原作 車田正美
CV:クワトロ=関俊彦
フォー(鳳?)=一条和也
少年クワトロ=坂本千夏
B'tロレッソ=相沢正輝
ナレーター=堀内賢雄
仲間と共に機械皇国を潰しに行く途中、フォーは自分の故郷の廃墟ソドムを通過する。
そこは因縁の土地、青春と裏切りの地・・・・・束の間の過去を現実が切り裂いた。
幼友達だった二人。
クワトロとその妹リリー、そしてリリーが淡い想いを寄せるフォー。
過去、その地は機械皇国によって戦場と化し、クワトロとその妹はいつものように教会で祈りを捧げていた。
先に両親を亡くしていたフォーは、この兄妹のように神を信じず教会にも足を運ぶことが無く、その爆撃の難を免れた。急いで探しに行く彼の前に、クワトロは片腕に重症を負い、リリーは命の危険が迫っていた。
「生死の境を彷徨う妹が呼んでいるのは、フォーお前だ。励ましの言葉を・・たのむ!!」
リリー:「フォー、夢を見ていた・・フォーのいつも吹いてくれていたハーモニカの曲、なつかしい曲の名前教えてくれなかった・・何の曲だったのかしら?」
クワトロ:「天使の歌だよ、リリーを励ましてくれているんだ・・」
クワトロ:「フォー、たった一言、天使が希望を失うなと励ましていると・・・・お願いだ・・・・」
フォーの肩に縋って願うクワトロ・・・
リリー:「もう騙されない・・・希望なんて持てない・・・お兄ちゃんの嘘つき・・・」
友に励ましの言葉を頼むクワトロ、しかし・・・
フォー:「リリー、天使の歌なんて何処にも聞こえない・・・」
リリーはどのように聞いて息をひきとったのか・・・・
「!!!」
「リリー!!!」
「フォー、お前は・・・リリーを絶望させた、生きる希望を失った・・・生きる希望を失わせた・・・」
リリーの墓の前で言い争う二人、そこへ再度の攻撃があり、二人は倒れ、機械皇国の者に救い出された・・・・
そして、今日、この因縁の地で幼馴染達は敵として出会ってしまった。
フォーは美しき長い天使と見まごう程の見事な金髪。そして青い瞳。
対して、妹の死を乗り越えられず、全てはフォーが自分が頼んだ通り、最期の言葉を告げてくれなかったことへの恨みしか見えていないクワトロ。機械皇国の皇帝直属の親衛隊の一人になった彼はフォーと反して、恨みと絶望の色、漆黒の長い髪を持つ。瞳は意外にも近くで見ると優しい緑色。
そしてそれぞれの戦いのパートナーのビート達。
フォーは真紅。
クワトロ様と呼ぶ機獣の名はロレッソ、漆黒のパートナー。
フォーはクワトロの妹への思いを知っているから、そして自分がかつてしてしまったことを罪と思っているから、彼の気が済むのならとフォーのパートナーの機獣ビートも倒されたかと思われたが、フォーの奏でる曲に炎の中から蘇った。倒れ伏したフォーの手にヴァイオリンが握られていた。彼は幼い頃どの楽器も上手に演奏出来た。
今、音楽の天才フォーが、瀕死のフォーが奏でる曲の音色は増幅され、その音色はクワトロもそのパートナーのB'tロレッソをも金縛りにし、戦力を失わせ、倒した。地上に叩きつけられたクワトロ。
血を吐きフォーに告げる。
「さぞ気分いいだろう・・・お前の勝ちだ・・・フォー、とどめを刺せ!」
「必ず戻って来るよ。罪を償うよ・・・」
傷つき最期の時を待つクワトロを抱き寄せ、フォーはずっと持っていたリリーの、クワトロとお揃いの首飾りを手渡した。それを見て驚くクワトロ・・・
「貴様を決して許さないからな・・・・・」
「嘘をつけ、――もう・・すでにお前は・・・もう許している・・・」
と、優しい声で告げる。フォーはクワトロを抱き寄せる。今にも青い瞳から涙が溢れそうだった・・
クワトロは友の言葉にあがらう事無く、微かに笑みを刷き絶命する・・・まるでこの友の手に掛かって死を迎えたかったのかと思わせるほどの穏やかな笑みが浮かんでいた。
「――!!!クワトロ!・・・・」
友が自分の腕の中で息絶えて逝く・・・・名前を呼んでももう幼馴染は戻らない。
横たえた友の胸にはフォーの涙が零れ落ちる・・・
使命のために倒した旧知の敵のお墓を妹の隣に作り、お揃いのペンダントを架けてやる。
弔いの風がフォーに吹き付ける・・・・
そして、フォーの心の中にクワトロは一生抜けることのない楔となって、忘れ去られず存在することになった。
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趣味と偏見の感想の産物です。
クワトロ=関俊彦様のキャラは、敵キャラでした。
まさしく正義に対する敵、そのものと思えるキャラクターなのです。
それでも幼い頃に妹の為に、友に肩に縋って頼む姿にはときめきます。
最期に、命を狙った友に返り討ちに遭いながら、最期はその待ち望んだ憎き敵ともいえる幼友達の腕に抱きかかえられ絶命する、この場面だけで私は大満足です。
友に、許さないと言い、友にもうすでに、許していると応えられ、笑みを浮かべるこの最期は堪りません。亡き友に勝者が万感の想いで流す涙。これがあって救われました。
抵抗せず、自分の罪だ、と、友からの制裁にじっと耐える、正義の味方キャラより、こうしてしか再会出来なかった、親しく、言葉を掛け合うことの出来ない、キャラの辛さに惹かれます。
素直に、昔のことの侘びも言えない、頑ななキャラクターの強がりと脆さが辛く感じてしまいます。惚れました。
もう、誰が主役かなんて・・・・主役は弱くてお邪魔虫、足手まといに出て来ただけで、挙句に二人の仲に入れず。とぼとぼと立ち去るしかなくて・・・X〜〜っと助けを求めていました・・・
原作を知らず、この後の回も見ずに感想を書くという無謀なことをやっていますが、不思議なことに「これでもういいや」と思わせる出来の満足したお話でした。
とんでもない、聞き分けの無いキャラという先入観もあり、どきどきしながら見ていました。話の作り方キャラクターの立て方など古い感じはしました。原作の制作年代がちょっと気になりました。アニメは1997年製作物。作者の好みと今の要求されている少年像と隔たりがありそうでした。悪は悪らしく、正義は正義らしく、見た目もすぐわかって・・・あ、話ではなく、キャラの絵柄かも知れません。聖闘士星矢の作者さんで
した?
何も知らなくて勝手な解釈で恐縮です。
でも、突っ込みたいところは沢山あります・・・
が、主人公に向かって仲間のフォーが「かつての私の友に他の者には手出しはさせん。私が討ち果たす・・・」と言うようなセリフまで言ってくれたり・・・・
どきどきさせるところは沢山あって、なかなか・・・
関様が主人公を隅に追いやり活躍しているのが、幸せな気持ちにしてくれた作品です。
感謝感謝!!
以上です。機会があればまだ皆様、ご覧下さいませ。
←関さんキャラ&イベントレポート
萌えレポートありがとうございました!!
クワトロがフォーに逆恨みしてる理由があんまりだったので、見ていてこれは…どうしたら…と
思ったりする部分もあるのですが、フォーとクワトロの最後のラブラブっぷりにやはり萌えでした!
ずっと聞き分けないかと思っていると、絶望感と親愛のないまぜになったような
感情の吐露をクワトロ様の短い台詞から感じ取れたりして、流石関さんでした!!
ラストは…ですが、一緒に見ていた友達から
「大丈夫! 車田作品だから、
埋められたって簡単に復活するから!」
と慰めてもらえました(^^;
紫水さんのレポートで、萌えも増幅!可愛い人にしか見えなくなったので
ぜひフォー×クワトロ作品募集させてくださいッッッ//簡単に復活〜☆