第21話 宇宙の帝王

(by hongming)

ナレーション「うやむやのうちに終わるかと思われたVレンジャーRだが、二人の宇宙人の出現もあり、ストーリーは意外な方向へと向かうことになった。しかし作者がどれくらい先のことを考えているかは大いに不安である。これは、正義と友情に命をかけた若者たちの物語である」

 おもいっきり御殿。
みの「あーたたち、宇宙から来たって言うの?」
堂本剛「そ、宇宙。宇宙ちゅうたかて、何もない宇宙空間で生まれたわけやない」
堂本光一「かといって、火星人や金星人やない」
大袈裟「なら、何星人なんだよ」
剛・光一「ラブラブ星人や」
みの「で、何の用なの」
坂本「今から酒をごちそうになるんだから」
大袈裟「酒よりも、ラーメン食べに行こうよ」
みの「おっ、ラーメン。いいね。でもね、食べ方を工夫しないと、塩分と脂肪分のとりすぎになっちゃうからね」
堂本剛「あのう……」
みの「だから何よ」
堂本光一「俺らの話、聞いてもらえんやろか」
坂本「わかった。聞いてやるから手短に言え」
堂本剛「地球が狙われとるんや」
大袈裟「誰に」
堂本光一「宇宙の帝王、ヒガシ・サンに」
みの「何で悪い奴なのにさんづけなのよ」
堂本光一「サンまで名前なんや」
堂本剛「それに、いくらこんな話でも、呼び捨てはちょっと……」
(hongming「こんな話で悪かったな」)
坂本「で、そのヒガシ・サンがどうした」
堂本剛「地球を狙っとる。実は、俺らのラブラブ星もヒガシ・サンに征服されてもうて」
堂本光一「みんな偉い目におうとんのや」
大袈裟「どんな?」
堂本剛「あのな……」

 宇宙に浮かぶ青い星・地球がディスプレイに映っている。それを見ているヒガシ。

 おもいっきり御殿の応接間。
 ソファーに腰を下ろしているみのさん、坂本、大袈裟、堂本光一、堂本剛。
堂本剛「あのな、ラブラブ星が、ヒガシ・サンに征服されてからというもの、みんな……、みんな……」
 身を乗り出すみのさん、坂本、大袈裟。
堂本光一「みんな、毎日三千回も、三千回も……」
坂本「三千回も、何かされるのか」
堂本剛「腹筋させられるのや」
大袈裟「腹筋?」
堂本光一「そう、腹筋や。毎日毎日三千回もやらされるんや」
坂本「腹筋ぐらいいいじゃないか。体のためにもなるだろう」
堂本剛「でも、十歳以上は、男も女もやらなあかんのやで」
坂本「やればいいだろ」
堂本光一「そら、俺らはええんやけど、年寄りには難儀なことなんや」
みの「腹筋ができないとどうなるの」
堂本剛「消されてしまう」
 黙り込むみのさん、坂本、大袈裟。
大袈裟「毎日三千回っていうのは……」
坂本「俺は、まだ二、三年はできると思うけど……」
みの「あたしゃできないよ。十回もできない。だめ、絶対だめ」
堂本光一「そやろ。そやから教えに来てやったんや」
坂本「でも、どうやってきた」
 堂本剛、白馬を指差し、
「あれに乗って」
大袈裟「あの馬で?」
堂本剛「あれは二人乗り宇宙船なんや。地球の人らを驚かさんように、地球の生物の形にしてあるんや」
大袈裟「あれでこの部屋にワープしてきたのか」
みの「なるほどねえ」
堂本光一「これなら誰も驚かんやろ」
坂本「うーん……」
みの「そ、それで、ヒガシ・サンのことなんだけど、どうすりゃいいのよ」
堂本剛「この星には、Vレンジャーっちゅうスーパー戦隊があるっちゅう情報が入ったんや。その力で迎え撃てばええやろと思って、様子を見てたんや」
堂本光一「ところが、解散しそうなんで、慌てて出てきた、というわけ」
みの「Vレンジャーでねえ」
坂本「無理なんじゃねえか」
大袈裟「荷が重すぎるよ」
 慌てる光一・剛。
堂本光一「でも、もう一つの戦隊はもうないんやで」
みの「もう一つ?」
堂本剛「ほら、鉄板DISHちゅう……」
みの「そういえば、突然やめるっていう連絡が来たのよ」
堂本光一「こっちがよけいなことに力使わんで済むように、俺らが金出して手ぇ引いてもらったんや」
坂本「でもな、日本にも自衛隊があるし、あっちこっちの国に立派な軍隊があるんだぞ」
大袈裟「別にVレンジャーじゃなくたっていいじゃない」
堂本剛「そんなこと言うたら、レギュラーが減るよ。俺らは別にええけど」
坂本「そ、それは困る。やる、Vレンジャーでやる。な、大袈裟」
大袈裟「もちろんだとも。Vレンジャーが見事に返り討ちにしてやる。みのさん、そういうことです。またスポンサーとして協力してください」
みの「そうねえ。宣伝の方はしっかり頼むよ」
大袈裟「はい。任せてください」
坂本「作戦を立てよう。もう少し詳しく敵のことを教えてくれ」

 ボーリング場。
 ボールが当たり、ピンが倒れる。
 笑顔の井ノ原。

 グランド。
 サッカー・ボールを蹴り、走る森田。

 プール。
 泳ぎ終わり、笑顔を見せる三宅。

 ラグビー場。
 ボールを抱え、敵のタックルをかわしながら走る岡田。

 スタジオ。
 ダンスのレッスンをしているあい。

 Vレンジャー本部。
 機械を操作して、何か作っている坂本と大袈裟。

 砂浜。
 ジョーがクレーンを操作し、鉄板DISHのメンバーが海の家を建てている。
マボ「まさか、建設からやらされるとは思ってなかったな」
タツヤ「ほんと俺たちって、何でもやるね」
トモヤ「でも、海の家の方が地下工場よりいいよ。スポーツって感じがするし」
タイチ「マッチさんって、何考えてるのかなあ。深層心理を調べてみたいね」

 宇宙船の中。
 椅子にかけているヒガシ。
ヒガシ「どうやら、向こうはこっちに気づいたらしい。攻めるばかりじゃなく、攻められてみるのも面白いかもしれない。その時は、頼むぞ」
 ヒガシの前には、五人の若者が片膝をついている。(嵐)

 おもいっきり御殿の応接間。
 みのさん、坂本、大袈裟、Vレンジャーがそろっている。
井ノ原「おいおい、もう終わったんじゃなかったのか」
あい「あたし、もうすぐデビューできそうなのよ」
大袈裟「みんなにまた集まってもらったのは、ほかでもない。実は大変なことが起こっているんだ」
岡田「また鉄板DISHの連中かいな。なんや、あいつら、おごってくれる言うとったのに」
坂本「そうじゃない。もっと大変な敵だ」
三宅「もっと大変なの? あれ以上のギャグには耐えられないよ」
坂本「違うって」
大袈裟「とにかく説明してもらうから。おーい、ちょっと来てくれ」
 大袈裟がドアの向こうに声をかけると、白馬にまたがった光一が現れる。
森田「あ、あいつ……」
大袈裟「一度会ったらしいね」
 光一はみんなの前へ馬を進めると、ひらりと飛び降りる。
あい「ちょっとタイプかも……」
 光一が降りると、馬の首がはずれ、堂本剛が顔を出す。
あい「きゃあ、こっちもいい……」
 一人喜んでいるあいをよそに、緊張する坂本たち。
 光一と堂本剛は、あいを見て驚く。
堂本光一「まさか。こんなところに」
堂本剛「やっぱり……。言うた通りやろ。姫や」

ナレーション「思いも寄らぬ展開に動揺するVレンジャー。ふたりがあいを見て発した言葉、姫、とは何か。遠く離れたラブラブ星とあいとには、どんなつながりがあるというのだろうか。どうなるVレンジャー。主役の座を奪われそうな戦士たち」

TO BE CONTINUED!


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