薄暗い部屋。畳の上に仰向けになり、天井を見ている森田を上から写している。 |
父の死によって |
病室。ベッドに横たわる父(坂本)。森田の手を取って、 「弟たちを頼むぞ……」 森田、泣きながら頷く。 隣に小さな弟が二人いる。 |
白い布を顔に掛けられた坂本。 泣いている二人の弟を抱きかかえる森田。 |
弟たちは―― |
身なりのいい30歳ぐらいの男(長野)とともに、高級車に乗り込む上の弟。見送る森田。 車が走り出すと弟は窓を開け、森田に手を振る。森田も手を振る。 |
遠い親戚に引き取られ―― |
ジャンパーを着たこれも30歳ぐらいの男(井ノ原)に背負われていく下の弟。何度も振り返る。 |
離ればなれになった |
涙色のほほえみ |
工事現場で働いている森田。 |
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定時制高校の教室。居眠りしたり喋ったりしている同級生を横に、真剣な顔の森田。
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いつか、弟たちと一緒に暮らすんだ |
山手の私立高校の門の前。門から出てきた少年(三宅)に森田が声をかける。 森田「健! 健だろ」 三宅「(不審そうに)そうだけど……誰?」 |
豪邸の門。中に入ろうとする森田をさえぎる使用人たち。 森田「頼む、健に合わせてくれ」 森田、押し出され、門が閉まる。玄関の所から、中年になった長野が険しい顔で見ている。 |
しかし、10年の歳月は |
酒屋の中。電話に出ている少年(岡田)。 「兄貴って、誰の? 俺の? あんさん気ィは確かかいな」 |
喫茶店。 テーブルを挟んで座っている中年になった井ノ原と森田。 井ノ原「気持ちは分かるが、准は何も覚えていないようなんだ。それに、今ではうちの大切な跡取りなんだよ」 |
大きな壁を作り出していた |
工事現場。森田を同僚が怒鳴りつける。 「何ぼんやりしてるんだ! ケガするぞ!」 |
今のままのほうが幸せなら…… |
燃え上がる長野の屋敷。ロープの所に野次馬と一緒に森田がいる。 近くでは消防士が長野を制止している。 長野「健が、息子がまだ中にいるんだ」 森田、何も言わず、ロープをくぐり屋敷へ向かって走り出す。 |
弟たちへの愛に命を懸ける |
炎を吹き上げ、崩れ落ちる長野の屋敷。
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夢はかなうのか |
森田のアパート。
机の上にあった坂本の遺影を手に取る森田。 |
涙色のほほえみ |
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えーこれはですね、たまたまラジオで外国に「涙色のほほえみ」という題の曲があるということを聞いて、イタリアあたりの家族ものの映画にありそうな題名だな、と思って考えついたものです。したがって、内容はその曲とは全く関係ありません。
「予告編」も、そろそろネタ切れが近づいております。今度のアルバムが何かアイディアを提供してくれることを祈るばかりです。
(hongming)