竿作り
竿製作は最初は難しいという印象でしたが、インターネットで竿作りにおける
アドバイスを見つけ、その中に最初はタモの柄から製作すると、慣れてあまり
難しく考えなくなるという内容でした。
早速書いてある通りに。すると不思議、すごく簡単に思えてきました。
私が感じたポイントは”急がず時間をかけて”。これを心がければ、削りすぎ、
塗りすぎなどが防止できて、見た目綺麗に仕上がると思います。
製作に当っては、寝屋川市に有るチヌ専門ショップの
『DAM』の店長さんにいろいろと教えていただきました。
竿製作履歴
◆1.5m(布袋竹製) 平成13年1月20日より製作開始。
◆1.65m(紋竹製) 平成13年1月28日より製作開始。
竿製作マニュアル
T.材料 | ◆材料 @ソリッド 900mmを基本に1200mmまでを使用。内径は5mmで統一しておくと、各元竿との組み合わせでいろいろなバリエーションを楽しめる。(※1000円程度) Aチューブラー これはあまり種類はありません。(硬・軟程度)竿の全長を決めて刃先の細かいのこぎり(やすり)で切断します。 (※5mm径で960円程度で売られています。) B元竿(布袋竹) 20cm〜40cmくらいまで。布袋竹の場合は紋竹に比べて重たいのであまり長くすると持ち重りがします。またリールが下向きの場合は短め、上向きの場合は長めとも言われています。 !ワンポイント 紋竹の場合は1500円〜2000円で釣具店などで販売されていますが、4節全てしよう可能なため、竿4本分の元竿が製作できます。 C尻栓 これは特にきにしませんが、尻手ロープの接続、穂先を胴の中にいれる場合はネジ式の脱着式が便利です。 ◆竹の削り出し(布袋竹の場合) ◆竹の削り出し(紋竹の場合) @カッターナイフで節をおとす。 @ペーパー(240番)で軽めに仕上げ。 Aナイフで竹の皮を落とし、節も同じに落とす。 ペーパーを掛けることで、ウレタンの乗りが良くなる。 Bペーパー(100番)で削る。 Cペーパー(240番)で仕上げ。 !ワンポイント 竹の皮をむいてペーパーを掛けることにより仕上がりが大変綺麗になります。 また、キズ等が入った時はキズの部分をペーパーがけしても、まわりの塗料 がボロボロとはがれることもなく簡単にきれいになおせます。 |
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U.ソリッド接続 | ソリッド(内径5mm)をチューブラー(歌口)へ差し込む @市販のソリッドは差し込み部分の内径が4mm,5mm,6mmとあります。 Aチューブラーは予め差し込み部分の内径が予め5mmなどに合わせたものが売ってます。但し、ソリッドの5mmとは必ずしも一致しません。そのときは2つの方法があります。 ・ソリッドをペーパーで少しずつ削る。 ・チューブラーの口を丸ヤスリで削る。 (いずれも削りすぎに注意。少しきついかなと言うところで止めて、後はホコリなどと取り除くと意外と綺麗に収まります。) |
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V.寸法合わせ (160cm) |
各部品の寸法を合わせる(切断) @ソリッド(穂先部分は90cm) 尻4cmをジョイント部に入れる。 Aチューブラーを74cmに切る。 元竿の尻の部分までいれる場合。 B元竿は20cm〜40cmの範囲で。 下向きリールの場合・・・短め(20cmくらい) 上向きリールの場合・・・長め(35cmくらいまで) |
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W.元竿を削る | ヤスリで竹の中をチューブラーがとおるまで削る。 この場合の丸ヤスリは出来る限り長めの物が便利。 ・削る量はチューブラーをどこまで差し込むかを決めて。 今回は尻まで全部差し込む(実際は元竿の竹の尻から頭に向けてチューブラーを差込ます) |
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X.竿組み立て | 二液性エポキシボンドでチューブラーと元竿(竹)を固定する。この時はボンドを多めにチューブラーにぬり、尻からトップに向けて一気に差しこみます。あふれたボンドはすぐにボロきれでふき取れば大丈夫。 このセメンダインは約5分で固まり始め、2時間後には実用耐久まで固まります。 ◆セメンダイン(エポキシ)の削り 平ヤスリで元竿からチューブラーの方向に斜めに少しづつ削って綺麗にテーパー(先細にする)をつけます。 ◆尻栓(水糸) 竿止めの接続に必要な水糸をセメダインで固定します。仕上げは丸く型を整えます。 ◆すべり止め(ラバーグリップ) 左の写真はすべり止めのラバーグリップを巻いたものです。筒状のなっていて、コンロの火であぶれば収縮して、竹の外形にピッタリフィット。 |
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Y.ガイド・リールシート付け | ◆元竿(竹)にウレタン塗装 ウレタンを塗り光沢、及び保護巻くを張ります。約10分で乾く。 ◆リールシート付け 元竿(竹)の節なのどの関係で位置を決めます。 @メンディングテープで仮止めをする。 A3ヶ所に籐と金糸を同じに巻く。(適当に瞬間接着剤で止めながら) 金糸と同意に巻くと、一段とゴージャスに見えます。 !ワンポイント 布袋竹の場合はそのラインを強調するために籐はリールシートを止める部分のみ。 紋竹の場合は籐で間隔を空けながら巻いたりしながら模様を作ると高級感がでる。 ◆ガイド付け(穂先) @トップから7個目までのガイドは1.5mを使用し、ウレタンチューブで接続する。(糸巻きが不用な為、早く正確)。 ウレタンチューブは0.5mm、0.6mm、0.8mm、1.0mmを準備。最初は瞬間接着剤で固定せず、方向合わせをする。 A8個目からは細糸の黒でガイドを巻く。 Bウレタンチューブ、糸ともに固定は瞬間接着剤で行う。 ◆ガイド付け(元竿) @リールシートと一直線になるよう注意して糸で巻きます。 !ワンポイント ・リールシートに近いガイドの取りつけ位置は使用リールにより前後します。 フライリールなどを使用する場合は、リールシートより遠めに取りつけると、糸の角度が緩和される。 !ワンポイント ・ガイドを糸で巻いたあと瞬間接着剤で固めます。実はこの後、エポキシ接着剤で固めるとさらに強度があがり、また塗装面もきれに仕上がります。 ◆色付け @穂先より25cmは蛍光塗料で塗ります。(自分の好きな色を塗ります。但し、あまり派手にすると目が疲れるような気がします) Aその他は元竿のベース色に合わせて漆を塗ります。 |
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Z.漆塗り・蛍光塗装 | ◆漆塗り 竿のカラーを緑をメインに、模様を研ぎ出しで表現する。そのため漆の順番は緑⇒緑⇒赤⇒緑⇒金⇒緑とする。 @緑の漆を塗る。(チューブラー部分) この場合研ぎ出しで模様が出易いように、塗り方には少しくらい凹凸(糸を巻いて)が残るように塗る。(2日以上乾燥) 研ぎ出しにおいて模様を出やすくするために凹凸が出るようにしますが、マッチ棒、割り箸などで叩くように塗ると良いようです。 ※実は臭いの関係でトイレで乾燥させています。換気扇が回りっぱなしのため、この時期乾きも早いです。 A本透明の漆を塗る。(元竿竹+籐) 薄め液で薄めて(5:5)塗る。 !ワンポイント ・漆の乾燥時間について色により時間がまちまちのようです。 乾燥速い ⇒黒、クリア、緑 乾燥遅い ⇒赤(特に遅い)、金 |
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[.乾燥 | 漆の乾燥は全ての作業の前提となる重要なファクターです。しかし、ついつい次の作業を進めたくなるのが殆どだと思います。ここで漆の乾燥における常識を紹介します。まず温度が25度〜30度であり、湿度は70%以上が必要です。つまり漆の乾燥は湿度が高くないとだめなのです。職人達の多くは室(ムロ)という空間で乾燥させています。そこでは空気の流れを断ち、水をまいて湿度を高め、漆を乾かします。 さて我々一般家庭での製作行程においては、このような環境は非常に難しいところです。でも、2つほど似た環境があります。 @お風呂(残り湯をそのまま置いておく)・・・ここの乾燥は驚くほど速い!超お勧めです。においが気になっても換気扇でOK。 Aトイレ(手洗い水など、湿度は他の部屋より大目) |
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\.研ぎ出し | ◆研ぎ出し 漆が十分に乾燥していないと100%失敗します。最低でも漆を塗って10日は間隔をあけてください。 @水を出しながら耐水ペーパー(600番⇒1000番⇒1500番⇒2000番)で研ぎ出しをする。 この時の作業は急がずに少しずつ仕上げていきます。 A研ぎ出し作業後はコンパウンドで磨きます。 B漆(クリア)を7回〜10回繰り返し塗り仕上げます。 |
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(飾り糸) | ◆飾り糸でのデザイン 研ぎ出しのほかに飾り糸での模様付けがある。 これは金色の糸の太・中・細糸を密巻きにしたり、間隔をあけて巻いたりして飾り付ける。 研ぎ出しに比べて製作時間があまりかからない。 (※名人の瀬川彦次さんの製作する竿は赤色ベースに金糸での飾りつけが定番のようです。) |
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].仕上げ | ◆ウレタン塗装 塗装の仕上げは二液性のクリアー(ウレタン)を塗装して、漆の塗装を保護する幕を作る。 |