第9回 「シックス戦士」

ナレーション「ああ、シリーズの先行きは暗い。せめて私だけでもまともにやろう・・・。ぶつぶつ・・・。Vレンジャー本部の潜入(?)に成功した鉄板DISH。彼らと留守番・森田の戦い(?)はどうなるのか? 大袈裟、坂本、Vレンジャーたちは無事に本部に帰ることができるのか? おい、作者っ、いいかげんにしないと私が出て行って鉄板DISHを追い払ってしまうぞ!」
作者「あ、それもいいんじゃなーい?」
ナレーション「・・・・・・・」

Vレンジャー本部。
すっかりくつろいでお茶を飲んでいる鉄板DISHと森田。
ジョー「あ〜、なんか落ち着くわ〜」
タツヤ「ホント、ホント。これでおせんべいかなんか出てきたら言うことないのにな」
タイチ「このままここにずっといよっかなー」
森田「あ、それいいんじゃない?なんか坂本が言ってたぜ。お前らも仲間に引き入れたいってさ」
トモヤ「坂本?どっかで聞いたな」
マボ「そういえば俺たちって坂本さん連れ戻すんじゃなかったっけ?」
ジョー「あ、そや、そや。忘れてたわ」
森田「連れ戻すってどういうことだよ?」
タイチ「マッチさんから連絡があって、っていうか命令だな。ここんとこ俺たち冷遇されてるからさ。仕事っていったら体力がらみばっか。バラ売りの仕事はちょこちょこあるんだけどさ」
森田「あ、それはウチんとこも一緒。全員っていうとどうしても女装させられたり、電流流されたりすんの、俺が」
タツヤ「おたがいつらい立場だよな。新人がデビューするし、デビュー前なのに売れてるやつもいるし」
マボ「まったくあんなガキ共のどこがいいんだか」
トモヤ「けっこうちっこいやつばっかだよな?」
思わずトモヤをじろっと見るジョーと森田。
森田「なんか言った?」
タツヤ「トモヤ、それは言っちゃあダメダメ」
タイチ「でもさ、よかったじゃん。ちっこいから女装もできるわけじゃん」
マボ「あっ、言っちゃった」
険しい表情で立ち上がる森田。
森田「っせーんだよ。悪いかよ。どうせちっせーよ、俺はっ」
ジョー「まあまあまあ。せっかくこうやって楽しく会話してたんやから」
森田「だいたいさぁ、何しに来たんだよ?あんたら」
トモヤ「だから、それは坂本さんを連れ戻しに」
森田「だったらさっさと連れ戻しゃあいいじゃん」
タツヤ「いないって言ったのお前だろ?退屈だから入ってこいって」
森田「知んねーよ、そんなこと。勝手に入ってくんなよ」
タイチ「あんたさぁ、さっき言ってたことと全然ちがわねえ?」
マボ「まあ、でも入っちゃったからにはこっちのもん・・・っと」
森田「なんだよ?それ」
マボ「せっかく入れてくれたんだから、本部は我々が占拠するさ」
ジョー「なあるほど。さすがマボやな。考えることがちゃうわ」
タツヤ「普通、誰でも考えると思うけど」
森田「待てよ。許さねーぞ、そんなこと」
トモヤ「いまごろそんなこと言っても遅いよ」
森田を囲む鉄板DISH。

再びナレーション「作者、やるじゃねーか。見事なストーリー展開だっ。(どこがっ?!)これでやっとまともな話になってきたっ」
作者「だってナレーターに登場されてもこまるしなあ」
ナレーション「ちぇっ、せっかく6番目の戦士で出ようと思ってたのに・・・」

みのの思いっきり御殿。
巨大な居間でみのと向かい合っている大袈裟、坂本、4人のVレンジャー。
みの「う〜ん、そうだなあ。どうも坂本くんが来てから金遣いが荒いような気がするんだけどねえ」
大袈裟「まあまあ。投資してこそ偉大な発明も生まれるわけです」
坂本「私とこの長野、いや大袈裟はいわばゴールデン・コンビですから。決して若いもんには負けねえ・・・いや、決して御損はさせません」
井ノ原「僕たちも一生懸命がんばりますから」
あい「あいももっとテレビに出られるようにがんばっちゃう」
三宅「宣伝だって嫌がらずにちゃんとやりますから」
岡田「少々ダサくても文句言いません」
みの「そうだねえ、考えてみるか」
大袈裟の白衣のポケットに入れてあるリモコンのような機械が赤く点滅を始める。
大袈裟「んっ?なんだ?本部で何かあったのか?」
坂本「みのさん、なにか大きな布を貸してください」
みの「布?何に使うの?」
坂本「映像を投射するスクリーンにするんです。大袈裟が手に持っている装置で本部の様子がモニターできるんだ」
みの「おー、さすがだねえ。だてに年くってない・・・いや、ゴールデン・コンビと自称するだけのことはあるねえ」
大きな布が貼られ、スクリーンに本部内部の映像が映し出される。

Vレンジャー本部。
マボ「さあ、ここには6人しかいない。俺たち5人とお前ひとりだけだ。さっさと観念して降参してほうが身のためだぞ。おとなしくしてるなら、お前に手は出さない」
森田「あいにくそうはいかねえんだよ。俺は戦士だからな。俺ひとりだって降参なんかしねえ。ひとりだってな、勝ちゃあいいんだよ」
ジョー「戦士なあ。俺に似合うのは扇子・・・なーんちゃって」
ずっこける5人。
タイチ「まったく大したセンスだよ、リーダーのギャグは」
トモヤ「ぎゃははは・・・、いけてるっ。タイチのほうがいけてるっ」
森田「(ぼそっと)俺もそう思う」
ちょっとムッとするジョー。
タツヤ「でも俺たちだって戦士だ。ずっと身体はって今までやってきた。これは6人の戦士の戦いってことだな」
睨み合う鉄板DISHと森田。

みのの思いっきり御殿。
坂本「鉄板DISHのやつらだ。俺を連れ戻しにきたのか?」
あい「ねえ、森田くんひとりでだいじょうぶなの?」
井ノ原「だいじょうぶじゃないだろうけど、しょうがないよ。何かできることでもあればいいんだが」
大袈裟「あの彼が手に持ってるものは何だ?」

Vレンジャー本部。
マボ「あくまでやるって言うんならしかたねえ。で、どう戦うってんだ?」
森田「そんなことわかんねーよ。ただな、俺は負けるわけにはいかねえ。ここがなくなったら、あいつらが悲しむからよ」
タツヤ「あいつら?」
森田「40枚の将棋の駒・・・じゃねえ、4人の仲間と博士と坂本だよ。それと俺たちが守る世界中の人々さっ」
思わず力が入って、手を握りしめる森田。手にしたリモコンのボタンが無造作に押される。とたんに超高音の衝撃波が鉄板DISHを襲う。頭を抱えて床にはいつくばる鉄板DISH。
ジョー「うわっ、やめて〜!耳が、耳が〜!」
タイチ「あ、頭にひびく〜!」
トモヤ「お前っ、卑怯じゃねえか!いきなり攻撃してくるなんて」
森田「え?なに?なんかあったの?」
ひとりわけもわからず立ち尽くす森田。

みのの思いっきり御殿。
三宅「え?どうなったの?いま」
坂本「説明しよう。お前、Vブルーの持っているVブロウガンと同じ威力のものが備えつけられているんだ。あのレッドの持っているリモコンの操作だけで、衝撃波を発生させることができる。ちなみに声のモデルはもちろんブルーのを使わせてもらった」
岡田「なーんや。ようするにパクリってことやろ?」
岡田をじろっと睨む坂本。

Vレンジャー本部。
マボ「何かあったの、じゃねえっ!姑息な技を使いやがって!おいっ、俺と勝負しろっ」
森田「はあ?二足のわらじ?なに言ってんの」
マボ「ばっ、ばかっ」
言うなりライターを取り出すマボ。
マボ「いいかっ?これでたがいにライターに火をつける。最初につかなくなったほうの負けだ」
森田「いいけど?でも、それで何になんの?」
マボ「る、るせっ」
ライターをかまえるマボ。

みのの思いっきり御殿。
井ノ原「この二人、何やってんだろうね」
あい「いまライターつけるとか言ってなかった?」
三宅「ガス欠になるまでやるのかよ?」
岡田「でも、途中でチョンボしたりするんちゃう?」
大袈裟「よしっ」
いきなりリモコンを口にあてる。
井ノ原「えっ?博士、なにするの?」
坂本「説明しよう。このリモコンはマイクになっていて、モニターの向こうと会話ができるんだ」
三宅「なーんだ、ありがちだよね」
三宅をじろっと睨む坂本。

Vレンジャー本部。
突如、大袈裟の声が響きわたる。
「森田くん、フォースだ。フォースを使え!」
タツヤ「なんだ?なんだ?なんだ?」
森田「博士の声だ。ホース?ホースって何のことだよ?」
見回す森田の目に部屋の隅にある水道の蛇口が写った。蛇口にはホースがつながれている。
森田「あー、わかった。あれのことね」
水道のほうに歩いていく森田。
マボ「お前、勝負するんじゃねーのかっ?!じゃあ、俺が先手で行くぜっ!」
ライターをつけるマボ。だが、ライターに火がつこうとする瞬間、ホースから水が飛んできて、火はついにつかなかった。
マボ「て、て、てめー、何しやがんだっ!」
森田はホースを手に立っている。
森田「だって、お前火つかなかったじゃん。お前の負けだよ」
マボ「なんて卑怯なやつなんだっ!ぜってー許さねえ!」
森田に迫る鉄板DISHの5人。

ナレーション「もう春だっていうのにこんなに寒くていいのか? 私の忍耐もここまでかもしれない。森田と鉄板DISHの戦いは次回に持ち越された。はたしてこの決着はどうなるのか? おい、作者、次回もこんな展開だってんなら、クビにしちまうぞっ!覚悟しとけっ!」
作者「はいはい。ところでみなさん、フォースって知ってますか?”STAR WARS”で使われていたフォースのことですよ。集中力と超能力を合わせたようなもんです」
ナレーション「そうだっけ?そうのような、違うような・・・?」

TO BE CONTINUED!


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