特 報 |
手術室 心臓の鼓動を示す装置の映像。 金属のふれあうカチャカチャいう音。 |
手術台の下だけが映る。 立っている医師の足と、動き回る看護婦の足。 男の声「汗を拭いてくれ」 看護婦「はい」 |
超一流の技術を持つ男 |
診療所の診察室。医師の後ろ姿。その向こうに汚い身なりの少年(森田)。 森田「かあちゃんを治してくれたら、一生あんたのために働くよ」 医師の声「俺の手術は高くつくぜ」 |
治療は報酬次第 |
手術室。 カメラ、手術台の下から上へ移っていく。 「これは!」 患者の体から顔を上げる医師(坂本)。 |
しかし彼は―― |
再び診察室。向かい合って座っている森田と坂本。 森田「だけど、あんた、もぐりなんだって」 坂本「それがどうした」 |
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ブラック・モジャック |
診察室。名家の執事、という格好の長野が坂本の前に立って話している。 「おうわさはいろいろ伺っております。治療に成功すれば、報酬はご請求通りに現金でお払いいたします」 坂本「たんまりいただけそうだな」 |
名医か? 守銭奴か? |
ベッドに横たわる岡田、だだをこねている。 「いやや、手術はいやや」 坂本、その頬を平手でたたく。 「死ぬよりはましだろう!」 長野、坂本にくってかかる。 「ぼっちゃまに何てことを」 |
医学界の異端児 |
麻酔をかけられ手術台で眠っている岡田。 坂本は手術の服装。かたわらに、看護婦の姿の三宅。 坂本「ケンコ、オペの手順を間違えるなよ」 三宅「だいじょうーぶなのわよ!」 |
延命と安楽死 |
患者の横たわるベッドの両脇に立つ坂本と井ノ原。 井ノ原「苦しまないうちに俺が安楽死させてやるよ」 坂本「どうしてお前はすぐに殺そうとするんだ」 井ノ原「助けられるなら助けたい。でもな、生きてるっていうのは、死んでいないっていうだけのことなのか」 言葉に詰まる坂本。 |
治療とは何か そして― |
部屋の窓からぼんやり夕日を見ている坂本。 かたわらから、三宅が心配そうに、 「先生……」 |
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手術室。 患者の鼓動を示す器具。鼓動は途切れがちになっていく。 |
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ブラック・モジャク |
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