| 特 報 |
| ごった返している江戸の大通り |
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| 川辺で釣り糸を垂れている男(長野)。 |
| 自分の苦労は耐えもしようが |
| 川を猪牙(ちょき)舟が通る。芸者風の女三、四人と身なりはいいが人相の悪い侍が乗っている。 侍、ふざけて立ち上がり、舟を揺らす。 長野、わきにあった継ぎ竿の太いところを手に取り、口に当てるとフッと吹く。 |
| 人の苦労は見ちゃいられねえ |
| 侍、ウッとうめいて首に手を当てる。首には吹き矢が刺さっている。侍、川に落ち、沈んでいく。 騒ぐ芸者たち。長野も、何事か、という様子で川をのぞき込む。 |
| 恨みと苦労は消してやろう |
| 必殺! 苦労人 |
| 客の髪を結っている坂本。わざとモジャモジャにして鏡を見せる。 客「何だよこれ」 坂本「なに、二百年もすりゃあ、こういうのがはやりますよ」 客「冗談じゃないよ、戻しとくれ」 |
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| 坂本、ろうそくの火に、カミソリをかざす。 |
| 「手軽屋」と書いた旗を持って歩く男(長野)。 商家のおかみが声をかける。 「手軽屋さん、ちょっとタンスを運んどくれ。三十文でどうだい」 長野「へい、喜んで」 |
| 手軽の博 |
| 長屋の中で、吹き矢を吹く長野。飛んでいた蠅が壁に串刺しになる。 |
| 通りを歩く浪人(井ノ原)。商人のまいた水が少し裾にかかる。井ノ原、商人の襟首をつかんで、 「どこに目をつけてやがる。ただではおかんぞ」 |
| 短気の快彦 |
| 人気のない道。犬が井ノ原に吠えかかる。井ノ原、何も言わずその犬を蹴ると、犬は十メートルほど飛んでいく。 |
| 泣くのはいつも弱い者 |
| むしろをかけられた死体に取りすがって泣いている女。 取り巻いて見ている人の中に井ノ原、長野がいる。 わきでは、同心が苦い顔。 |
| 夜。川縁の人気のない道。 身なりのいい商人を取り囲む三人の侍。 |
| 人の命はどうでもいいなら |
| 何も言わず、商人を切り捨てる三人の侍。 死体の懐を探る。 「けっこう持ってやがるぜ」 その顔が月光に照らされる。三人はカミセン。 |
| お前の命もどうでもいいな |
| 寺の門前の茶屋。 坂本と長野が団子を食べている。 坂本「辻斬りの下手人は、旗本の馬鹿息子らしいぜ」 |
| 恨みを晴らす裏稼業 |
| 釣りをしている井ノ原。隣に坂本がしゃがんでいる。 井ノ原「下手人が割れてるなら、奉行所に訴えりゃあいいじゃねえか」 坂本「ところが、後ろ盾ってやつがあって奉行所も手が出せねえんだと」 |
| わずかな金でも引き受ける |
| 夜の通り。商人の格好の長野。時折、わざとらしく懐から金入れを出し、重さを確かめながら歩く。 それを見て目で合図し合うカミセンの侍。 |
| 長野の後をつけるカミセン。長野、気づいているが素知らぬ顔で歩く。 いつの間にか、カミセンの後ろに坂本、井ノ原。 |
| その命、貰った! |
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トニセン苦労人すごろく付き (数に限りがあります) |