第33話 仮面武闘会

(by hongming)

ナレーション「宇宙戦艦みのさんは故障し、Vレンジャーは敵の宇宙船に乗り込んだ。敵はいかなる手を使ってくるのか。ヒガシ・サンの手から地球を守ることができるのか。これは、正義と友情に命をかけた若者たちの物語である」

 宇宙船の中におり立った六人。
 突然声がする。
「ようこそ、地球人」
大袈裟「ヒガシ・サンの声だ」
ヒガシ「ここまで来た勇気をたたえよう。私は部下を五人だけ君たちと戦わせる。もし、勝てなかったら、君たちは毎日腹筋四千回だよ」
坂本「ふざけるな!」
ヒガシ「ほう、私に向かってそんな口をきくことができるのか」
坂本「ふ、ふざけないでください」
森田「なんで弱腰になるんだよ」
大袈裟「とにかく、部下の方を相手にしよう」
井ノ原「その方がよさそうだ」
 すると、壁にあったドアが開く。そこは広い部屋になっているらしい。
坂本「行こう」
三宅「怖いよー」
 こわごわ中へ入って行く六人。
 中には白い仮面を手にした、嵐の五人が立っている。
 それを見て、坂本はビックリ。
坂本「あっ、こいつら、俺の夢に出てきた連中だ」
大袈裟「ええっ。予知夢を見たの」
坂本「そうじゃねえ。こいつらが俺の夢に出てきて、俺を痛い目にあわせたんだ。自分のことを、若い、若いって、気に障ることを言いやがって」
 驚く嵐。
桜井「初対面ですよね」
坂本「実際に会うのは初めてだが、俺はお前らに夢の中で会ってるんだ。知らないとは言わせない」
二宮「そんな無茶な」
坂本「無茶でも何でもいい。お前らアラツになんぞ、負けないぞ」
松本「アラツ? 僕たちは嵐ですよ」
 そこに再びヒガシの声がする。
「ようこそ仮面武闘会へ」
岡田「舞踏会? 何で踊らなあかんねん」
ヒガシ「踊るのではない。武力で戦う方の武闘だ。私の部下は、特殊な力で何にでも変身できる。君たちも何かに変身して戦いたまえ」
 見回すと、わきに、衣装が詰まった箱があり、その上には嵐が持っているのと同じ白い仮面がある。
ヒガシ「その衣装を身にまとい、仮面をつければ好きなものになりきることができるぞ」
 ごそごそと箱の中をあさり出す六人。
森田「誰からやる」
井ノ原「ものまねのうまい奴からだろうな」
岡田「なら、俺やろ」
大袈裟「大丈夫か」
岡田「平気や。なんぞ強そうなのはないかな」
 坂本は黒いタイツを見つけ、
「これはどうだ。力道山みたいだ」
岡田「リキドーザンて何やねん」
大袈裟「昔のプロレスラーだ」
井ノ原「最近は、ラッシャー木村ぐらいだな、こんなの穿いてるのは」
 岡田は戦闘服の上からタイツを穿いてみる。
 それから、マスクを手に取ると、前に出て、
「最初の相手は誰やねん」
「僕だ」
と、相葉が進み出る。
 岡田は、相葉が前に出たのを見ると、すぐに仮面をかぶる。たちまち変身するが、その姿は力道山でもなくラッシャー木村でもなく、江頭2:50。江頭になりきった岡田は、相葉が仮面をかぶるのを待たず、
「ウオーッ」
と叫びながらヒップアタック。
 相葉は慌てて仮面をかぶるが、ウサギに変身し、必死に逃げ出す。
岡田「ウォーッ」
 ひたすら追いかける岡田。逃げていくウサギ。ウサギはドアから外へ飛び出す。江頭になりきった岡田はどこまでも後を追う。「ウォーッ」という叫び声が遠くなっていく。

 茫然としている嵐の残り四人。
坂本「なんだかわからないが、こっちの勝ちらしいな。次は誰だ」
 大野が前へ出る。
坂本「じゃあ、こっちは」
三宅「僕がやるよ」
井ノ原「ブルー、大丈夫か」
三宅「なりきればいいんだよね。簡単だよ」
 三宅は、箱の中からワンピースを出して着る。
坂本「お前、女装趣味があったのか」
三宅「違うよ」
 大野は無表情で立っている。
三宅「いくよ」
 三宅が仮面をかぶり、変身すると、その姿は加藤あい。
森田「その手があったのか」
あいの顔の三宅「いいかげんにしなさいよ。こんな変な戦い方なんて嫌よ!」
 というと、胸のアクセサリーを口に当て、
「どきなさいよ、どきなさいよ、どきなさいよ、どきなさいよ」
と、残っていた嵐の四人に、Vブロウ・ガン。
 桜井、二宮、松本はダメージを受けて倒れるが、大野は平然としている。
あいの顔の三宅「はずれたのかな。もう一度、どきなさいよ!」
 坂本たちは耳を押さえるが、大野は平然としてる。
 あいは歩み寄り、
「どきなさいっていっるでしょ!」
と、押しのけようとするが、その腕は素通りしてしまう。
「あれっ」
坂本「どうなってるんだ」
 あいは何度も大野を押そうとするが、全く手応えがない。
 坂本と大袈裟も歩み寄り、大野に触れる。手は素通りするばかり。
坂本「何なんだ、お前」
大野「別になんでもありません」
大袈裟「立体映像ではないようだ」
大野「僕は“無”です」
坂本「無?」
大袈裟「何もないってことか」
 焦るあいの顔の三宅。
「これじゃ、勝負がつかないじゃない」
坂本「何か、実体のある部分があるはずだ」
あいの顔の三宅「わかった、やってみる。ちょっとどいて」
 坂本と大袈裟が離れると、あいの顔の三宅は、ねらいを定めて、
「これでどう?」
と叫ぶ。そのとたん、大野の腰につけてあった小さな機械が床に落ちる。
大野「ああーっ」
 大野は慌てて拾い上げる。
大野「そんな。今日はあと少しで一万歩だったのに……」
井ノ原「万歩計かよ……」
大野「壊れちゃったよお」
 泣き崩れる大野。
坂本「なんだかよく分からないが、こっちの勝ちのようだな。先へ進ませてもらおう」
 そこへまたヒガシの声。
「そういうわけにはいかない。ほかのメンバーにも出番を作ってやらなくてはならない」
坂本「でも、仮面武闘会じゃ、そっちに勝ち目はないでしょう。こっち、あいになれば無敵ですから」
森田「なんで敬語なんだよ」
大袈裟「だって、相手はヒガシ・サンなんだから」
ヒガシ「わかった、戦い方を変えよう。次は誰だ」
森田「今度は俺だ」
 森田が前へ出る。
 すると、ダメージから回復した桜井が前に出る。
ヒガシ「私が出す問題に答えてくれ。地球人が先に答えてよし。全部で五問出す。三問以上、地球人に答えられなくて、私の部下に答えられたら、地球人の負けだ。いいね」
森田「そんなの問題によるじゃねえか」
ヒガシ「大丈夫。地球の日本の人間ならできる問題を選んである」
森田「おっ、気前いいじゃん」
ヒガシ「では第一問。日本で一番勢力の強い芸能プロダクションは?」
森田「ジャニーズ事務所」
 どこからか「ピンポーン」という音がする。
森田「もっとまともな問題にしろ」
坂本「いや、お前のレベルにあった問題だと思うぞ」
ヒガシ「では、第二問。サッカーは、一チーム何人で戦う?」
森田「うひゃひゃひゃひゃ。十一人!」
「ピンポーン」
森田「簡単すぎるよ。俺をばかにしてるだろう」
坂本「どう考えても、お前のレベルに合わせた問題だ」
ヒガシ「では、少し難しくして、日本史の問題だ。第三問。一一九二年と言えば、何が成立した年だ?」
森田「急に難しくしないでくれよ。そんな頃はまだ生まれてねえよ」
 桜井はにやにやしている。
三宅「(小声で)ほら、イイクニ作ろうっていうやつだよ」
森田「イイクニ作ろう……国会議事堂!」
「ブッブーッ」とブザーの音。
桜井「鎌倉幕府」
「ピンポーン」
 青ざめる坂本と大袈裟。

ナレーション「ついに始まった嵐との直接対決。Vレンジャーの苦闘は続く。次はどんな問題がでるのか。負けるなVレンジャー。知性対決は苦手な戦士たち」

TO BE CONTINUED!


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