第17話 「香港笑劇戦闘記・中編」

(by やーちゃんさん)

 ついに日本だけでは飽き足らず、香港の人の迷惑も顧みず大袈裟博士率いるVレンジャーと坂本率いる鉄板DISHのメンバーとの、戦いの火蓋は切られようとしていた。
 しかし、ジャッキー・チェンが戦いに全面協力をする条件に出したのは、エンタティメントに溢れた戦いだった。
 大袈裟、君のその頭脳なら奇抜なアイディアでエンタティメントな戦いの世界を繰り広げられる!作者は信じているぞ、いつか坂本と共にTAKE ME HIGHERを踊る日を!
 これは正義と友情に命をかけた若者の物語である!

Vレンジャー本部 香港に旅立つ日

大「はい、分かりました!ペニシュラン・ホテルの2階で待っています!」
 電話を切ると大袈裟は井ノ原、森田、三宅、岡田、あいに向かって丸のサインをした。
井「やりましたね、博士!今から楽しみですよ、本物に会えるなんて!」
岡「ほんま、夢みたいやわー!これでスポンサーになって貰えれば最高やな」
あ「どうしよう!お嫁さんになってとか言われたら!あい、テレちゃう!」
森「どんなモノ食べれるのかなー!フカヒレのスープだろ、あと北京ダックは外せない」
三「あいちゃんとレッドは留守番して貰った方がいい気がするな」
 三宅の顔を見て深く頷くと井ノ原と岡田は、あいと森田を軽蔑の眼差しで見ていた。
大「まぁ、そう言わずに皆で行こうって決めたのだから!ブラック、イエロー、ブルー」
 大袈裟は笑いながら時計を見て、慌てて皆と空港へと出発した。
 荷物チェックで一時はテロリストと間違われ、大袈裟とVレンジャーの戦闘用具は全て没収され誤解は解けた。
 集合場所へ行った大袈裟とVレンジャーは坂本と鉄板DISHがそこに居たのを見て驚いた。
森「何でお前達がいるんだよ!俺達はラ王で当たったんだぞ!デクノボー」
ト「俺達も当たったんだよ!ラ王でチビ」
 座っていたトモヤは立ち上がり、森田を見下ろした。
 井ノ原、三宅、岡田とタツヤ、タイチ、ジョーが睨み合っている横で、あいは坂本を激しく睨み付けていた。
坂「偶然って…あるもんだよなー!まぁお互い旅行を楽しもうなー長野」
大「そうだね、せっかく旅行に行くのだから仲良く行こうよ」
あ「でもこの人達、か弱いあいのことイジメルから大嫌い!」
ジョ「誰がか弱いんやー!勘違いせんといて欲しいわ!イジメラれてるのはこっちだわ」
マ「まぁ、まぁ旅は仲良く行きましょう!私、添乗員のマボです!どうぞよろしく」
 大袈裟が不安げに坂本の顔をると、坂本は不敵な笑みを浮かべていた。
 5日間の香港旅行が無事に終わること、そしてジャッキー・チェンとの話しを邪魔されない事だけを大袈裟は願いながら、飛行機のタラップを上っていた。
 4時間の飛行機の旅はあっと言う間に過ぎて、大袈裟とVレンジャーそして坂本と鉄板DISHは、香港国際空港に着いた。
香港国際空港到着ロビー
マ「それでは皆様をホテルにご案内します!こちらのエキスプレスにお乗り下さい」
井「あんた鉄板DISHのメンバーなのに、何で添乗員やってるんだよ!」
三「それに現地は自由行動って書いてあったよ、確か!」
マ「俺はラ王本家本物なの!だから添乗員も出来るんだよ」
岡「何か無茶クチャ言っている気がするわー!」
森「どうでもいいけど俺、腹減った!早く食べに行こうぜ!」
ト「俺もチビの意見に賛成!」
タイ「さっき飛行機の中で食べたばかりだよ!」
ジョ「それよりチャイナ・ドレスのお姉さんやろー!はよ見たいわ」
あ「イヤらしい!それより買物よ!シャネルにルイ・ヴィトンに」
タツ「何か本当に旅行って感じだね!楽しいね」
 この様子を坂本は呆れ顔で見ていたが、やがて絶えられず叫んだ。
坂「いい加減にしろ!子供であるまいし!とにかくホテルに行くんだ!長野もそれで…」
大「あっごめん!ホテルに連絡を入れといたんだよ!坂本くん」
 大袈裟は坂本の目を盗んで、公衆電話でジャッキーに連絡を取りに行っていた。
 坂本と鉄板DISHと分かれた大袈裟とVレンジャーのメンバーは、それぞれの部屋に入り、着替えを始めた。
 大袈裟と井ノ原、森田、三宅、岡田は準備が出来たのに、あいは中々部屋から出て来なかった。
 扉をノックして入って見ると、あいの部屋には服が散乱していた。
井「あいちゃん、ジャッキーを待たせることになるから早くしよう!」
三「そっちの服カワイイと思うよ!それに決めたら!」
岡「こっちのオシャレな靴にもピッタシやでー!それに決まりやあいちゃん!」
森「そっかどの服着てもそんな変わらないと思うけどなー」
 井ノ原、三宅、岡田が森田をじっと見たのと同時にあいも睨み付けていた。
あ「あい、行かない!だって洋服決まらないんだもん!お留守番する!」
大「仕方ないなー!もう時間もないし、じゃあいちゃん留守番していてね」
大袈裟は、井ノ原、森田、三宅、岡田と一緒に部屋を出て、早足で出掛けた。
あ「ひどーい、本当に置いてくなんて!もういいもーん、1人で美味しいモノ食べたり、ショッピングに行ってしまうもーん!」
 あいはショッピングと食べ歩きの旅に、香港の街へと飛び出した。

 ペニシュラン・ホテル 2階 シャングリラ

 大袈裟と井ノ原、森田、三宅、岡田は緊張してジャッキー・チェンを待った。
ジ「どうもお待たせシマシタネ!オオゲサさんでいいのかな?」
大「はい!オオゲサでいいです!でも本当はナガノと言います」
ジ「あなたはウソツキでないね!私、スポンサーのこと考えていいよ!チャレンジする人ダーイスキ!でももう1人、私にスポンサーオネガイして来たよ!私、困っている!」
 大袈裟、井ノ原、森田、三宅、岡田は顔を見合わせ、溜め息を付いた。
大「それはサカモトくんと鉄板DISHですかジャッキー?」
井「あいつらは悪い奴ですよ!俺達は正義の味方だけど」
岡「そやーいつも僕等の邪魔ばっかりしているイヤな奴ですわ」
森「それよりまだ食事に行かないのかなー!俺、腹減ったよ」
三「食べに行けないよ!坂本と鉄板DISHがいる限りは」
森「何だって許せねぇー!俺の本場中華を邪魔するなんて、俺をチビとも言ったし!」
ジ「残念です!あなた達にはがっかりしたよ!坂本さん貴方達のこと悪く言ってないのに!他人の事、悪口言う人はキライ!でもチャンス上げるね、ゲームに勝った方のスポンサーなるよ」
 ジャッキーはコーヒーを飲み終わると、席から立ち足早に消えた。
 大袈裟は心の中でゲームだけで済めばいいが、もし戦いになったらどうしようと考えながらホテルへ道を歩いた。
 ホテルへ帰るとあいは食べ過ぎと軽い風邪になり、ベッドで眠っていた。
大「あいちゃん、大丈夫かい?食べ過ぎと軽い風邪だって?」
あ「あっ博士!あい、日本に帰るまで大人しくしてなくちゃダメだって悲しい!」
岡「どないする?あいちゃんなしで戦うことになるのか?」
井「ああー仕方ないよ!病人なんだからさピンクなしで戦うしか」
三「でももう1人勘違い野郎がいるから心配だよね、レッド!」
森「絶対許さねぇーからなー!俺の本場中華を邪魔しやがって」
 三宅、井ノ原、岡田は森田を見つめ、深く溜め息を付いた。
大「とにかくベストをつくそう!君達は正義の味方なのだからブラック、イエロー、ブルー、レッド」
 井ノ原、岡田、三宅、森田が眠りについてから、大袈裟は港の倉庫へと出掛けた。
 その頃、坂本と鉄板DISHも、いつでも戦えるように準備を整えていた。
 次の日、ジャッキー・チェンは大袈裟とあいを抜かしたVレンジャーと坂本と鉄板DISHを「ドランゴン・センター」へと連れて行き、最上階の吹き抜けを走るジェット・コースターを指し示した。
ジ「あのジェット・コースターに怖がらず乗り切った方のスポンサーになるよ!

 Vレンジャーは人数が足りないので大袈裟が変わりに乗ることになった。
ジ「待ってあなたでない、坂本さん乗りなさい!長野さんが乗るんだからね」
坂「えっいや、あんな高いところ……分かりました!乗ればいいんだろう」
 それまで形勢は幾分、鉄板DISHに優勢だったが、長野と坂本との戦いで5分5分になりつつあった。
 最後は森田とトモヤの対決だった。
森「デクノボー許せねぇー!本場中華の楽しみを奪ったんだからな!負けないぜ」
ト「何、言ってんだよ!チビが生意気言うなよ!本場中華は俺のモノさ!」
 あまりに次元の低いケンカに、他のVレンジャーメンバーと鉄板DISHのメンバーは互いの顔を見て頷きあった。
 結局、本場中華への思いがトモヤより強かったのか、森田が勝利を納めた。
ジ「これで決まったね!大袈裟さん、Vレンジャーの皆のスポンサーになるね!いいですね、坂本さん!」
 その後、大袈裟とVレンジャー、坂本と鉄板DISHを連れて、ジャッキーは本場中華を食べに行った。
 最後にコンベテイション・センターを見に行くのに、ジャッキーは慰めの意味もあって坂本と鉄板DISHの車に乗った。
 大袈裟とVレンジャーのメンバーが到着すると、センターの前に人が集っていた。
 大画面にはジャッキー-が映し出され、その周りに鉄板DISHと坂本が居た。
ジ「助けて!鉄板DISHの皆、光線浴びたら急に強くなったね!私、スポンサーにならないと、香港の街壊すって言われた!でも私、約束破りたくない、大袈裟さん、Vレンジャーの皆、全面協力するけど1つ条件エンタティメントな戦いして下さい!そしたら私の映画に主演させるよ!」
鉄「それはないよ!俺達もジャッキーのファンなんですよ!そうやーあいつらばっかり美味しい思いしてるわー!言いナー本場中華食べ放題だよ!頭来た、もうこうなったらとことんやる!」
 タツヤ、マボ、ジョー、トモヤ、タイチは、激しく興奮して、怒りが倍増した。
井「でも勝ち目ないよね!あいちゃんは病気だし、俺達のロボはないし、武器もない!」
大「実はあるんだよね!今回はレッド、ブルー、イエロー、君達の精神パワーがポイントなんだ!そしてフォローするのはブラックだ!」
 大袈裟は井ノ原、森田、三宅、岡田を連れて、港の倉庫の中へ入り大きな布を外した。
森「何だこれ?俺が凄いたくさんいる!」
三「いち、にい、さん、全部で33個もいるよ僕達」
岡「これ俗に言う3頭身やないかー!こんなカワイイ俺達で大丈夫なんかなー」
井「この巨大なロボットは、俺ですか博士!」
大「巨大ロボは、頑丈なブラックでガングロ!3頭身ロボは、チーム・カミング・センチュリー略してカミセン!明るい21世紀を向かえようの意味を込めてね!」
 相変わらずの穏やかな笑顔で井ノ原、森田,三宅、岡田を見つめる大袈裟博士だった。
 坂本と鉄板DISHに対してガングロ・ロボと3頭身カミセン・ロボで、本当に勝ち目はあるのだろうか! ジャッキーの言うエンタティメントな戦いは出来るのだろうか?
 大袈裟よ!Vレンジャーよ!本場中華を守れ(こほっ失礼)香港の街を守れ!
 これは正義と友情に命をかけた若者の物語である。
 

TO BE CONTINUED!


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