最遊記
悟浄×三蔵v

小説 欄銘様




君にTEL 2

 
 

「おかえりなさい」

丁度廊下であった八戒から声をかけられる。
「あぁ。三蔵は?」
「それが・・・」
八戒は少し困ったような顔をして続けた。
「朝食の時も部屋から出てこなかったんですよ。別に具合が悪そうでもなかったですし。それに僕が部屋に入ると何か隠すんです。無理強いはしませんでしたけど」
「?」

いくら待っても返信のこないメ−ル、部屋から出てこない三蔵。
軽い不安が悟浄の頭をよぎった。

「俺が行ってみっから」
お願いします、と八戒の言葉を背中でうけ三蔵のいる部屋のドアを開いた。

ガチャ・・・

「!?」
ベットの上で驚いたようにふりむきながら隠す三蔵の手には携帯がにぎられていた。
「・・・三蔵?」
呆れたような、困ったような顔をし名前を呼ぶ。
視線がぶつかるが三蔵は悟浄をキッと睨んでいた。
「・・・・ねぇ」
小声でつぶやいた三蔵の言葉は悟浄には聞こえない。
「え?」
「分かんねえ!」
見方によっては泣き出しそうに見える三蔵の顔。
悟浄は何が起こっているのか把握できない。
「え〜っと・・・三蔵?おちつけ」
そっと三蔵の隣にこしかけあやすように言う。
「何が分かんねえの?」
「・・・・・・」

答えようとしない三蔵の手ににぎられている携帯の画面にはいまだに『新着メ−ル一件』の文字。

「もしかして・・・メ−ルの見方が分んないとか?」
顔を伏せて黙り込む三蔵を見て図星だと悟浄は確信する。
「・・・だったら悪ィか」
言葉と態度があわない三蔵を見て悟浄は苦笑してしまう。
(何でこんなに可愛いのかねえ。この生臭坊主は)
「よっしゃあ。三蔵、今日から特訓だな。俺の愛のメ−ルが受け止めれるようにv」
「・・・うぜぇ」
そういいながらも悟浄に向き直る三蔵に悟浄の愛(?)の特訓がはじまった・・・・。





 
――――数日後。

あれから街につけていなかった三蔵達は久しぶりの宿で各1人部屋をとった。

ブ―ッブ―ッ
しんと静かな部屋の机の上で三蔵の携帯が鳴る。
パカッ
まだ不慣れな手つきで携帯をさぐる。

――――――Form.悟浄

明後日までここにいるんだろ?
今夜一杯しないか?
―――――――

「つくづく暇なやつだな」
そう言いながら返信メ−ルを打ち、送信した。
 
ブ―ッブ―ッ
はなれた部屋で悟浄の携帯がなる。
「きたきた♪」
どうしてメ−ル一つにここまでうかれることができるのだろうと自分でも思いながら急いでメ−ルを見る。

――――――Form.三蔵

つきあってやる

――――――――


簡潔な一言。
三蔵からの返信は『あぁ』だの『そうだな』だの一言しか返ってこない。
理由をきけば一言「面倒臭ぇ」だ。
しかし、悟浄にとってはどんなイイ女からの告白のメールよりこの上なく嬉しいメールである。
急いでメールを返すと、緩む口元をおさえきれずに着替えを始めた。
 
ふーっと紫煙をはきだした時、丁度三蔵の携帯がなった。

――――――Form.悟浄

30分位したらむかえにいくから

―――――――


メールを確認してから三蔵は着替えを始めた。
この町で行動するには法衣は目立ちすぎるからである。
吸っていた煙草を全部吸いきってからシャツとジーパンというラフな格好に着替え終わった時にドアがノックされた。

「三ちゃん♪ゴジョさんがむかえにきたよv」
時計を見るとメールから丁度30分が経っていた。
「河童でも時計はよめるのか」
はなで笑いながら部屋の外へ出る。
「いい店なんだろうな」
「あたりまえじゃんv」
自信げに言う悟浄とともに2人は宿をあとにした。
 
 
 



ぷぎゃーvvv可愛いお話ありがとうございます!!
携帯の使い方が分からなくてずっとずっと一人で涙目に
なってたであろう三蔵さまがっっ
愛しくてならないですーーーー!!
やっぱりゴジョさんは幸せ者ですねv
また素敵作品をいただいてるので、皆様お楽しみに("▽")



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