『一番』

アデス×クルーゼ
フラガ×クルーゼ

小説灯呂さま




貴方があそこまで感情を露にするところなんて、今まで見たことがなかった。
いつも静かで冷静な貴方が、我を失っているのではないかと思うほどの怒り。
あのモビルアーマーが関係しているのだろうことはすぐに判った。
いや、正確にはそのパイロットだと・・・。

地球軍の新型機動兵器の奪取作戦の時もあのモビルアーマーがいた。
貴方は半ば嬉しそうに出撃した。
滅多にないことだと思ったのを覚えている。
あの時は特別な作戦で、赤を着た四人のパイロットも慣れぬモビルスーツに乗ってい
るから、仕方なくだと思った。
でも、それは間違いだったことに、嫌でも気付かされた。


「隊長・・・」
「ん?」
「先ほどのモビルアーマーのパイロットについて、何か知っておられるのですか?」
少し、声が震えているのが判る。
出きるなら聞きたくなかったのかもしれない。
でも知りたかった、貴方とそのモビルアーマーのパイロットとの関係を。
「何故、そう思う?」
「質問をしているのは、私です」
「ほぅ・・・・珍しく強気だな」
貴方はいつもそうやってはぐらかすから。
今度だけははぐらかされたくなかった。全てを、教えて欲しい。
「・・・・知っているんですね」
「できるなら、お前には教えたくない」
「私は教えて欲しい。不安なんです・・・あのパイロットは、もしかしたら・・・」

貴方の 想い人ではないかと

直接口には出さなかったが、貴方はその言葉を汲み取ってくれていた。
「・・・言いたいことは判る。だが、私が言ってしまうと今まで通りにはできなくな
るぞ?私はよくても・・・お前がな」
きっと、私の思ったことは正しかったのだろう。
それでも貴方は言おうとはしない。
「・・・言って欲しいか」
「はい」
貴方は黙っていた私の心を読んで、先に言ってくれた。
自分からは言い出せなかった。貴方との関係を壊したくはないと、やはり心のどこか
で思い、恐れていたから。


「・・・・あいつは、最も愛しく、憎い男だ。誰よりも愛してる。それゆえに誰より
も憎い」
愛してる。今まで私だけに向けられていると思っていた言葉。
それが私の目の前で、他の男に向けられた。
「私の人生そのもので、私の全て。あいつが死ぬ時は、私が死ぬ時」
まるで、貴方を奪われるような焦燥感。
元から私のものでもなかったというのに・・・・。
「あいつを想い焦がれ・・・泣きたくなる。近付くだけで、鼓動の高鳴りを覚える」
私が貴方のことを語っているようだ。
そんな貴方の瞳が、夢を見ているみたいに見えて・・・。
「あいつに触れられると、きっと私は泣いてしまう。もし抱いてもらえたなら、その
まま死んでも構わない」


私が貴方のことを一方的に想っていた時のように、貴方は語るんですね。
いや、「想っていた」というような過去形ではないんだ。
きっと今でも一方通行。
「お前のことを愛してないわけじゃないんだ。あいつとはまた別の想いで、お前を愛
してる」
「別の想い・・・」
「もしかしたら、あいつを想うことの辛さゆえに、お前へ逃げていたのかもしれな
い」
”あいつ”がいなければ・・・私は愛されてはいなかった?
「お前への愛が嘘なのかと言われれば、はっきりと否定することはできない。だが、
肯定もできない・・・」


「あいつと私の関係を話すことはできないが、今のが私のあいつへ対する想いだ・・
・それを聞いても、今までのように愛してくれるか?」
貴方が何を求めているのか、判らなかった。
愛を求めているのだろうか、それも私からの・・・?それとも・・・”あいつ”から
の。
そう考えれば確実に”あいつ”からのだろう。
だが貴方は私に愛して欲しいと言う。
貴方は、どうしたいんだ・・・・?
「貴方は私に愛して欲しいと・・・?」
「あぁ、思う。だが私は良くても、お前が良くないだろう?私は最終的にお前を選べ
ない、私の迎える未来はあいつとの”死”だけなんだ」
そのためだけに、貴方は生きている。
きっと貴方は途中どんなことがあろうと、”あいつ”と死ねるということだけで、生
き続けるだろう・・・。
私は、何なんだ・・・?
「貴方にとって、私は何なんですか。途中で快楽を得るための玩具ですか・・・?」
「違う!違う・・・愛してる、誰よりもとは言えない・・・だが愛してる、どんな形
であれ、お前を愛してる」
「でも私は二番目?」
「・・・・そういう、ことになる」


誰かの一番になりたかった。
できることなら、私の一番である人の一番が、私であるならと・・。
でも私の一番である貴方は、私を一番にできないと言う。

苦しかったでしょう、辛かったでしょう、悲しかったでしょう。
貴方の一番である人の一番は、きっと貴方。
でも決して愛することのできない人なんだと、貴方の口ぶりから察した。
届けられぬ想いを背負い、他に愛する人もいる。
届かぬと判ってはいても、他に愛する人を一番にすることはできなくて。
いっそ「お前を一番愛してる」と告げられたら、どれだけ楽でしょうね。
でも貴方はそれができないんです、やっぱり”あいつ”を愛しているから。

私に「愛している」と言ってくれるのは、同情でも何でもないと判ってます。
貴方は自分の利にならない嘘は吐かないから。
貴方は優しい人だということも知ってます。
こんな見られ方、貴方は不本意でしょうが、貴方は自分が傷付きたくないと言いなが
ら、誰かを傷付けることもしたくない。
私は貴方のことを知りません。
知っているのはこんなことだけです。性格だとか、内面だとか・・・そんなことだけ
です。
きっと”あいつ”は、全てを知っているでしょう。
私なんか足もとにも及ばないでしょう。
それでも、唯一張り合えるのが・・・この想い。

貴方を愛してる

「アデス・・・?」
ずっと口を閉ざしたままの私を心配してくれているのか、貴方はそっと私の顔を覗き
込み名を呼んだ。
「・・・貴方を愛してます」
「・・・・あぁ、知ってる」
「だから、私といる時だけは・・・私だけの貴方でいて欲しい」
私に抱かれながら”あいつ”のことを考えないで・・・。
私を見て”あいつ”を想わないで・・・。
いずれ”あいつ”のところへ行ってしまうのなら、その時が来るまでは・・・夢を見
させて。
「いつかあいつの・・・ムウのところへ行ってしまう私が憎くないのか?」
「憎いです。貴方ではなく、貴方をそこまで自分に執着させるその男が・・・それで
も仕方ないじゃないですか!!貴方が、好きなんだ・・・っ!」
抑えきれない想い。溢れ出て、溢れ出て、誰かが汲み取ってくれるわけでもなく。
留まるところを知らず、ただ流れ出る想い。
貴方も私も、同じなんだと気付いた。

「男とは、厄介な生き物だな。女ならもっと上手くやるだろうに・・・」
本能のままで、想いを告げる。
貴方を私に引き止めておくには、ああ言うしかないと思ってた。
「誓うよ、アデス。お前といる時は、私はお前だけを見る・・・だからお前も誓って
欲しい。こんな私を、”いつかその時”まで愛していると・・・」
「・・・誓います、”いつかその時”までだなんて言わずに、一生貴方を愛すると・
・・」



本当の幸せがどれかなんて 自分で決めればいい
貴方が他の男を愛しているなんて 私には耐え難い事実
それでも私も貴方を愛しているから
辛くても捨てられない想い
貴方はきっと笑うんでしょうね

人は何と愚かな生き物だろう と












アア(〃∇〃) アデスの愛は熱くて優しいです〜///
その愛で満足できれば、隊長は幸せになれるのですが///
でもキケンな男の匂いに、本能で焦がれてしまうので(〃∇〃)
でも隊長は総受けなので、色々な愛をたくさん与えられるべきですから!(当然。)
隊長を幸せにしてあげて。フラガ!(アデスは…)


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