アンジェリーク
ゼフェル×ルヴァ様v

小説 帆立真由羽様











おやすみなさい、良い夢を





「よっこらせっと・・・・・あー重かった」
華奢な身体をそっとベッドに横たえ、ゼフェルは大きく伸びをした。
全てが解決し、緊張の糸が切れてブッ倒れたルヴァを、半ば引きずるようにして運んで来たところだった。


「ったく…何が“ちょっと”眠い“だけ”だよ・・・・年寄りのくせに無理しやがって。」
調べものに没頭して、ここのところ一睡もしていなかったらしい。
「ま、あいつのことが心配だった、てのもあるだろうけど・・・・」





夢魔に囚われ、心を閉ざしてしまったロザリア。
彼女を傷つけ、全ての原因をつくってしまったことをルヴァはひどく気に病んでいた。
今日だって、本当は自分が夢魔の世界に行きたかったのかもしれない。
真剣な顔で、オリヴィエにロザリアのことを頼んで、その後も、祈るように様子を見守っていた。

あの時とは打って変わって、今はホッとしたような微笑みを寝顔に浮かべている。
おそらく、ロザリアはルヴァのことが好きなのだろう。
そして、多分ルヴァも・・・・
そう思うと、胸の奥が鈍い痛みを発する。


ルヴァが好きだ


いつこの想いは生まれたのだろう、いつ気付いたのだろう


聖地に来て、何もかも嫌になって周りに当たり散らしていた時も
つい酷いことを言ってしまった時も
ルヴァはゼフェルのことを見守っていてくれた

正直うざったかった時もあったけれど、本当はすごく嬉しかった
特別な力を持っていても、人間なのだ

想いを告げたい、キスしたい、そして、出来ることなら・・・・
けれど、あの時の想いはもう叶わない、胸の奥にしまいこむしかないのだろう
けれど最後に・・・・


「・・・・こんくらいなら、べつにいい・・・・よな?」


眠っているルヴァの額にそっとキスを落とす
部屋を出る前に、もう一度振り返った


「おやすみ・・・・後、幸せに、な・・・・」


ありきたりではあるけれど、自分に言えることはこれだけ・・・・
外へ出ると、自然に口からあくびが洩れる
一騒動去って、明日からまた、いつもの日々が始まるだろう
その前に一眠りしたかった
自分もろくに眠っていなかったことを、今更ながらに思い出したのである。









End




可愛いお話をvありがとうございました〜//
可愛いけれどゼフェルの真摯な思いが大人っぽくてドキドキですっ
真由羽さんのコメント↓
『コミックス『夢魔編』を下敷きにした、ゼフェル×ルヴァ様です。
夢魔編後のゼフェルの反応が可愛くて好きです。ロザリアに対して奥手なルヴァ様に
なんだかんだ言っているのは、「俺はあんた達のことを思ってあんたのことを諦めた
のによ〜(泣)」とかなんとか思っているからでは・・・・
なんていう妄想が止まりませんっ(笑)』
素晴らしい妄想です!!(〃∇〃) ああ〜あそこのシーンはそういうことだったのですねv
ゼフェルヴァ大好きなので、是非にもっと書いていただきたいですv