口を吸いながら、もつれるように布団のとこまで行くと、金髪の態度はがらっと変わった。
骨をくだくつもりかと思うような握力で両手を握り締められる。
「大丈夫、オレにまかせて・・・・・・」
やたら甘い声だ。
なのに両手だけ、ぶるぶる震えてる。完全にアンバランスだ。
ふざけんな、どういうモードだ。
背中に手をまわされて、ゆっくり横たえられる。
ちゅっ、ちゅっ、と聞くに堪えないような音を立てて顔のあちこちにキスされる。それから上着に手が掛けられた。
冗談ではない。
「やめろ!手ェはなせ!」
オレは怒鳴った。
「アア?!今更なに言ってやがる、オレの18歳未満使用禁止の機能を最大限用立てようとしてんだろ……っ!観念して大人しくしてろ!」
金髪は必死だ。
だがオレも譲らない。
「大人しくすんのはてめえだ!」
「なんで!」
「なんででもだ!」
オレは奴の手を払いのけた。驚いた顔をしている。
続いて、傷ついたような表情。
なんでこいつは、こんなにくるくる表情が変わるんだろう。
真剣な目でじっと見られる。
誤解だ。
別に嫌なわけでも逃げようってんでもねえ。
「……自分でするから放せって」
動きを止めた金髪を尻目に、オレは自分で着てるもんを全部脱いでった。さっさと素っ裸になると、金髪は何だか微妙な表情で目を逸らしてる。
そんで小さな声でぼそりと、調子狂うんだよ、と呟いた。
そりゃこっちの台詞だ。
まあこいつのそういう機能は、女相手を想定してるんだろうから、実際調子が狂ってんだろう。
今となっては、それもまた、笑えるだけの話だ。
「おら、とっとと続きすんぞ」
オレは金髪の手を引っ張った。
「あ、うん……」
金髪は我に返り、それでもどこか窺うようにオレを見つめ、見つめつつも手だけ伸ばしてオレの体の上をふわふわと……微妙なタッチで撫で始めた。殆ど力を入れず、指先だけで辿ってくる。その指が何度か行き来し、やっぱり夕べと同じように乳首んとこに触れると、オレはビクッとしてしまった。いや、やべえだろその反応は。
流されてたまるか。
オレは金髪の着ている変な柄のシャツ(バイト先で貰ったものだろう)を脱がせ、続いて下も脱がせる。
全部脱がせたところで、奴を下に組み伏せて、オレが上になった。
金髪は変な顔をした。
「おい」
「なんだ」
「これじゃヤりにくいんだけど」
オレが両腕を抱きこむと、戸惑ったように逃れようとした。
「あー、なんもしなくていい」
オレは金髪のわき腹から胸のあたりまでをまさぐった。
「オレがすんだから」
「は?」
「てめえは、寝てるだけでいいって言ってんだ」
「なんで?」
「なんででもだ」
「……それでも、ちゃんと、するんだよな?」
複雑そうな、微妙な表情で、オレの顔色を窺っている。
オレは、ひとつ、深呼吸した。
「ああ……」
頭のなかはずっとぐちゃぐちゃで、強い葛藤で眩暈がするほどだった。
だが、金髪が「そうか」と答え、鼻の横に小さな皴を作って、えへへ、とアホそうに笑うのを見ていたら、なんだか仕方がねえなと思えてきた。
金髪は全裸のくせに、そうだ、今日はカレーにしたんだぜ、てめえ好きだろ、あとであっためてやるから、とにこにこしていた。
こいつの頭んなかはどうなってやがんだ。
同じパソコンでも、シャンクスや、ナミのとこのちっさいやつや、ウソップのところのカヤとは全然違う。
最初の頃に、チュートリアルとかいうやつで見た、LOGのハート型アイコンを思い出した。
あの中に、こいつの心が入っているのだ、多分。
唇を合わせながら腰を押し付け、奴のそこにも刺激を与えようとした。
そこはまだぬるく、何のきざしも見せてはいない。
一旦口を離し今度は耳朶を舐りながら、てめえからするっつったくせにまだ気分出ねえか、と尋ねてみた。
金髪は潤んだ目を開くと、真っ赤になった顔をふるふると振って見せた。
「あ……そこ、何度かさわって……そしたら勃つから……」
「そうか」
ぐい、とオレはまた腰を押し付けた。こっちはもう固くなっちまってる。だが金髪のほうも余裕があるというわけではなさそうだった。ハァハァと浅い呼吸を繰り返し、目を細めている。
ふにゃっとしたサオを握って、少し強めに扱いた。
ぐるぐるした眉毛が苦しそうに寄せられる。
膝がひくひく動いてる。おもしれえ。
固くなり始めた部分から手を離してひくひくしてる膝を撫でてやったら、「やっ」と言って足を閉じようとする。
「てめ……そこ、やめんな……」
「やめねえよ」
腿を軽く叩いてから、また股の間へ手を戻してやる。
鼻にかかった甘えるような声。
まるっきり生身の人間と変わらねえ。まあ自分以外のヤロウの反応するとこなんか見たことねえから、よく分からねえけど。
「ん……んんっ、あっ」
上下に手で扱く動きを続けてやると、金髪は悩ましげな声をあげるようになった。
腰が揺れている。
額に口を付けると、発熱したようにほんのり温かくなっている。
青い目が、うっすらと開かれる。
ガラス球。
左の片方には視力すら無い。
だけど、オレを見て、目を細めた。照れくさそうに。
そろりと足の間に手を差し込んでみた。
夕べはサイズが合わなくてフリーズの原因になったケツの穴が、指に触れた。
ちゃんとここに入るかどうかが問題だ。
指の腹を押し付けて様子を見ようとすると、そこの部分が吸い付くような動きを見せた。
「……んっ!」
びく、と金髪が全身を強張らせる。
「どうした」
「ん……っ、な、なんで、も、ねっ……あっ」
ちゅく、と少しだけ指を動かしたら、それだけで金髪の身体が跳ねる。
頭を左右に振りながらも、それが意地なのか、動揺を気取られまいと耐えている。
何故か枕元には、ティッシュボックスと並んで、小さなチューブがきちんと置かれている。
手に取ると、内容物はそれっぽいクリームだった。それ用にこいつが用意したんだと見て間違いないだろう。
少し中身を手に取り、ケツの穴に指を差し込む。
「ゾロ……」
心配そうに見てる。
壊したらいけない。
オレは随分時間をかけて慎重にそこを探り、これなら大丈夫だろうと確信が持ててから、そのためだけにこいつが用意してくれたケツの穴に、無事、突っ込むことが出来た。
思えば指を差し入れただけで身体を震わせていたあの過敏さは、おかしかったのだ。
本番に入ってからの金髪はあんあん喘ぎっぱなしで、何が何だか本人にも分かっていないようだった。変だ、おかしい、とうわごとのように繰り返すから、夕べみたいにまたフリーズすんじゃねえかと不安が過ぎったが、だからといって今更止められるわけがない。
「あ……っ、変だっ、こ、こんなん、あっ、ああっあ」
わななくように肩を震わせ、金髪はすがりついてくるが、オレはオレでちょっといくらなんでもこの安普請で隣近所に声が聞こえてんじゃねえかとそれはそれで気分的には震えていた。
まあ今更どうしようもない。
せめてウソップやルフィの部屋まで聞こえてねえといいんだが……。
(ウソップにゃもうバレてるか……)
何しろ、こいつにケツ穴を取り付けたのは、アイツだ。
それを考えるとウソップに明日以降ツラ合わせづれえなあと思うのだが、実際のところウソップのことなど考える余裕は、オレにだってないので、すぐにその気まずさも霧散する。
金髪にはもっと余裕がなかった。
感極まったように背をそらせると、以前ウイルス騒動のとき、「出るのか」と質問し、「出る」と答えた、あの返答が嘘ではなかったことを証明してみせた。
ぬるい体液がそこを握った手のなかに吐き出されたので、変に感動した。
ぎゅっと腰の奥から痺れと熱さがこみ上げてきて、外に出すとか考えられずにそのまま出してしまった。勢いよく、全て出し切るまで、何度も突き上げた。
しっかりとしがみ付いたままで、金髪は細い声を飲み込んで、中に注がれる感覚を味わっているようだった。
つい昨日までは無かった場所だ。
どんな気分がするのかは分からねえが、ゆるゆるときつく抱き合った腕をほどき、お互いの顔が見えるまで身体を離した時、目が合って、目の周りも赤いし、髪もぼさぼさのまんまで、ふうと大きく息を吐いた金髪が
「良かったかよ?」
と、満足そうに尋ねてきたとき、
ああ、こいつとヤッた意味はある。
そう思った。
07/2/3
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まだまだ。(笑)