ロップス×アポロ♪

小説 吉野様

『分かれ道〜君がいる方へ〜』



自由な旅人アポロと可愛い魔物ロップスは今日も気の向くまま風の向くまま旅をしておりました。

そのアポロ、実はとある財閥の御曹司なので将来は財閥を継ぐことが生まれた時から決まっていました。

アポロは決められた将来に逆らうより、今を存分に楽しむことで幸せを得ることを選んでいたのです。

それがアポロにとって『旅』なのです。

その旅の途中で出会った可愛い魔物ロップスはアポロを更に幸せにしてくれました。

アポロはロップスを好きになりましたし、また、ロップスもアポロを大好きになりました。

二人は一緒にいるだけでとても幸せな気持ちでした。

その二人を邪魔するかのように敵対する魔物が現れたりもしましたが、二人はするりとかわしてきたのです。

ですが、お天気の良いある日、アポロにかわすことの出来ない人生最大級の分かれ道が現れるのでした。



「ああ!ロップス!!」

森の湖畔を楽しげに歩いていたロップスが誤って湖に落ちてしまいました。

普段のアポロならその程度、予測できそうなものですが思いがけず魚釣りというものに熱中していた為、気付くのが遅れたのでした。

アポロは釣り竿を放り出すとロップスを助けようと自分も湖に飛び込もうとしましたが、その前に湖が金色に光り出したのです。

「な…?ロップスー!?」

「あっはっはっはっは!落ち着きたまえぇ!君の大事なものは無事さ!」

そんな悪役のような台詞を何とも事態を軽く見た口調で語るふざけた印象の男が湖の中から姿を現しました。

長めの金髪、白いシャツに赤いブーツカットパンツは水浸しで、いつから潜っていたのか顔色が悪い男です。

むしろ彼の方が大丈夫ではないように思えました。

「だ、誰だ、君は?」

「私は湖の精フォルゴレ!鉄のフォルゴ〜レさ!」

どっちだよ、というツッコミはさておき、アポロはロップスの事を聞いてみることにしました。

「君はさっき言ったね?僕の大事なものは無事だと。ロップスはどこにいるんだ?」

「ああ、言ったともっ。君は選べばいい!君の大事なものを!」

「え?」

「1ロップス・通常バージョン!2ロップス・人間バージョン年下攻編!3ロップス・人間バージョン大人攻編!」

「………は?」

「さぁ!君が落としたのはどれ!?もしくは、オトしたいのはどれ!!!!?」

フォルゴレがそう叫びながら両手を広げると、そのロップス達が湖の上に並んで現れました。

1ロップス・通常バージョンは確かに通常バージョンです。カーウカーウと愛らしい声でアポロを呼んでいます。

2ロップス・人間バージョン年下攻編は白のブラウスにテントウ虫模様の半ズボン(サスペンダー付)を着た、可愛らしい少年でした。

ですが、目は攻です。絶対、攻です。上目遣いでひたすらアポロを見つめています。

Bロップス・人間バージョン大人攻編は赤のワイシャツに黒のスーツと黒のネクタイという格好をした、童顔の青年でした。

ですが、目は攻です。絶対、攻です。たれ目で少しアポロを見下ろす形で見つめています。

「ど、どういう…ことだ!?」

アポロは赤い顔でフォルゴレを怒鳴りつけました。フォルゴレは何故だかとてもイイ笑顔でスイーッと湖の上を滑り、

アポロの居る湖畔まで上がってきました。

「簡単なことだろうっ?君が何を落としたのか私は知らないからこの辺かな?と思うものをいくつか並べてみた。

 君は選べばいいのさっ。大事なものをねっ」

「ロップスは一人しか居ないのにロップスを色々と作り上げるな!」

アポロがグイッとフォルゴレの胸元を掴むとフォルゴレはそのアポロの顔を両手で包み込みました。

「選べない?何だったら私を選んでくれても構わないぞっ?」

「な、ん…っ!?」

フォルゴレはアポロにキスをしてそのまま抱きしめてしまいました。

湖の上のロップス達は抗議の声を上げながら駆け寄りましたが湖畔には上がってきませんでした。

「っや…っロップス!ロップス!!」

「あはははははっっ、だめだめっ。あいつらは選ばれないと湖からは出られないんだっ」

アポロはフォルゴレに抱きしめられながらもロップスの方へと手を伸ばしました。

「僕はとっくに選んでる!…おいで、ロップス…愛してるんだ」

アポロがそう言って穏やかに笑った次の瞬間、フォルゴレの腕の中にアポロの姿はありませんでした。

代わりに湖から抜け出したロップス達がアポロをしっかりと抱きしめていたのです。

「やれやれ…三人の相手をするのは辛いだろうから私を選ばせようとしたのに。後悔しないのかい?」

「後悔?何故?」

アポロは真っ直ぐな挑むような瞳をフォルゴレに向けました。

フォルゴレは苦笑を返すと、ひとり、湖の中にざぶざぶと戻っていきました。

「…案外、良い人だったのかもしれないね、ロップス」

「カーウッカウ!」

アポロの言葉に賛同しかねるようにロップス達は顔をしかめました。

ロップス達はフォルゴレがアポロにキスしたことが大変気に入らないのです。

「うん?ああ…でも、初めてのキスじゃなくて良かったよ」

「カウ!?」

「覚えてない?君と会った初めての夜、寝付けない君によく眠れるおまじないだとキスしただろう?実はあれが僕のファーストキスなんだ」

そう言ってアポロはロップス達にキスをしました。

少年ロップスには額に、青年ロップスには右頬に、そして、慣れ親しんだ姿のロップスには口元に。

ロップス達は更に力強くアポロを抱きしめるのでした。

それから四人は仲良く楽しい旅を続けるのでした。

めでたし、めでたし。




ーおまけ・夜の分かれ道ー

アポロは毎夜、ロップス達に選択を迫られます。

1対1の3ラウンドか、4Pで1ラウンドか。


さぁ、意味の分かる方だけ妄想して下さい(笑)。







にゃーーーv
ロップス×アポロにほんのりフォルゴレ×アポロv
ありがとうございます!
可愛いけど目が攻め!(笑)攻めロップスがいっぱいで
パラダイスですv
魔界に帰ったロップスは、アポロを迎えにくるために
必死に成長してくれてるだろうと妄想してますv
また是非アポロさんを書いてやってください(〃∇〃)

←関さんキャラ総合コーナーへ

←SHURAN目次へ