め出したからだ。しかももうかたっぽの胸を揉んだりしている。無理がある。どう考えても無理がある。オレに揉めるような胸はついていない。
腰に手をまわされ、抱き寄せられた。
さっきからいちいち仕草がアレだ。丁寧っつうか、やさしい。
女むけのパソコンだからだろうか。
もう勘弁してほしい。
体を密着させてきた金髪が、またニヤニヤ笑いをする。くそ。
手のひらが腰まわりを撫でだした。
「体は正直だなあ」
とんでもねえ台詞はきやがる。
焦りを感じつつも、刺激をうけて、オレのそっちはその気になりかけていた。しょうがねえだろ、と思いながらも往生際悪く金髪を押し退けようとする。だが本気で力をこめるわけにはいかない。無茶をして、こいつのどっかが壊れたら嫌だからだ。
逡巡する隙をつかれて、金髪の手がズボンにかかったのに気付くのが遅れた。というか、これまでの攻防で既に若干下がりかけてたので、あとは簡単だった。すぽん、と脱がされた。飛び出したオレの既に割りとやる気の息子に、金髪が、うわ、という顔をする。そこで手が止まった。どうしていいか分からないようだ。
おずおずと、握ってくる。
それ以上は動かさない。
じんわりと手の熱が伝わってきて落ち着かない。
いや、落ち着き具合について考えてる場合じゃねえ、この隙になんとかしねえと。
我に返り、体勢を立て直そうとした矢先、金髪のほうも覚悟を決め終わったようだった。
「うし!」
気合いっぱつ、勢い良く自らのズボンも脱ぎ捨てた金髪に、ぎゅっと急所を握られる。
そしてオレの上へまたがると、そろそろと腰を落とし、足の間へ、握りこんだモノを導こうとしている。
(・・・・・・あ)
その意図にようやく気付いた。そしてさっきまでウソップのとこでこいつが何してやがったのかも。
(穴か!)
確か、そうだ、マニュアルに肛門は別売りだとか書いてあったじゃねえか、別売りってことは、つまり店に行きゃ手に入るってことだ。
これまでのバイトも、あのおかしな態度も、全部これのためか。
「あ・・・アホかッ!!!てめえ、自分が何してんのか分かって・・・・・・」
「ごたごたうっせえよ!」
金髪は眉間に皴寄せて真剣な顔だった。
ぎゅぎゅっと股間を掴んだ手に力が入って思わず呻く。
「アホかアホじゃないかはオレが決める!」
「アホに決まってんだろうがこのアホが!」
思い切って片足を振り上げ、反動をつけて起き上がろうとする。
だが、出来なかった。
そうと察した金髪は躊躇を捨てて強引に、ぐいっと腰を沈めてきた。
あ、と思ったときにはもう、先端がめりこんでた。
まさに、めりこむ、という感触だった。
そこはあらかじめ準備されていたのか、それとも最初からそういう構造なのか、ぬるりと濡れていた。
「いってェえええええええええええええええええ!」
アパート中に響き渡るんじゃねえかと思うような絶叫だった。
「は・・・・・・はいらね・・・・・・」
前から手をまわすようにしてオレの股間を握った姿勢のままで、アホパソコンは動きを止めた。
06/8/26
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よーし、小出し作戦続行だー!全10話のつもりだったとかもはや過去の冗談になったぞー!(本当)