今西弘樹は、OVA「緑野原迷宮 SPARKLINNG PHANTOM」の主要メンバーの一人です。このOVAは1990年5月25日、当時人気のあった漫画家、星野架名の原作を得て発売されました。当時は空前のOVAブームだったそうで、幾つものマンガがアニメ化されたそうです。
そういう背景があってか、後にこのアニメを見た人の多くは「ストーリーが解りづらく、完結していない」印象を抱きます。原作を読んでからでないとダメなんですね。しかしその中で関さんのお声は、荒削りではありますが相変わらず光っておられます。ファンにはこれだけでも見る価値があるのですが、お話が分からない、という方の為に少し原作の弘樹について説明しましょう。
「緑野原迷宮」は、星野架名の人気シリーズ「緑野原学園シリーズ」の中の一編、「弘樹−春咲迷路」を原作に作られたアニメです。
ある日弘樹が悪霊ファレに魅入られ交通事故にあい、幽体離脱してしまいます。しかし見下ろす自分の体は起き上がり、もう一人の「今西弘樹」として生きている・・。体から放り出され相棒の彼方に助けを求めますが気付くはずも無く、弘樹に光を求めた悪霊ファレは死の世界へと弘樹を引きずり込もうとする・・・。弘樹と彼方の繋がりを描いた、要約するとこんな感じの話です(説明不足)。
原作の緑野原シリーズは、主人公達の通う緑野原学園を出発点に、次々と起こる不思議な出来事と、主人公たちがそれを受け入れたり、戦ったりしながら過ごす日々を描いた青春SF(?)です。主要メンバーは6人、その中でも重要な人物が、今西弘樹と時野彼方なのです。
今西弘樹は黒髪の元気な少年で、宇宙飛行士を目指すという夢を持ちながらも、偏差値という現実に苦しむ高校生(笑)。
エリート一家の末っ子で、上に4人の兄姉がいて、反発してか中学生のときは不良だったらしく、エリート一家に嫌気が差して家出します。そしてもう一人のはみだし者、姉の彩子のマンションで暮らしていました。
しかし高校で幼馴染の彼方と再び出会ってから、飾らない天真爛漫な本来の彼が顔を出します。弘樹にとって彼方はかけがえのない「親友」で、「相棒」なのです。彼方にとっても弘樹は無くてはならない存在で、どちらが欠けても物語が成立しなくなってしまうのです。そこに様々な不思議が絡んでくるんですね〜!
時野彼方にはある秘密があるんですが、これはネタバレになっちゃうので伏せておきます。あまりにも重いその秘密を、弘樹は真摯に受け入れ、
「俺はいつだって彼方が好きだから」
とまで言ってのける大した奴です。
「ワンダーフェイセス」という短編では、弘樹の彼方に対する気持ちが恋なのか友情なのか分からなくなる・・・というおいしい展開が(笑)!そして姉の彩子の結婚後、弘樹と彼方はマンションで同居しています。
・・・・まずい、これじゃ弘樹×彼方だ!とお思いの方、ご心配なく。
彼方の方が勝気で、性格は多少キツイです。さらに彼方には「黒の鍵」という別人格があって、こっちは文句なしに、絶対サドですから(笑)。
他にも主要メンバーの残り、彼方の事を大好きな真性同性愛者(?)、飯島正義、映画監督になりたくて自主映画も作る高橋秀一と、その恋人でロシア系ハーフのメガネ美人霧子・オルローワ、その親友で漫画家志望の吉川笛子が脇を固め、弘樹たちの世界を魅力あるものにしています。
「・・・あたしの場合は弘樹君と彼方君の二人に恋してるんだから、マジで」
とは、先の吉川笛子の言葉です。笛子は二人で一緒にいる時の二人が、好きで好きで仕方ないんですね。その位良いコンビなんですよ。ちょっと同人女の心情に似てなくもないかも・・・(笑)。
皆様には原作を読んでからOVAをご覧になることをお勧めします。
もう見ちゃったって方も、関さんの声を想像しながら原作を読んでみると良いですよ〜v新しい世界が目の前に広がる事請け合いです(笑)。
「弘樹春咲迷路」・・・花とゆめコミックス・星野架名 もう古本屋にしかないです(汗)。100円くらい?
「Psiクロンドシンドローム(ワンダー・フェイセス収録)」・・・同上
お勧めは「青い銀河の夜明け」、これは150円くらいするかも・・。