手折られた青い百合

台詞から手繰るヒューの人物像レポート♪
レポーター 紫水様

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関俊彦さんが演じる予定の男娼の『ヒュー』
彼は一体どんな人物なのか…
原作のヒューの台詞抜粋からキャラを掴んでみるというアプローチはいかがでしょうか//
お気に召したら原作も通して読んでみるのも良いカモですv





歓楽の都シリーズ     駒崎 優原作  角川ビーンズ文庫

ドラマCD 手折られた青い百合」
(2004,10,27発売予定…もうすぐ発売です!の発売前ながら、関=ヒューの言葉を中心に書き出し。

ここから、彼のこの物語における性格、考え方、立ち位置、役割が分かれば幸いです。
以下に書き出します。

この中からどれぐらいのセリフが採用されているかどうかで、
シナリオライターや監督の考え方が分かるでしょう。
 


   

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登場人物

 レイ(レイナルフ・バルト=レイナルフ・バルト・スチュワート・バーロウ)=三木眞一郎(レーンの医師)
 ショウ=桜井 孝宏(黒髪、青い瞳を持つ19歳 レーンの宝石) 
 ヒュウ=関 俊彦 (ダークブラウンの髪、緑の瞳を持つ24歳 同上 )
 その他


レーン、それは、国と国王によって認可された自治区。別称「歓楽の都」。政府公認の売春組織体。
娼婦、男娼の公娼たちはここでは「宝石」と呼ばれる。
より選りの宝石たちの住む場所が金の城である。
そして、ここでは、秘密は厳守、世間のしがらみ等は一切不問、問題は金のみ。
よって、政治を左右する機密のやり取りさえ行われ、事件に巻き込まれる宝石たちも存在する。


今回は国王の暗殺を防ぐことが出来るのか?
怪しげな薬の存在とは?
ショウとレイはこのまま別れるしかないのか?

命の危険を顧みず、レーンの街を、王の待つ宮殿へ――宝石は輝き続けられるか?


「もし、陛下がレーンを訪れてくださるのなら、宝石たちは喜んで、陛下のお相手を務めるでしょう。王后陛下にはお求めになれないようなことでも、お望みなら、我々は何でもいたしますよ――ただし、陛下が財布をお忘れにならなければですが

と、国王に宝石は告げたエピソードはレーンを良く表しているのではないかだろうか?


 *****



さて、ヒューの言葉を記していこう。



ショウの部屋に、もう一人、金の城の、2階の住人。
優雅な長い手足を持つ、、群を抜いた美男子。その目にあるのは愛想笑いでなく・・・

「青い百合のついた箱ね」
「二週間くらい前かな、一粒の目と言われたよ」
「あいにく、名前は聞いてないな。サー・ウィリアム・ベネットのパーティだった。商人だって言ってたかな。多分、調べれば名前も分かるよ」
「飲むかよ、そんな、得体の知れないもの」
「本当は媚薬だって触れ込みなんだろう?」
「本当に、イイのかね?」
「何にせよ、ああいうのは気休めだよ、ドクター」
「あんたはまだ、ここに来て日が浅いから深刻に受け止めちまうんだろうけど、レーンと媚薬は、切っても切れない間柄だ。俺はこの仕事を始めてもうすぐ6年になるけど、みんな、次から次へと、新しい薬を使いたがるよ。いちいち相手にしてらんないね。幾つか飲んだり、匂いをかがされたこともあるけれど、効いたと思ったことはないな。ショウは?」
「嘘つけ。俺なんかよりずっと長く、ここに住んでるくせに」
「相手がうまければ、媚薬なんか使わなくても気持ちいいわけだし、下手だったら、演技力を要求されるだけさ。
「レディの身支度を待つのは、男の務めだからね」
「男三人で、上品に世間話をしているはずはないだろう?楽しく猥談してたさ」


「あの、例のやばい奴さ」
「青い百合の。あれが、堂々とまかり通ってた。それで、効き目絶大って事になってる。呆れたね」
「世間知らずだね、ドクター」
「歓楽街の医者の言うことなんか、外の警察が、深刻に受け止めると思う?」
「パーティで浮かれている輩は,効果絶大の媚薬を飲んで、人が死んだなんて話は知らないよ。もしかしたら死人が出たのは、レーンの中だけなのかも知れないな。あるいは、上流階級で出た死者は、何か、他の病気が死因だってことになっているのかも知れない。彼らは、媚薬とか何とか、怪しいものが大好きなくせに、そんなものを飲んだなんて、絶対認めようとはしないから」
「だが、あんたは異端児だろう、ドクター?」
「ここは、本当は、貴族の坊ちゃまの働くような場所じゃない」
「ここで働きたいのなら、ここの流儀を学べってことだよ。あんたはちょっと鈍すぎる。宝石に、強姦されたことがあるかなんて、不用意に訊いたりするもんじゃないぜ」
ここにいる宝石の半分は、客に暴力を振るわれたり、強姦されたりした経験がある。興味本位で、他人の心の傷を抉るような真似をするのは感心しないな


「奥様、そろそろお戻りになりませんか?」
「部屋で、甘いシェリーでも」
「お客様、女性を口説きたいのであれば、もう少し礼儀をわきまえていただきませんと」
「失礼、奥様」
「それをどこで手に入れた?」
「ここでのルールを守ろうとしない輩は、客でも何でもない。ただの侵入者だ。レーンに侵入して宝石や客に害を為す者は、他の法律に関係なく、レーンが処理していいということになっている。」
これは、人を殺す薬だ。こんなものをレーンで振りかざす奴は、八つ裂きにされても文句は言えない。判るか?今この場で、俺が今貴様の手足をもぎ取ったとしても、誰もお前を助けないし、誰も俺を咎めない。お前の死体は灰になるまで焼かれて、川に流される。それが嫌なら、大人しく、これについて知っていることを、彼らに全部話すんだ、いいな?
「お待たせしました、奥様」


「よう」
「・・・・・・大丈夫か?」
「さっき出て行った、金髪の子か?」
「健気だね。うまいこと誑し込んだな」
「おい・・・・・」
「いいじゃないか。お互いこんな商売だ。女の子に、淡い夢を抱かせてやることの何が悪い?仕事から離れたところで、綺麗な恋愛の一つや二つ、してみたい年頃だろう?優しくしてやれよ。へるもんじゃなし」
俺だって何人の女を泣かせているやら
「それはそうとな」
「お前はまだ聞いていないかも知れないが、昨夜俺は、例の薬を持ち込んだ上に、他の客に迷惑行為を働いた不届き者を捕まえた」
「そうさ、見せてやりたかったぜ。右ストレートが見事に決まって、一発で仕留めた。それで、そいつは事局へ連行されていったんだが、尋問の結果何やら面白いことを喋り出したらしい。これからそいつを聞きに行くんだが、一緒に行くか?」
「よし、じゃあ、着替えてこいよ」


「――あの怪しい薬を買い込んで?」
「船主を逮捕させろ。絞首台に送ってやる」
「役立たずめ」
「問題は」
「肝心の男爵その人が、行方を晦ましてるってことだな」


「ちょっと待てよ」
「どうした?またあの鈍い医者に、何か言われたのか?」
「だがともかく、彼が絡んでいるんだろう?」
「――それは知ってる」
「で?――そうしたら?」
「・・・・・馬鹿だな・・・・」
「あんな唐変木の医者なんかじゃなくて、もっといい男に惚れてりゃ良かったのに、俺みたいに」
「酒の相手が欲しいか?」
「そうだな」


「知ってるぜ。ショウを振ったって?」
「かわいそうに、あの日、あいつ、泣いていたよ」
「一体あいつの何が悪いって言うんだ、え?ドクタ−?よもや、身体売ってる野郎なんか、汚らわしくて触れねなんて、言うつもりじゃないだろうな?」
「ケツの穴の小さい野郎だな」
男だからなんだ?あんた、ここがどういうところか、判ってきてるんだろう?
「現に一回、ショウと寝ただろう」
「ドクター、あんた、勘違いしてる」
「ショウが、ベッドの相手に不自由してるとでも思ってるのか?冗談じゃない。あいつは、あんたを裸に向いてどうこうしたいなんて、そんな事を考えてるわけじゃない――ま、絶対したくないと思ってるわけでもないだろうけど、あいつがあんたに求めてるのは、そんなものじゃない。あいつはただ、家族がほしいだけなんだ。落ち込んでるときに抱き締めて、慰めてくれる相手が欲しいだけなんだよ」
「大体、あんたは頭が固すぎる」
「想像してみろって。抱き締めて、キスするのに、男も女も、そんな違いがあるか・・・・・?・・・!・・・

「そんなに気持ち悪かった?」
「抱き締めて、キスしてやればいいんだ。それだけのことじゃないか。ショウはそれ以上のことを求めたりはしない。簡単だろう?」


「レイは、お前とキスした言っていったんだろう?」
「そこまで言っちまってから逃げ出すのは、同考えたって順番がおかしいじゃないか。もし本当に、それで怖じけづいったてのなら、俺が奴の鼻の骨をへし折ってやるけどな」
「第11代フラム侯爵ロバート・ジョン・ローレンス・アレキザンダ−・バーロウ」
「妻エリザベス・メアリー・・・・・長男、長女、次女、次男・・・・・」
「三男レイナルフ・バルト・スチュワート・バーロウ」
「フラム候の三男坊だよ!驚いたね」
「紋章だよ。レイが乗ってったていう、馬車についていた紋章!雄牛と星がついてたって話だっただろう?その二つが入っている紋章を探したんだ。レイは、実家からの迎えの馬車に乗ったんだよ!」
「理由はこの際どうでもいい」
「居場所が判ってるんだから、乗り込んで行って訊いてみればいいだろう」
「俺達にはそれが出来るだろう?」




ひとまず、レーンは平穏な日々を取り戻した。
そして、ショウの部屋には医学書が積みあがり、僅かな時間を共にする茶飲み友達が出来た。
その様子に密かに安堵する青年がいた。


以上






紫水さんのコメントv
『これを見ながらCDのセリフチェックというのも悪趣味でしょうか?
ファンは少しでも素敵な関様のキャラが増えることを楽しみにしています。
今回も、たらしの声と、心配する、皮肉る、脅しの声と様々に使い分けて頂けるものと、期待をしています。 』
とのことで、ものすごい手間のかかるお仕事ありがとうございます!
作品そのものを読んでいないまま、いつも関さんの出演されてるCD等を聞きますが、
台詞を読ませていただけたので、世界観やキャラクターが掴んでおきやすいですv
全部関さんのお声で入ってきました(〃∇〃)
できるだけたくさんの素敵な台詞がそのまま使われることを祈るばかりです〜
関さんの冷たいタラシっぷりを買いたい相手は皆攻めってことで(笑)



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