魔界之先生×土井先生v

小説 POPO様

『花咲く個人授業v』 

                 

「ふう〜」

忍術学園教科担当教師の土井半助は採点が終わった答案を机の上で整える。

一番上には、目の検査並の点数が見える。

例の元気な3人組の答案だ。

(やれやれ・・・また補習授業だな)

3人のうなだれる姿を見なくてはならないと思うと、少し胸が痛むのだがこれも生徒のため!

そう思って気持ちをぎゅっと引き締める。

その時、コトッという音が背後で聞こえた。

(     え?    )

振り返ると、お茶の用意をするサングラスの男が座っている

「 魔界之先生!? 」

「 ど〜〜〜〜も〜〜〜」

のほほんとした声で答える 

「いつからいらっしゃってたんですか?」  

魔界之先生は半助にお茶を出す  

「いや、今さっきで・・・・お忙しそうでしたので勝手にお茶いただいてしまいました」  

「ありがとうございます 」

土井先生はお茶をおいしそうに飲む

魔界之先生は忍術学園とは敵対関係にあるドクタケ忍術学校の先生をしている。

しかし、同じ生徒を持つ教師同士ということもあり二人は仲がいい


まぁ、魔界之先生はそれ以上に思っているようなのですが・・・・・☆


「それで今日はどうなされたのですか?またテストのことですか?」 

にっこりと笑って尋ねる

その笑顔に思わず見惚れてしまった

「それとも・・・・通販のお手伝いですか?」

魔界之先生の花柄の袴を見て笑う。

魔界之先生は通販が趣味だが、いつも変な商品ばかり頼んでしまう。

「いや、お恥ずかしい。ですが本日は土井先生にぜひとも教えてあただきたいことがありまして参りました」

半助は何やら嫌な予感がした

「突然なんですか? 」

恐る恐る聞いてみると、案の定嫌な予感は的中した

「はい、女装の術です」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



しばし沈黙・・・・・・


「はぁ〜 」

半助は溜め息をつく

「土井先生は女装の名人だと、生徒にお聞きしまして・・・・・」

「   なんですって!?  」

すっとんきょうな声をあげてしまう

いつの間に自分はそんな風に言われていたのやら・・・・・

半助は溜め息をつくと困って頭をかいてしまう

「誠に申し訳ないのですが、どなたに聞いたか分かりませんが女装の名人は山田先生なんですよ」

「   へ?山田先生?   」

魔界之先生は驚く

「そうなのですか〜〜??? 」

魔界之先生はがっくり肩を落とす。

魔界之先生は生徒に土井先生が女装の名人と聞き、一度でいいから見てみたいと思いはるばる来たのだった。

魔界之先生の落ち込みように半助はあわてる

「あの、魔界之先生。もう少ししたら山田先生もいらっしゃいますし
よければくの一教室の先生を紹介しますから・・・・」

「え、いや、あの〜 」

あまりの半助の真剣な態度に あなたの女装を見に来た などとは言えず
魔界之先生は山田先生を待つことになった

「は〜まったく、あいつらときたら〜 」

山田先生が少し乱暴に障子を開ける

「あ、山田先生!?」

半助の顔がぱっと明るくなる  

「ど、どうも・・・・・・・・」

「おや、あんたはドクタマの・・・・」

「魔界之先生です」

半助が山田先生の座布団を敷く

「山田先生が来るのをお待ちしてたんですよ」

「なんで私を?」

「山田先生に女装を伝授していただきたいそうですよ」

半助は机にお茶を置く

「      なに!?    」

鋭い山田先生の目がキラリと光り、魔界之先生を睨みつける

《うぎょっ!》!

いきなり敵意の眼差しを向けられ固まってしまう

そして次の瞬間山田先生の姿が消えた

「 なっ!?  」

魔界之先生は辺りを見回す

横には落ち着いた様子の半助が魔界之先生のお茶を入れ直している

ふと目があい半助がにっこりと微笑んだその時

「おまた〜(※お待たせしましたの略)」

「 あががが・・・・」

ど派手な着物を着た女装姿の山田先生が現れた

半助は呑気にお茶をすすっている

「魔界之先生〜♪あなた見る目があってよ〜☆さぁさ、早速御伝授いたしましょうね〜」

山田先生の口紅べったりの唇が近付く

「土井先生ぇ〜〜」

魔界之先生が泣きつく

いきなり抱きつかれた半助は顔を真っ赤にして 

「魔界之先生、落ち着いてください!」

「あら、照れちゃって〜 」

「うわぁぁあ〜ん 」 

「山田先生いい加減にしてください〜!? 」


・・・・・・・・・・ しばらくして

魔界之先生が落ち着くと半助は授業があるため部屋を去っていった

魔界之先生は観念しおとなしく山田先生の女装術を教わることにした




「よ〜し!今日の2時間目はこれでおしまいだ。皆食堂で昼を食べておいで」

「「「「「「 は〜い 」」」」」」

は組の生徒達が教室を出ていく

「さてと・・・ 」

後を追うように半助も部屋を出る

「山田先生と魔界之先生大丈夫かな?」

二人のことが気になって あまり授業に集中できなかった

足早に部屋に向かう。

「半助です、入りますよ」  

「わわわ〜待った、待った!先生!」

慌てた魔界之先生の声も虚しく、半助は障子を開ける

「あ・・・・。」

そこには山田先生に濃ゅ〜〜い化粧を施された魔界之先生の姿があった

「   ぶはっ!?   」  

半助は吹き出しお腹をかかえて笑ってしまう

「あははははは〜 !!!!!」

笑う半助に何も言うことができない

慕っている人にここまで無様な姿を見せてしまったことに魔界之先生は落ち込みました

「あっ、す、すみません 」

半助はあわてて口を押さえる

「いえ・・・元はと言えば私が悪いのですから・・・・・・」

更に落ち込む

「本当にすみません・・・」

さっきまで笑っていた半助が申し訳なさそうな顔をする

(・・・・表情豊かな人だな)

魔界之先生は俯く半助を見つめる

「本当は・・・・・・・ 」

「はい? 」

見つめたままでそっとつぶやく

「私は、あなたの女装した姿が見たくて来たんです・・・・・・・」

女装して気が強くなっていたのか・・・・・・・それとも

半助の顔に見惚れていて頭がどうにかなっていたせいなのか

それは分からなかったが魔界之先生は自然と出てしまった言葉に慌ててしまう

「あ・・・・ああ、変なこと言ってすみません 」

魔界之先生が土下座して謝る

( 完璧に嫌われた〜 )

魔界之先生は不幸のどん底に陥る

(魔界之先生、やめてください!!!)

ちらりと見ると、真っ赤になった半助の顔があった

「土井先生?」

魔界之先生は不思議そうな顔で見つめる

「 とにかく土下座はやめてください!!」

半助は赤い顔を隠すように後ろを向いてしまう。

そっぽを向かれた魔界之先生はしゅんとしてしまう。

「・・・・・・・どうして言ってくださらなかったんですか?」

「へ?」

驚いて半助を見る

すると微笑んだ半助がこちらを振り向く

「・・・・先生は午後もお暇せんですよね??」

「はっ・・・・はぁ・・・・」

あっけにとられている魔界之先生を置いて半助は立ち上がる

「これで、顔をお洗いになって玄関で待っていてください」

「?」

「峠をこした所においしいお茶屋さんがあるんです。一緒に行きませんか?」

「は・・・・・はい!」

それを聞いて魔界之先生は途端に元気になってしまいました!

初めて半助とふたりっきりででかける・・・・

(これは・・・・・初めてのデートなのであろうか・・・・・)

魔界之先生の顔がゆるんでしまいます。

「じゃあ、小松田君、夕方には帰りますから」

「はい!いってらっしゃ〜いvV」

後ろの方で半助の声が聞こえて振り返るとそこには美しい女性の姿があった

「・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・」

その女性が魔界之先生を見て笑う

胸がときめく

「あの・・・・・・」

「お待たせしました。魔界之先生・・・・」

「どっ・・・・・土井先生??」

思わず声がうわずってしまった

「変・・・・でしょうか?」

半助が首をかしげる

「いっ!!!いいいええええ!!」

鼻息も荒く顔を真っ赤にして魔界之先生が返事をする

その姿にくすりと笑う

そして魔界之先生の裾をひっぱって赤くなって言う

「・・・・・・今度からは、ちゃんと言ってくださいね 」

そう言い終えると、半助は駆けて行ってしまう

「魔界之先生!おいてっちゃいますよ〜?」

「あ、はっ!はい!!」

半助に追いついた魔界之先生は今度は二人並んで楽しそうに峠の団小屋へ向かったのでした。











可愛い二人をありがとうございます(〃∇〃)
土井先生の女装は、とっても可憐で可愛いですよね〜///
たとえ敵の忍者であっても、土井先生の女装を見るためなら、敵陣で教授願うのも苦ではありません(*^∇^*)
普段の土井先生の表情の豊かさにも色々触れることができて魔界之先生が幸せそうです〜///
半助も女装結構内心誉められたがってたので(笑)まんざらでもなかったんでしょうか///
初々しい二人がとても可愛いのです(*^∇^*)
タイトル無かったので、時間無くて勝手に付けてしまいましたが、後で正式なタイトルを下さい〜

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