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トラッドな恐怖が
今、新しい血を得た
 夜。
 ヨーロッパの、昔は小さな城だったらしい館。
 十字架に縛り付けられ、火あぶりになっている男と女。二人とも苦痛に顔をゆがめているが音は何も聞こえない。
 ガバッと、ベッドの上で起きあがる森田。脂汗をかいている。
いつも見る夢……
 食堂に入る森田。坂本と井ノ原がテーブルについている。
坂本「(にこやかに)よく眠れたかい」
 森田、黙ってうなづく。
あれは誰なんだろう
 朝食を取っている坂本、井ノ原、森田。
森田「僕の両親のことなんだけど……死んだの?」
坂本「お墓もあるじゃないか」
僕は誰なんだろう
 釣りをしている三人の少年。森田、三宅、岡田。
森田「自分が小さかった時のことって覚えてる?
岡田「ちょっとはな」
森田「僕は何も覚えてないんだ……」
 心配そうに森田を見る三宅。
そして伝説
 館の応接間。坂本と長野の前に、若い大学教授(長野)。
長野「この村に、吸血鬼の伝説があると聞いて調査に来たのです」
井ノ原「(馬鹿にしたように)吸血鬼? 大学教授が……」
The Blood
of
Revenge
復讐の血脈
 館の食堂。食事をしている坂本、井ノ原、森田。
森田「僕の両親、死んだんじゃなくて、殺されたんじゃないかっていう気がするんだ」
 坂本と井ノ原、顔を見合わせる。
夢は何を教えるのか
 森田の夢。
 十字架にかけられている男女。視線がそこからそれて横を向くと、たいまつを手にして笑っている坂本、井ノ原の顔。
真実は……
 暖炉の前。グラスを片手に座る坂本と井ノ原。
井ノ原「そろそろ気づきそうだな。どうする」
坂本「あいつの能力が目覚めるのを待っていたんだ。計画通りにやるさ」
 ドアの隙間から森田が二人を見ている。
 一人で馬に乗っている森田を呼び止める長野。
「差し支えなかったら、君の両親の話を聞かせてもらえないか」
 森田、警戒する表情。
 暖炉の前の坂本と井ノ原。
井ノ原「あの教授、どこでかぎつけてきたのか」
坂本「まさか、ゴウが吸血鬼だってことが……」
 隙間から中をのぞいている森田、顔色が変わる。
 僕は吸血鬼だった……
 真っ赤なトマト。子供の鼻血。赤い花。通り過ぎる少女の首筋。
 赤いものや血を思わせるものが気になってならない森田。
その運命を
 三宅のアップ。
「君が吸血鬼なら、僕、血を吸われてもいいよ」
受け入れるのか
 岡田のアップ。
「ええか、血筋なんぞに負けたらあかんのや。親がなんであろうとお前はお前や。そないなこと気にするな」
拒絶するのか
 嵐の夜。
 教会で古い書物を見ていた長野。
「いかん、あの子は……」
 外の嵐を見ている森田。ふと、ガラスに映った自分の顔を見ると、上の犬歯が異様に伸びている。
 嵐の中を走る長野。
 森田、鏡で自分の顔を見ている。
 長い犬歯に指で触れ、笑う。
The Blood
of
Revenge
復讐の血脈
次回ロードショウ
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