第22話 伝説の姫

(by hongming)

ナレーション「宇宙の帝王ヒガシ・サンは地球に迫りつつある。しかし、それを迎え撃つVレンジャーにも意外な展開が生まれようとしていた。ラブラブ星人があいを見て発した言葉、「姫」の意味が、今明かされる。これは、正義と友情に命をかけた若者たちの物語である」

 おもいっきり御殿。
 まじまじとあいを見ている堂本光一と堂本剛。きょとんとしているあい。
坂本「何だよ、姫って。こいつはあい、だ」
あい「加藤あいです。よろしくね」
 何となくうれしそうなあい。
堂本光一「ほんまやったんか」
堂本剛「な、ほんまもんやろ」
 二人は、白馬型宇宙船の中から計器を取り出し、あいに向ける。とたんに、「ピンポーン」と音がする。
堂本剛「大当たりや」
堂本光一「とうとう探し当てた!」
 わけが分からない坂本たち。
みの「一体全体、あいちゃんがどうしたって言うのよ」
堂本剛「じつは、俺ら、この人を捜しとったんや」
井ノ原「あいちゃんを?」
堂本光一「そんな気軽に呼んだらあかん。姫や」
あい「あたしが? お姫様?」
堂本剛「そうです。宇宙に平和をもたらすという、伝説のウエストゲートパーク姫。それがあなた様です」
 光一と剛は、そろってあいの前に跪く。
あい「どういうこと」
堂本光一「ご説明申し上げます」

 字幕「ラブラブ星」
 ひたすら腹筋に励む若者たち。
 その中で、とうとう体が動かなくなって腹筋をやめてしまった男がいる。
 とたんに、空からの光線がその男を貫き、男の姿は消える。
 周りの若者たちは、歯を食いしばって腹筋を続ける。

 夜。
 薄暗い部屋。話し声だけが聞こえる。
「な、知ってるか。宇宙に平和をもたらす神様がいるそうだ」
「ほんとかよ」
「ほんとうなんだって。どっかの星で女の子のかっこうしてるんだって」
「あ、その話、俺も聞いた」
「絵もあるんだぜ」
「見せろよ」
 懐中電灯が光り、手の中の絵を照らす。それは紛れもなくあいの姿。
「けっこうかわいいじゃん」
「ウエストゲートパーク姫っていうそうだ」

 ラブラブ星の神殿。
 息を引き取ろうとしている男(内海光二)を、光一と剛が看取っている。
内海「俺はもうだめだ。二人にはこれを授けよう」
と言いながら、懐から、計器を出す。
光一「そんな、もっとがんばりましょう」
内海「無理だ。腹筋三千回はできない」
 計器を剛に渡しながら、
「これはな……」
剛「これは?」
内海「伝説の姫発見器。伝説のウエストゲートパーク姫を捜し出すためのものだ。これを向け、スイッチを押すと、相手が本物の姫なら、ピンポーンと音がする」
 手にした計器を見つめる光一と剛。
内海「頼む、姫を見つけて、宇宙に平和を……。腹筋じゃなくて、ローラースケートだったら……」
 がくっと、内海の首が垂れる。

 おもいっきり御殿。
堂本光一「その時もらったのがこれなんや」
堂本剛「まさか、こんなすぐ見つかるとは思わんかった」
あい「あたし、一体どうすればいいの」
堂本光一「どうすればって。それは自分で考えてもらわな」
堂本剛「ウエストゲートパーク姫なんやから」
あい「そんなあ」
井ノ原「いいかげんにしろよ。勝手に決めつけといて、なんだよそれは」
森田「そういうのを自業自得っていうんだぞ」
三宅「……自分勝手、だろ。とにかくおかしいよ。な、イエロー」
岡田「なんか、難しうて全然わからんかった」
 顔を見合わせる堂本光一と堂本剛。
堂本光一「なんか怪しい」
三宅「あやしいのはそっちだろ」
堂本剛「女の子は姫一人やけど、あんさんら、姫とつきあいたいとか、結婚したいとか思っとるんやろ」
 おもいっきり首を横に振る坂本たち。
あい「何よ、それ」
大袈裟「とにかく、あいちゃんを連れて行かれたりしたらこまるんだ」
坂本「一番強いんだから」
 井ノ原以下、全員頷く。
堂本光一「やっぱり。この方こそ、平和をもたらす姫なんや」
 混乱する一同。
三宅「あれっ。ところで、何でみんな集まったんだっけ」
井ノ原「そうだよ。そもそもこいつらなんなんだ」
大袈裟「そうだったね。実は大変なことが起ころうとしているんだ」

 宇宙船。
 ディプレイを見ているヒガシ。
「だいぶ近くなった。もうすぐ手に入るぞ」
 嵐の五人が後ろに控えている。

 どこかの宇宙研究室。
 大きなパラボラアンテナの映像。
 機械をのぞき込んでいる研究員。
「何かが地球の方へ飛んできます」
「彗星か」
「大きさからすると、小惑星のようです」

 おもいっきり御殿。
あい「うっそー」
井ノ原「信じられねえ」
岡田「そないなことあるわけないやろ」
森田「ばっかじゃねーの」
三宅「うそつきは泥棒の始まりだよ」
 堂本光一と堂本剛を白い目で見るVレンジャー。
堂本光一「ほんまの話やねん」
あい「腹筋三千回っていうのがねえ」
井ノ原「俺はできるから、征服されてもいいよ」
堂本剛「けど、毎日毎日死ぬまでやらなあかんのやで」
三宅「そんなことさせる宇宙人がいるわけないじゃん」
堂本光一「それが、いてるんやて」

 どこかの天文台。
 巨大な天体望遠鏡。
 モニターを見ている所員。
「これは……。金属でできている」

 おもいっきり御殿。
森田「ばからしい。そんな話はやめて、テレビでも見ようぜ。サッカーやってるはずだ」
 森田がテレビのスイッチを入れると、アナウンサーが慌てた様子で原稿に目を通している。スタジオは混乱しているらしく、スタッフの怒鳴り声なども聞こえる。
三宅「何だろう。何かあったのかな」
 テレビに注目する一同。
アナウンサー「番組の途中ですが、臨時ニュースを申し上げます。先ほど、政府は、緊急記者会見を行い、地球に向かって、金属製の物体が飛来しつつある、と発表しました。天文台、宇宙研究所の観測の結果、明らかに人工的な建造物と見られ、大きさは、およそ、長さ三十メートルほどと思われます。現在、各国の研究所から、その物体へ向けて信号を送っておりますが、反応はない、とのことです。なお、仮に地球に衝突したとしても、中が空洞であれば、途中で燃え尽きるため、地上への影響はありません。では、会見の模様です」
 画面は、官房長官が原稿を手に現れたところに変わる。
堂本光一「来よった」
堂本剛「ウソやなかったやろ」
 顔を見合わせるVレンジャー。
 テレビの中では、官房長官が原稿を読んでる。突然、画面に砂嵐が吹き荒れ、ヒガシの顔に変わる。
あい「きゃあ、いけてる!」
堂本剛「これや」
堂本光一「ヒガシ・サンや」
坂本「これが……」
 画面のヒガシは、穏やかな表情で語りかける。
「地球の皆さん。こんにちは。私はヒガシ・サン」


ナレーション「いよいよ地球に危機が迫ろうとしていた。人類を腹筋地獄から救い出せるのは、Vレンジャー、君たちしかいない。行け、Vレンジャー、とんでもないことになってきた戦士たち」

TO BE CONTINUED!


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