分かっていた。
分かっていたのに。
けれど、もう止められない。自分でも自分を止められないんだ、アデス。
自分の中の狂った血が沸騰しそうに熱い。
ヴェサリウスが墜ちる。
それはアデスを失うこと、たったそれだけの意味しか持たない。
たったそれだけの、唯一の意味。
そして、それ以上に大切なことなどなかった。
お前の存在だけが『私』を意味づけていてくれた気がする。
このラウ・ル・クルーゼが生きた意味を。
お前と出逢えたからこの人生が無駄だとは思わなくなった。
死という未来さえ、お前と共にあるならばそれも悪くない。
ラウ・ル・クルーゼとしてお前を愛し、お前に愛されたことが私の全てだ。
どうか、少しそこで待っていてくれ。
そこに逝く前に寄りたいところがあるのだ。
後に残せないものがある。片を付けねばならない。
都合の良いことを、と怒鳴りつけてくれていい。怒ってくれて構わない。
いや、お前の敬語と態度は死んでも変わらないか。
ならば、届きはしないだろうが最後の命令も聞いてくれるだろうか?
「…全て終わった頃に…迎えに来い」
もし、お前が来なくとも私が出向くだろうがな。
『承知しました』と少し笑って敬礼するお前が目に浮かぶな、アデス…。
END
素敵な追悼小説ありがとうございます〜(T□T)///
隊長とアデスの…お互いに残す言葉が切ないです(涙)うっうっうっ
アデスすきー度は吉野さんは凄いので、悲しみもひとしおと心中お察ししますが…
またアデクルで、楽しい作品も書きたいと吉野さんがおっしゃって
すごく楽しみにしています///
作品の中でなら、ずっとアデスに生きていてもらうことは
できるんですよね(∋_∈)///