「ザ・スニーカーCDコレクションザ・スニーカースペシャル」
『ラグナロク EX.べトレイヤー〜裏切りの報酬』

レポーター紫水さまv

ラグナロクのドラマCD1では、色々意見が分かれる出来でしたが
『ラグナロク EX.べトレイヤー〜裏切りの報酬』はキャラクターらしく、キャスト側
が作り過ぎているにしても、良いのではとの、SHURAN萌え的に重要なレポートをいただきました!



  
ザ・スニーカー創刊10周年記念スペシャルドラマCD応募者全員サービス

安井健太郎原作「ラグナロクEX.べトレイヤー」角川スニーカー文庫より



  < 内容 >
ドラマ本編、
ボーナストラックとして声優コメント
貴重な幻の「ラグナロク」ラジオCMを収録


  
  <応募方法>
「ザ・スニーカー2003年12月号」専用払込用紙にて応募
商品価格¥1300  締切2003年12月26日

既に応募は終了していますが、問い合わせればまだ手に入るかも
「レンテンローズ」のように、以下問合せ先です。
一般での販売は無い様なので。

  <問合せ先>
「J・L・Sザ・スニーカードラマCD係」
tel03−5214−6981  10時〜12時 13時〜17時土日祝祭日を除く
              
fax03−3262−8218  24時間受付 
               お問い合わせ内容、返信FAX番号とお名前を記入




  <キャスト>

リロイ   関 俊彦
ギルドの傭兵 SS級の凄腕 直情径行、お人好しだが、罪深き人々を傷つける無法者には容赦しない。後にフリーランス。

ジェイス  家中 宏  
リロイの相棒 リロイを内心苦々しく思いながらも友であったが…

サンドラ  倖月 美和 
女傭兵 リロイの姉貴分 5〜6歳は年上





  <内容>

     「失ったものは、もう… 戻らない」

傭兵の失踪事件を追い、ギルドの暗部を知ったリロイとジェイスに放たれる剣客の群れ。
強大な力を前にしたときでも、徹底抗戦を辞さないリロイに対し、ジェイスがとった選択とは…

ジェイスの葛藤、リロイの悲哀、そしてサンドラとの惜別…
「強い人間」と「弱い人間」のすれ違いが、絆を砕く。
人間の苦悩を描ききった「EX.」最高傑作の呼び声も高い「ベトレイヤー 〜裏切りの報酬」がついにドラマCDに!!  「サ゛・スニーカー12月号より」




既に発売されている「ラグナロク 灰色の使者」の、ジェイス絡みの短編です。
が、「灰色の使者」より良く出来ていると思いましたのでご紹介します。


関様のリロイが主人公ですが、今回は、ジェイスの語りです。

CDの内容は前出の雑誌の、紹介というか、あおり文句のように、大体原作通りです。
少し削除ありますが、短編なので脚本化しやすかったのではないでしょうか?楽しめました。

「灰色の使者」はエピソードや登場人物など再構成されていました。
音で表すには難しい内容だったかも…普通には、良い作品と思います。

作品の出来は絶対お勧め、関様最高!!!とまでは…
関様に最高のキャラ表現を求めてしまうのですね…

そこで、それほど読者全員サービス版は期待せず、2月末ごろに送られて来ていたのですが、多分其の侭にしておきました。
其れが、こんなにやられるとは思いませんでした。不意打ちとでも申しましょうか?

「ベトレイヤー」ではリロイのセリフは原作通りで少な目ですが、最後で余りの悲しさに、涙しました。
原作を読んで「辛いよね?リロイ?」と思いましたが、
今回、関様の声が入って余りの打ちのめされた様子に、驚きました。
「作りすぎ?」とも思えるのですが、関マジックにしてやられましたね。(笑)


 <問題箇所>

ジェイスは、絶対逃げられないものと対峙してしまったのだ。見せ付けられてしまった自分自身の心の闇…

「自分の限界を知れ、出来ないことを出来ないと認めるのは決して恥じゃない。」
「君の時間は、残り少ない…」
ギルドの裏の顔を見てしまい、敵対することになったリロイとジェイスとサンドラ。ギルドの抹殺指令から逃れられるのか?

「君が生き残るには、彼、リロイ・シュヴァルツァーを我々に売るしかないということだよ。命は惜しいだろう?」


リロイは、ギルドを潰さなければ気が済まなかった。
ギルドの組織を必要としている人間はどうなるか?一人では生きていけない人もいるのだと言われてもリロイは断固たる姿勢で言ってのけた。

「こんな組織に頼らなくても、人は生きていける。生きていけないと決めてしまうんなら、そこまでの人生だったんだ!!!」

「俺は…」
このままギルドに逆らい、巨大な組織に押し潰される幕切れか、S級の地位と<ヴァルハラ>での厚遇か。サンドラの死に顔と最後の言葉を思い出していた。生きろ、か…。


「ジェイス?」

不思議そうに名を呼ぶ。先の怒りを露わにした凄味の声から、呆然と、言葉の意味を図りかねたような…
何時も、自分と行動を共にしてきた、振り向かなくとも後ろに付いてきた、ジェイスが見せた躊躇いが理解できなかった…

「ギルドは必要だ、リロイ」

「はっ!」と息をのむ声。

「お前には、不要かもしれない。だが、必要としている人間もいる…」

「ジェ、ジェイス? おまえ… 」
震える声、小さな声、魂がそこにあらずと言ったような儚い声。

「剣を引けよ、リロイ。もうここまでだ。」

「な・何を言ってるんだ、お前…」
更に声が震える。

「分からないのか?これ以上ギルドに逆らうってんなら、俺が相手になるって言ってるんだ!!」
裏切りの宣告だった。

「な・・あ・あ…  」
漸く理解できたのか、声も出なくて、ただ、息だけが…震える。

ジェイスはこれほどリロイを驚かせたのは、長い付き合いだが初めてだろう。
だからこそ、彼の次の反応が予測できた。
彼は、敵だと判断したら、容赦なく攻撃してくることを。
そして自分が、死を覚悟していることを意識した。

「!… リロイ…?!」
今にも泣きそうな顔で俺を見つめていた。其れは初めて見る、表情で…

なんて顔しやがるんだ、ちくしょう…

「俺は、やめる」

リロイの魂が抜けたような、かすれた、小さな、囁くような呟き
いつもの怒りの攻撃は無く、剣を戻す。

「俺は今日限りで、ギルドを辞める、後は、好きにやってくれ」
「本当は、いつギルドをやめったってよかったんだ。 ただ、サンドラとジェイスがいたから俺はギルドを辞めなかった…
 其の二人がいなくなった今、ここに俺の居場所は…  ない…」

ジェイスは、リロイが立ち去った後で、ようやく気づいた。

命以外の全てを、失ってしまったことに…
そして、ふと考えた。
裏切りの報酬は、いったいなんだっただろう…

俺は吐き捨てた…

リロイを売る事を勧めた者が訊ねた「二つ名は決めたかい?」と…

「<裏切り者〜べトレイヤー>…とでも呼べばいいさ…」





無敵の傭兵のリロイ。
ジェイスの言葉一つで、直前まで、男らしく、自分自身の力を信じていた態度が、声が、崩れた。
裏切りを、大声で、怒りもなじりも泣きもせず、ただ…悄然と立ち去った。

ジェイスだけが全てを失ったのではなかった、リロイも命をお互い預けていた、相棒を失ってしまった。
自分の行動の基盤を取り払われたかのようで…信じていたものが無くなってしまった。
きっと、自分でも分からないうちに、ジェイスに存在を認められていた事に安心していたのかもしれません。そして、必ず自分の背中についてくると信じていたのですね。

この場面だけのために今迄があったのね、と泣きそうになりました。

小さく、かすかに震える声がとてもいとおしくて、何度も繰り返し聞きました。

こんなに、力のない弱々しい声に最近余り出逢ったことがない様な…
ダブルS級というスペシャルな傭兵で、筋肉も有り男らしい身体のキャラクターなのですが
一瞬にして脆くも崩れ去るところが堪りません。ここだけで、この作品が好きになってしまいました。(恥)


声の表現の力とは素晴らしいものだとつくづく思いました。
とにかく関様は上手いなあと思いました。


**
特典もお勧めです。

キャストコメントでは、ジェイス役の家中宏さんが
「関さん!大変お世話になりました!」と、
開口一番。何をお世話したのやら?と思いましたね(笑)

また、ドラマCM(5分弱)が面白くて。
リロイをけなしまくりのラグナロクとリロイのCM漫才と、キャラ全員から「リロイとやらせて欲しい」と熱いラブコールのメッセージ付きなのです。リロイもてまくりなのです。


以上、ドラマCD一つでも奥が深いですね、監督さんの感性と受け手の感性が合えば最高に思えるのです。
視聴者とはなんと我儘かと思います(笑)

おそまつさまでした m(_ _)m




萌えなレポートありがとうございました(≧∇≦)//
ラグナロクのリロイは、ドラマCD1では、関さんがキャラを掴んでないっぽいコメントもされていて
皆様からいただいた感想が、作品的に煮え切らないという感じのものが
多かったのですが、こちらの短編の方が、すっきりジェイス×リロイなんですね!(←そこか…)
心打つ台詞…それこそが関さんに望んでいることなので〜//
作り過ぎとかは、ちょっと心配な部分でもあるんですが、まだまだこれからと思うのでv
是非良い感じに、リロイをがっちり掴んでいただきたいと思いますv

←関さんキャラ&イベントレポート