戻る

YとMの中国旅行記(4日目)

●北京観光

 中国旅行も4日目となりました。
 毎日寒い寒いといいつつも、見るもの全てが初めて、ということで
楽しんで観光しています。
 今日はワゴン車に乗って北京郊外へと向かいます。
 まず始めに訪れたのは、明の十三陵と呼ばれる古墳群です。
 北京の街の北部にあるこの地には、明王朝の13人の皇帝の
陵墓があります。
 見学するのは13陵のうち、定陵と呼ばれる第14代の皇帝の
陵墓です。兵馬俑と同様に、発掘される陶器などの保存が難しい
こともあり、まだ13陵のうち、発掘されて一般公開されているのは
この定陵のみだそうです。
 21世紀のこの現代になっても、まだ発掘されずに残っている
部分があるというのは少々驚きです。
 今後、他の陵墓の発掘が行われることはあるのでしょうかね。
 陵墓は小高い丘になっており、建物は地中の中にあります。
 地下ピラミッドという感じです。
 入り口を入って、階段を下っていきます。結構深いです。
 墓室は石の壁で頑丈に作られており、これならちょっとや
そっとのことではびくともしなさそうです。
 陵墓が発見されたときには、墓室は完全に封印されており、
入り口のレンガは通路が崩れないように慎重に取り除かれた
そうです。
 兵馬俑といい、この十三陵といい、すごい規模です。この
墓陵も建築するのにものすごい数の人と年月がかかっている
のではないかと思います。
 明の十三陵を後にすると、我々の車はさらに山間部へと
進んでいきます。目指しているのは、兵馬俑と並んで、
今回の旅行で楽しみにしていた万里の長城です。
 「月から肉眼で見える唯一の地球上の人工建造物」と
いうのがすごいじゃないですか。
 訪れるたのは八達嶺というところなのですが、そこに着く
までの間にも車窓から山肌に時々万里の長城の一部分が
見える場所がありました。なんか興奮してきました。
 駐車場につくと、万里の長城までちょっと歩きます。
 山の上の方まで来ただけあって、風が強くなり、また
寒くなって来ました。頑張れ!頑張れ!万里の長城は
目前だ!と自分を励まして進んでいきます。
 じゃんじゃじゃーん。
 ついに来ました。万里の長城です。
 万里と呼ばれるだけあって左右を見ると、それぞれずーっと
向こうの方まで続いています。
 入り口からは右向きにも左向きにも歩いて行けるようですが、
時間の関係で両方を見て戻って来ることはできなそうです。
(体力的にもできなさそうです。)そこで、観光客の多い方へと
進んでいきます。
 通路の左右に壁があるとはいえ、殆ど山の尾根伝いに
吹きさらしの状態なので、冷たい風が強く、半端な寒さでは
ありませんでした。
 コートのフードをあげて、殆どエスキモー状態の格好で、
歩いて行きます。
 山伝いに建築してあるだけあって、上りあれば下りあり、です。
 とりあえずは向こうの方に見える高台を目指して進んで
いきます。冬ということでシーズンオフですが、有名な観光地の
ため、結構観光客が来ていました。
 西安に比べ、欧米の観光客と見られる人たちが多かったです。

 万里の長城は、紀元前5世紀、周の時代に北方騎馬民族の
攻撃を防ぐために築かれたのが始まりと言われています。
 その後、秦の始皇帝が30万の軍兵と数百万の農民を動員して
完成させたそうです。
 秦の時代以降も、歴代の支配者によって補修が繰り返され、
明の時代になって現在の規模の長城になりました。初期の頃に
建築された長城は殆ど残っておらず、八達嶺は明の時代、
1500年頃に造られたものだそうです。
 歩いていけるところも結構歩くと長い距離があるのですが、
ふと立ち止まって周りの山を見てみると、向こうの山の尾根
のところまで、長城は続いていっています。これだけでも
ものすごい長さですが、全長はなんと6,700kmもある
そうです。
 ところどころに設置された城楼のところでは、民族衣装を
着ての記念写真だとか、ラクダに乗っての記念写真だとか、
記念写真をその場でペンダントに埋め込んでくれるなどの
観光客向けの商売をやっていました。
 中国に来る前に、親戚から万里の長城の物売りはすごい、
と聞いていたのですが、シーズンオフのせいか、殆ど売り子
に寄ってこられることはありませんでした。
 万里の長城の上の通路は人間が通るスペースのはず
ですが、かなり急な傾斜のところがありました。
 風がびゅーびゅー吹いていて、手すりにつかまりながら
進まないと怖いくらいです。
 気温は低いのですが、上りの傾斜がきついため、
上っているとちょっと温かくなりました。
 ついに高台に到着し、下を見下ろします。いえーい。
やっと着いたぜー。幸いこの日は非常に天気がよく、
とても素晴らしい見晴らしでした。西安も北京も霧が
出たりするそうですが、旅行中は毎日天気に恵まれ、
幸運でした。
 さて、戻るとするか、と帰り道を見ると、かなり急な
下りです。おーこわ。まあでも雪や雨の天気ではなくて
よかったかな。
 万里の長城を出た後、途中でレストランに寄って昼食を食べました。
 昼食は中華弁当というようなものだったので、特筆すべきことは無し
です。昼食をとったレストランのところで、8本千円という中国のお酒
(白酒)を、同行していた方と4本ずつ割り勘で買ったのですが、買った
4本のうち、1本は封入が甘く、かばんの中で染み出してきてしまい
ました。やはり安かろう悪かろうです。
 昼食後、ワゴン車は北京に戻り、イー和園(イーの漢字は表示できま
せんでした)という宮廷庭園に行きました。
 ガイドブックによれば、中国で最も大きく最も完成度の高い宮廷庭園と
言われているそうです。
 イー和園に入ると、なんだか見たことのあるような動物の石像が
ありました。
 この動物は麒麟だそうです。キリンビールのラベルに描いてある
やつですね。そういえば、こんな風貌だった気がします。
 この庭園は元々は1750年代に造営されたのですが、1860年の
アロー号事件をきっかけに英仏軍の略奪と放火に遭い荒廃し、
1888年に西太后が再建したそうです。
 西太后も中国の歴史上の有名な人物ですよね。確か「西太后」と
いう映画もありました。しかも自分の観た映画リストに入ってるし・・
でも恥ずかしながら映画の内容や場面の記憶は全然ありません。
 庭園の中には湖があり、そのほとりに建っている知春亭という
建物です。夕日を背景にしてなんか幻想的です。
 この湖の脇を歩いていくと、長廊と呼ばれる長〜い廊下が
あります。その長さはなんと700mです。これは中国の園林
建築で最も長いそうです。長廊はかなりの距離まっすぐに
続いていて、その先の曲がっているところまで見えないくらい
でした。
 長廊の天井は梁には様々な絵が隙間なく描かれており、
その全てが違う絵だそうです。
 その中には西遊記の一場面を描いた絵もありました。
 湖畔に沿って庭園の中を歩いていきます。
 湖から見て右手に見える建物はその形に特徴があり、
なんとなく気になりました。実際にその建物のそばまでは
行かなかったのですが、後でガイドブックで調べると、
仏香閣という建築物でした。
 湖は寒さのため、見事に全面凍ってしまっていました。
 氷は結構厚いらしく、岸から氷の上に出ていく人や、湖を
渡っていく人もいました。
 せっかくの機会なので、僕も内心は氷の上を歩いてみた
かったのですが、団体行動ということもあり自粛?しました。
 庭園を進んでいくと、凍った湖面上に船の形をしたテラスの
ようなものがありました。
 ガイドさんの話によれば、西太后はここで朝食を食べた
そうです。この船だけはちょっと欧州的な感じがしました。
 庭園からは入ってきた門ではなく、裏門から出て行きます。
車もそこに回してくれているのです。
 裏門に向かう途中、遠足?で着ている中国の幼稚園児の
集団と出会いました。日本と同じで若い保母さん何人かで
引率していました。子供はかわいいですね。
 庭園の見学で、本日の観光は終わり、夕食のレストランへと
向かいます。これがこの中国旅行での最後の夕食になります。
 レストランはファン膳飯荘(ファンは例によって漢字が出ません
でした)での「宮廷料理」です。
 ガイドブックによると、昨晩の「全聚徳」と同様、高級レストランの
ようです。むふふ。期待が高まります。
 レストランは北海公園という公園の中にありました。日が暮れて
人気の無くなった公園を歩いいき、お店を続くと思われる回廊を
進んでいきます。
 回廊を抜けると、レストランがありました。そしてなんと店の前で、
中国人の娘さん達が優雅な舞踊で出迎えてくれてくれました。
まさにVIP待遇、贅沢の極みです。
 店内のムードもちょっと高級感があります。テーブルの
上には人参などの野菜で作られた鳥の彫刻が飾られて
いました。同行した方が、そのお皿に乗っていたパセリを
食べようとしたら「Don't eat」と言われて下げられてしまい
ました。
 テーブルには次々と大皿に盛られた料理が運ばれて
きます。アワビのスープ、大エビのチリソース、鹿の肉の
炒め物、ラクダの肉の炒め物、サメの皮となまこの炒め物、
などです。日本ではちょっと馴染みのない料理も
ありますね。。。
 個人的にはラクダの炒め物がホルモン炒めのような
感じで結構好きでした。
 庭園で観光は終わり、と前々コマで書いてしまいましたが、
夕食を食べた後、京劇を見に行ってしまいました。
 実は僕は京劇というのはどんなものか全然知らなかったの
ですが、妻の方は多少知っていて、前から興味があったよう
です。
 劇場に入ると、テーブルの周りに椅子があり、同行した方と
同じテーブルを囲んで座りました。お茶とちょっとしたおつまみ
が出てきたのですが、食事をしたばかりで満腹で食べられ
ませんでした。ううう、無念です。
 外国人にはワイヤレスヘッドホンが貸し出され、それで
母国語での説明を聞くことができます。
 この日の演目は2つで、最初の演目は天女が出てきたの
ですが、高い声で喋るだけで、劇としてはよくわかりません
でした。
 2つめの演目は孫悟空が登場する劇でした。
 主人公は三蔵法師のお供になる前の孫悟空で、海の中の
王様のところへ行って、自分の武器となる如意棒を手に
入れるまでのお話でした。
 さすがに孫悟空はある程度馴染みがあり、また劇中で、
大道芸のような芸も多数披露されたため、1つめの演目
よりは全然楽しめました。
 登場人物の衣装も色とりどりで、きらびやかでした。
 劇の最中は、ミュージカルのようにBGMが演奏されている
のですが、舞台横に居た演奏者の方々が皆、普段着を着て
いたのがちょっと場にそぐわない気がしました。
 この京劇で、ようやく4日目のイベントは終了し、ホテルに
帰って寝ました。ZZZ。

→5日目へ

戻る