「ぶいろく党伝」・宣伝

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これはhiruneの書いたものです。
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 あなたは朝起きて何気なく新聞のTV欄を開きます。
 いつものことですが、あなたの目は「V」と「6」というふたつの文字を、無意識のうちに探してしまいます。
 その日は火曜と木曜以外の平日。「やっぱ今日は無いか……」と思いながらあなたは視線を下から上に上げていきます。(ゴールデンタイムから先に見たのです)すると、な、なんと!!
 あった、あったのです、それは多分、日テレの「ザ・ワイド」でしょう。誰かの離婚騒動の話題のあとに、さりげなく「マル秘・V6映画潜入レポート」の文字が!!
 「な、なんなのなんなの!!??」
 その日たまたまお休みだったあなたはパニクリながら1時55分になるのを待ち、そして何の興味もない芸能ニュースに耐え、そして3時半を過ぎた頃……。
 やっと画面に「人気アイドル映画に潜入!! ―V6映画マル秘レポート―」のタイトルが!!
 あなたが食い入るように画面に見入っていると、そこに明るい男性ナレーションが聞こえてきます。
 「われわれは、今をときめく人気アイドルグループV6が映画を撮影中であるという情報をキャッチ、(みんながジェネギャを踊る映像)極秘に潜入、レポートすることに成功した!! きょうはそのマル秘映像をお届けしよう!」
 じゃじゃん!! では、以下その内容を……。
 場所は、よく知らないけど、時代劇のオープンセットが組めるとこ。砧かどっかか?
 「ここでV6のみなさんが極秘裏に映画を撮影中だと聞いてきたんですが」と歩きながら話す女性アナ。すると、セットの道ばたに岡田がぼけっとすわってこっちを見ている。
 アナ「あら、あの人は……。V6の岡田准一さんですよねー」
 アナ、挨拶。「おはようございますー」
 岡田「あ、おはようございます」
 アナ「V6のみなさんが、こちらで時代劇の映画を撮影中だと聞いてきたんですけど……」
 岡田「そうですよー」
 アナ「それ、衣装ですか?」
 岡田「はい、そうです」
 岡田、頭はほとんど自毛のまま。多少付け毛して後ろに髷みたいなものがある。着ているのは、ぼろぼろの着物。
 アナ「アイドル映画なのに、なんか、汚いですねー」
 岡田「(苦笑)いや、アイドル映画とか、そういうんじゃないですよー」
 そこへ、後ろからぬっと坂本が顔を出す。女子アナ、マジに驚く。「きゃああ!!」坂本、自分の方が驚いた、というリアクション。
 アナ「あ、さ、坂本さんでしたか」
 坂本「(気を取り直して)V6の坂本昌行です(画面に挨拶)」
 アナ「坂本さんは、浪人、て感じですね」
 坂本「そうです」
 アナ「(浪人姿の坂本を見て)何か、強そうですねー」
 岡田「坂本くんは達人の役ですよ」
 坂本「岡田だけは全然弱い役なんだよなー」
 岡田「……」
アナと岡田、坂本、歩きながらもっと奥のセットへ。そこには井ノ原、長野の姿が。三人に気づいて笑う二人。
 メンバーが四人揃ったところで、アナ、改めてインタビュー。
 アナ「どういったストーリーの映画なんですか」
 みんな顔を見合わせるが、井ノ原が「えっとー、ちょっと、「七人の侍」に似てるんですけどねー」
 アナ「あの、黒沢明監督のですか?」
 みんな、事前に「七人の侍」については勉強したらしく、頷く。
 坂本「ちょっとだけですけどね」
 長野「6人全員が侍ってわけでもないしね」
 井ノ原「侍なのは、坂本くん、長野くん、俺、あと、剛」
 アナ「岡田さんは?」
 岡田「なんか、ちんぴららしいんですわ(笑)」
 井ノ原「ちんぴらっていうか、スリなんじゃないか?」
 岡田「いや、スリな時もあるっていうか……」
 坂本「なんだ、それ」
 岡田「でも、健くんなんか、俺よりずっと汚いで」
 井ノ原「そうそう。健はね、すごい。汚いし、口とかも利けないっていう役」
 長野「ていうか。もともときれいな時代劇じゃないから。俺達もきれいな髷を結ったりしてないし」
 アナ「そういえば、井ノ原さんなんて、いつもと全く同じヘアスタイルですね。着ているものも、珍しいですね」
 井ノ原「これ、長襦袢の着流しなんですよ。なんかそういう変わった格好が好きな男らしいんですよね」
 坂本「そういう、変で、金のない奴らが村人に頼まれて野盗退治に立ち上がる、という話なんです(まとめる)」
 アナ、頷く。「で、題名はなんて言うんですか」
 井ノ原「題ですか、題は……(ちょっと困る)」
 坂本「“ぶいろく党伝”ていうらしいです」
 アナ「ぶいろく……。なんか、変わってますね。どういう意味なんですか?」
 坂本「よくわかんないですけどね」
 岡田「俺達がぶいろくだからやろ?」
 井ノ原「……。まんまじゃねーか!」
 ナレーション「ではここで、映画の内容をちょっとだけ紹介しよう!」

 道ばたでほとんど死んだようにうずくまっている健。岡田、その前で足を止める。ちょっと健に触ると、しばらくして健が動く。岡田「ちぇ、てっきり死んどると思ったやんか」
 ぼんやりした表情の健。健の隣には茶色い犬。

 汚い居酒屋のようなところで、坂本が人相の悪いやくざ者を殴り倒す。「やっちまえ!」声がして、やくざ者達が坂本と長野に斬りかかってくる。見事な殺陣でそれをかわす二人。

 今度は屋外。井ノ原と剛が背中合わせになり、かかってくる男達を斬っていく。井ノ原「ガキのくせにやるじゃねえか」剛「ガキではないっ」

 アナ(わざとらしく)「おもしろそうじゃないですかー」
 4人、案外そう言われると嬉しそう。
 アナ「と、言うわけで今日はV6のみなさんの撮影現場にお邪魔させていただきましたー。みなさん、お忙しいところありがとうございましたー」
 4人も軽く手を振って、「よろしくー」
(残念ながら、剛くんと健くんは他の仕事か撮影本番中らしく、参加できませんでした)

 あと、スタジオのコメンテイター達のくだらない話がありますが、省略。
 「……あー、1時間半TVの前にいて、こんだけ……」と、まあ見られてよかったような、むなしいような気のするあなたでした……。

……てなかんじで次回作の宣伝をしてみました。はっきり言ってこんなの作るほどのしろもんじゃないですが、とにかく、今度から、「ぶいろく党伝」が連載開始です。
(hirune・1.23)