第18話 「香港笑劇戦闘記・後編」

(by やーちゃんさん)

 最新技術の行き届いたコンベンティション・センターは、香港の様々なセレモニーを開催する処で、その中にジャッキー・チェンを人質に立てこもった坂本と鉄板DISHのメンバー!
 彼等と戦う為に大袈裟が密かに製作していたのは、頑丈なブラックの巨大ロボガングロとレッド・ブルー・イエローの3頭身ロボチーム・カミング・センチュリー略してカミセンだった! 一見、カワイイく見えるこのカミセン・ロボは、実はとてつもない力を持っていた!ガングロ・ロボフォローの元、戦えチーム・カミング・センチュリー!
 そしてとてもしつこいが、作者は信じている!大袈裟、ブラック・レッド・ブルー・イエローと坂本とが一緒に、TAKE ME HIEHERを踊るその日を!
 これは正義と友情に命をかけた若者の物語である!
 
 港の倉庫(巨大ロボガングロと3頭身ロボカミセンがある)
 大袈裟は、井ノ原、森田、三宅、岡田の顔を見ながら説明を始めた。
大「この3頭身ロボは、実はバーズカ砲にも負けない強力な爆弾なのだ!レッドはキック、ブルーはダイブ、イエローは頭突きがそれぞれの得意技、そして三つのチーム技としてアクロバットA、アクロバットB、アクロバットCがある!精神力集中のキーワードは、「小さい」と言う言葉!そして爆弾のパスワードはチーム・カミング・センチュリーだ。」
井「俺はこのカミセン・ロボをフォローすればいいんですね、博士!」
岡「山椒はぴりりと小粒って言う訳かいなー」
森「三枝が如何したって?」
三「そうじゃなくって、山椒だよ!小さいことも大切だってことだよレッド」
 不安な顔で森田を見ていた、井ノ原と三宅、岡田に大袈裟は満面の笑みを浮かべた。
大「今回、1番活躍してくれるのはレッドだとおもうよ!只、チーム・カミング・センチュリーのパス・ワードは無闇に言っちゃダメだよ!レッド・ブルー・イエロー」
 三宅と岡田はもちろん、さすがに森田も大袈裟の低めの声に真剣になった。

 コンベティンション・センター(ジャッキー・チェン人質の部屋)
 
ジョ「幾らあいつらでも今回は勝ち目あらへんやろう!」
ト「そうですよね!本場中華は俺達のモノですね」
タイ「お前、そればっかりじゃん!さっき食べたろう本場中華」
タツ「それよりこんなことでジャッキーに嫌われるのイヤだなー」
ジ「鉄板DISHは悪い人、私、大嫌い!人に迷惑かける人も、威張る人も!」
マ「ジャッキー、誤解なんだってば僕達はあなたのファンですよ」
坂「何をくだらない事をごちゃごちゃ言っている!もう遅いんだよ!お前達は、未来派センスOver光線を浴びてしまったのだから、戦わずに居られないのさ。」
ジョ「何処ぞのアイドルグループの歌を二つ合わせた見たいな名前の光線やなー」
 トモヤ、タイチ、タツヤ、マボそしてジャッキー・チェンまでもが、坂本を怪しむ目付きで見て頷いていた。
坂「どんな名前だって俺の自由だろう!そんなことより戦いの準備をしろよ!」
 坂本が逆ギレしている真っ最中に大袈裟とVレンジャーはコンベティション・センターに到着して、戦闘準備に取りかかっていた。
 大袈裟は巨大で頑丈なブラックロボ、その名も「ガングロ」の操縦席に座っている井ノ原、森田、三宅、岡田に頷くと拡声器を持って坂本と鉄板DISHそして人質になっているジャッキー・チェンの方角を向いた。
大「坂本くん、香港旅行は楽しくしたかったのになー残念だよ!こうなったらお互い正々堂々と戦おう!ジャッキーさん、僕なりにエンタティメントな戦いを考えました!必ず助けますので見ていて下さい!」
 坂本と鉄板DISHが外を見ると巨大な井ノ原の形をしたロボットが立っていた。
 鉄板DISHのメンバーは、坂本に再び「未来派センスOver光線」を浴びせてもらうと、巨大になりパワーも倍増した。
 その姿をモニターで見ていた森田、三宅、岡田は3頭身カミセンロボの準備を始めた。
森「おい、カミセンレッドあいつらを思いっきりキックして来い!ボコボコになるまで」
三「カミセンブルー、頑張るんだよ!あいつらの体にダイブしまくれ!」
岡「カミセンイエロー、息が出来なくなるくらい頭突きしてやるんやー!頼んだでー」
井「よーし行くぞう!オープン・ザ・カミング・センチュリー、戦闘開始」
 いきなりガングロ・ロボの胸の部分が開くと、3頭身のレッド・ブルー・イエローが行進して現れた。
 ♪Theme of Coming Century♪がテーマ曲
 センターのモニターで見ていた、鉄板DISHはバカ笑いし、坂本も鼻で小バカにして笑っていたが、ジャッキー・チェンだけは1人感動していた。
ジ「エンタティメントに飛んだ戦いね、大袈裟さん!テーマ曲あるのはカッコイイよ」
 アホらしいがと言うより完全に自分達の勝利を確信して、鉄板DISHのメンバーは戦闘態勢に入った。
 カミセン・ロボ99個はジャッキーが人質にされて、坂本と鉄板DISHが立てこもっている部屋に入って来た。
ト「お前ら小せーな!チビが更にチビになったんだもんな!」
ジョ「ほんまになー、お前なんて小さいだけでなくより女みたいやわー」
マ「それに小さいのにおでこは一人前に出ているんだなー」
 トモヤ、ジョー、マボはカミセン・ロボを持ち上げてからかった。
 ガングロ・ロボの操縦席で見ていた、レッド・ブルー・イエローは怒りによって精神パワーが集中し始めた。
森「小さくって悪かったな!このデクノボー、キックしろレッド」
三「小さくって悪かったな!女みたいだと、よし思いっきりダイブしろブルー」
岡「小さくって悪かったわ!デコが出ていようと大きなお世話やー頭突きしろイエロー」
 井ノ原はあいちゃん並の精神パワーを3人に感じ、思わず冷や汗が出た。
 それぞれ33個が集合し「小ちゃいって言ったな」カミセン・ロボは鋭い目で睨み付けると、トモヤにキック、ジョーにダイブ、そしてマボに頭突きをそれぞれ激しく始めた。
ト「何だよこれ!止めろよ、小さくてもそんな集中的にキックされたら足が痛いよ!」
ジョ「何やいきなりお腹の上に飛び乗って、頭の上は止めろ!髪薄くなってんや」
マ「止めろよ!顔を…顎がはずれてしまうじゃないか………痛い……ちくしょう」
 飛び付こうとしたタイチ、タツヤを坂本は止めた。
坂「こいつら外見は小さくても、中身は凄い力を持っている!さすが長野が作るロボだよ!敵ながら感心するぜ!でもこっちにも未来派センスOver光線がある事を忘れてもらちゃ困る!」
 坂本はもう1度、鉄板DISHに未来派センスOver光線を浴びせた。
 鉄板DISHはもっと巨大になりパワーもアップした。
井「博士、大丈夫ですか!あのチビ…いやカミセン・ロボで」
 井ノ原は突き刺さる森田、三宅、岡田の視線を無視して、大袈裟にモニターから叫んだ。
大「あの光線は、僕も研究に参加していたんだ!でもさすがは坂本くんだ、完成させるとは!しかし僕も負ける気はない!カミセン・ロボはこれだけ巨大になってこそ戦闘が優位になるんだよ。鉄板DISHのメンバーは大きくなった分、動きが鈍くなる中をカミセン・ロボがあちこっちへと動く、彼等は消費量が多くなり、やがて戦闘能力も下がるのさ」
 大袈裟の笑顔を見て、井ノ原、森田、三宅、岡田はより戦闘意欲を燃やした。
 一方、鉄板DISHと坂本はある程度キック、ダイブ、頭突きをすると大人しくなったカミセン・ロボとじっと見合っていた。
タイ「それにしてもトモヤの足はまるで電柱みたいに腫れているね!それにリーダーのその髪の毛と水脹れみたいなお腹、マボは目がお岩さんで首が見えない位顎が腫れている」
タツ「こいつら強暴だよ!俺達可哀想でしょ、ねぇジャッキー!」
ジ「ちょっとね!でも悪いことするから天罰下ったのよ」
 タツヤがジャッキーに泣き付いていると、いきなりカミセン・ロボが動き始めた。
 何時の間にか窓からガングロ・ロボの手が入っていた。
森「よーし一気にやちまうぜー、ブルー・イエロー!アクロバットA〜MUSIC FOR THE PEOPLE!メロディスタート」
 カミセン・ロボは集合し、MUSIC FOR THE PEOPLEのアクロバットから、キック、ダイブ、頭突きを鉄板DISH目掛けてした。
三「次は飛べアクロバットB〜MADE IN JAPAN!メロディスタート!」
 ガングロ・ロボの手の中でアクロバットをすると、カミセン・ロボは上空から鉄板DISH目掛けて、天使の羽と金の輪を付けて飛び込んだ。
岡「まだあるでー!これで決め技やー!タックルしろ!アクロバットC〜Be Yourself!メロディスタート」
 再び上空から鉄板DISHはもちろん、坂本目掛けて飛び込み、キック、ダイブ、頭突きを繰り替えした。
 ガングロ・ロボの手の中に、ブルー・イエローは退却命令が出て直ぐに乗ったが、レッドだけは、よっぽど「チビ」と言われたのが腹立たしかったのかトモヤを蹴り続けた。
 その瞬間、カミセン・レッドは鉄板DISHのメンバーに捕まった。
ト「ムカつくぜ!このチビ野郎が」
マ「もう何も出来ないだろう!ほーら高い高い!」
レ「何するんだよ!離せよ!小ちゃいと思ってバカにするなよ!よーし」
大「待って!坂本くん香港の人を巻き込むのは良くないと思わないかい」
 坂本は大袈裟の言葉にしばし考えて提案した。
坂「確かにな、長野お前の言う通りだ!この決着は港で着けよう!」
 1時間後、坂本と鉄板DISHが待つ港に大袈裟、井ノ原、森田、三宅、岡田は来た。
 そして助けられたにも関わらず、好奇心から来てしまったジャッキーも一緒だった。
 再び未来派センスOver光線で巨大化し、パワー・アップした鉄板DISHのメンバーを見て、大袈裟は深く溜め息を付きガングロ・ロボの操縦席の井ノ原、森田、三宅、岡田に合図を送った。
 再び♪Theme of Coming Century♪のメロディ
 カミセン・ロボのブルーとイエローが行進して現れ、やがてレッドの側に近付いた。
坂「まだこんな3頭身ロボで戦うつもりか?長野!」
大「坂本くん、鉄板DISHの皆も僕はこんな事したくなかったけど仕方ないね」
 カミセン・ロボのレッド、ブルー、イエローは、メロディに合わせて何時の間にか踊り出していた。
ジ「大袈裟さん、素晴らしい!3人の踊りも上手いね!操縦席でああやって踊ってるのね」
 ジャッキーが操縦席で踊るレッド・ブルー・イエローを見ていると、彼等はいきなり手を合わせ何か叫んでいるようだった。
 坂本と鉄板DISHも踊りを止めて、カミセン・ロボ33組が手を合わせたのを見て、不思議に思った。
鉄「なんやろなー!気持悪いよねリーダー!何で止めてしまったの!疲れたのかな!あっそれあるかもチビだから」
 ジョー、マボ、タイチ、タツヤ、トモヤの顔を鋭い目でカミセン・ロボは睨んだ。
カ「小ちゃいって言ったなー!よーしもう怒ったぞ!Theame of Coming Century」
 カワイイ声で叫んだ途端、カミセン・ロボは次々と爆発して行った。
 やがて爆発が終わった頃には、鉄板DISHは元の姿に、坂本もボロボロになっていた。
井「はーい!ちょうど日本への貨物船到着、坂本と鉄板DISH御一行様ご乗船!」
 ガングロ・ロボの手に坂本と鉄板DISHを乗せると、船の甲板に落した。
ジ「次の映画、このロボット使いたいよ!いいですか大袈裟さん?あなた素晴らしいエンタティメントの戦いしてくれたね!ところで小さなロボで手を合わせて何を言ったの?」
大「それは企業秘密です!ジャッキー・チェンでも教えられません」
井「でも嬉しいです!俺達のスポンサーになってもらえるなんて」
三「僕達、一生懸命正義の味方として努力します」
岡「俺もジャッキーさんの名を汚さないよにしますわ」
森「博士パスワード教えてもいいじゃないか!あのねぇ、こうやってブルーとイエローと手を合わせてTheame of Coming Centuryて叫ぶと……」
 その瞬間、まだ爆発してなかったカミセン・ロボ1組が、ジャツキー目掛けて上空から飛び込み爆発した。
 森田の一言で映画主演はもちろん、ジャッキースポンサーの話しもお流れになった。
 小型爆弾を取り外したカミセン・ロボと、ガングロ・ロボを、あんな災難に合ったにも関わらずジャッキーは映画用に買ってくれた。
 大袈裟の手に今も残っているのは、コンベティション・センターから無事救出された時、ジャッキー・チェンと大袈裟、井ノ原、森田、三宅、岡田が一緒に笑っている写真一枚だけだった。

 現在(Vレンジャー本部)

 長野が香港での戦いの日々を思い出している横で、坂本はまだ子供のようにすねていた。
 長野が慰め様としたその時、一台の小型車が止まった。
ド「あの、ここVレンジャーの本部やろうか?俺、配達人のなー堂本剛言うんやけど!ジャッキーズ・キッチンから来たんやけど!」
V「えっジャッキーズ・キッチンってあのジャッキーの!ってことは中華料理だ!」
ド「普通は配達しないんやけど、ジャッキーさんがあんた達に料理とこれをって!それじゃ渡したから帰るわ」
 長野は紙を開いてみて、坂本に笑顔でそれを見せ、2人はテレながら笑った。
ジ「Vレンジャーの皆は相変わらず元気なよね!顔見られて、ちょっと怖い事も思い出したけど嬉しかったよ!でも大袈裟さん、いえ長野さん1番嬉しかったのは!あなたと坂本さんが仲直り出来たこと、友達はお金に変えられない大切な宝物だよ!ジャッキー」
 次にどんな敵が来ようと、正義と友情さえあれば戦い続けられるVレンジャー!
 その為にも日夜研究に励め長野、坂本よ!
 何処からともなく聞えて来るメロディ♪TAKE ME HIGHER♪
 シルバー色を取り入れた服で踊り出す坂本、長野、井ノ原、森田、三宅、岡田!
 これは正義と友情に命をかけた若者の物語である(多分(^^ゞ)

TO BE CONTINUED!


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