簡単に機嫌が直ると思っていたが、オスカーはかなり困っていた。
いくら話し掛けても返事がない。
オスカーにはたいしたことではなかったのだが、ルヴァはかなり恥ずかしかったよう
だ。
「おい、ルヴァ?」
「……」
(困ったな。こんなに長引くとは…)
前を歩くルヴァの後ろ姿を眺めながらオスカーは考えた。
そして、暫く考えてある事を思いつき、ルヴァに気づかれないようにそっと来た道を
戻りはじめた。
一方、ルヴァは…。
(…少し意地を張りすぎましたかねぇ…)
ルヴァも少し後悔していた。
いくら恥ずかしかったとはいえあんなに怒らなくてもよかったのでは?と思い始めて
いたのだ。
(とりあえず謝りましょう。)
そう思って後ろを向くとそこにはオスカーの姿はなかった。
「…オスカー?」
慌てて名前を呼んだが返事はない。
「オスカー!?どこにいったんですか?」
辺りを見回してもどこにもオスカーはいない。
(はぐれてしまったんでしょうかね…?…それとも、こんな私なんてもう嫌いになっ
てしまったんじゃ…?)
ルヴァの考えはどんどん悪い方向へと向かっていった。
オスカーが慌てて戻って来ると、ルヴァは泣きそうな顔をして辺りを見回していた。
「ルヴァ!!」
「…オスカー?」
オスカーの姿を見つけるとルヴァは走り寄ってきて抱きついた。
「お、おい。ルヴァ!?」
予想もしないルヴァの行動にオスカーは戸惑いを隠せない。
「よかった…」
「え?」
「もう、私のことなんて嫌いになってしまったのかと思って…」
「何言ってるんだ。そんなことあるわけないだろ?」
そしてオスカーは強くルヴァを抱きしめた。
「もう黙って何処かへ行かないでくださいね?心配したんですから…」
「ああ、もちろんだ。悪かったな、ごめん…」
ルヴァが笑顔になるのを見ると、オスカーは手に持っていた袋をルヴァに渡した。
「…何ですか?」
「開けてみろよ」
袋を開けると、その中には先ほど歩いていたときに目に止まった時計が入っていた。
普段、本とお茶以外の物にはあまり興味を示さないルヴァが珍しく気に入った時計
だった。
見ていたのはほんの少しだったのだが、それをオスカーは見逃していなかった。
「これは…」
「さっき見てただろ?」
「オスカー、ありがとうございます!」
ルヴァはお礼を言うとまたオスカーに抱きついた。
「…俺は嬉しいんだがいいのか?人前だぞ?」
さっきから2度も抱きつかれて嬉しいのだが一応聞いてみた。
すると、ルヴァは真っ赤になり…。
「いいんです。今回は特別なんですから」
と小さな声で言った。
可愛いルヴァ様をありがとうございます〜(*^∇^*)!!
タラシのオスカーも、ルヴァさまの天然な可愛さには
振り回され、ヤられっぱなしです!(笑)
続編もできるだけたくさん書いてください!楽しみですv(〃∇〃)