今日はなぜか寝付けなかった。
しばらくベッドで横になっていたが、起き上がり窓から外を眺める。
窓を開けると気持ちのよい風が吹いていた。
目を閉じてその風にあたっていると、急に手で目を覆われた。
「…だーれだ?」
「オリヴィエですね?」
ルヴァが名前を言うと手をはずした。
「当たり。どうしたのさ、こんな夜中に起きてるなんてめずらしいじゃない?」
「寝付けなかったんですよ。さぁ、どうぞ」
返事を返しながら、オリヴィエを部屋へと入れた。
「じゃ、お邪魔するね」
「オリヴィエこそ何をしていたんですか?」
お茶の用意をしながら尋ねた。
オリヴィエは部屋へ入るとソファへと腰掛けた。
「…私もルヴァと同じ。なんか寝付けなくてさ…」
「そうなんですかー。寝付けないなんてこと滅多にないんですけどね…」
「寝付きよさそうだもんねぇ。私は結構あるけどなぁ」
ルヴァは一口お茶を飲んで溜息をついた。
「何、溜息ついてるのよ。辛気臭くなるでしょ?」
「…こういう夜は嫌いです。なぜか暗い気持ちになってしまうんですよね…」
「じゃあ、なんか楽しいこととか考えれば?」
「ええ、そうなんですけど…」
オリヴィエは立ち上がりルヴァの隣りに移動すると、耳元でこう囁いた。
「…私が楽しませてあげようか?」
「え?」
わけがわからないといった表情をしているルヴァを抱き上げた。
「オ、オリヴィエ!?」
「ほら静かにしてよ。皆が起きちゃうじゃない」
「で、でも…」
「もう、しょうがないなぁ」
抗議の声を黙らせるためにルヴァの口にキスをして塞いだ。
「さぁ、着いたよ」
そこはベットだった。
オリヴィエはゆっくりとベッドにルヴァを降ろした。
「え…まさか…」
「そう。今夜は私が思いっきり楽しませてあげるよ」
そう言うとルヴァに覆い被さってキスをした。
「…しょうがないですね」
ルヴァは諦めたのか抵抗もせずに目を閉じた。
「さぁ、夜はこれからだよ」
2人の夜はまだまだ続く。