第10話 「月下の騎士」

ナレーション「異常気象のような寒風吹き荒れるVレンジャーR。本部に侵入した鉄板DISHと森田の戦いはどうなるのか?他のVレンジャーは、ただ見てるだけなのか? 孤軍奮闘の森田に勝ち目はあるのだろうか? で、作者っ、これが最後通告だからなっ!わかってんだろーな?」

Vレンジャー本部。
森田を囲む鉄板DISHの5人。
タツヤ「おいお前、ちょっと卑怯にもほどがあるぞ」
トモヤ「ひとりだと思って手加減してやってたら、何なんだよ?これはっ」
タイチ「ここはルール通りに勝負をやるってのが常識だよ」
森田「あいにく俺の将棋には定石なんてねーんだよ。最後に勝ちゃあいいんだよ」
ジョー「なんか微妙に言ってることちゃうで」
マボ「で、その手に持ってる変なものはもう終わりなのか?」
森田「手?ああ、これか。なんかのリモコンみてーだな」
タツヤ「なんかのって、お前、わからずに持ってんのか?」
森田「うん、わかんねー。でも、押したらなんとかなるんじゃねーのか?」
適当に押してみる森田。するといきなり何本もの光線が走り、鉄板DISHの5人がはじき飛ばされる。
マボ「な、な、なんだ?これは」
タイチ「いって〜!ぜってーお前ら卑怯だわ」
森田「俺にもよくわかんねーんだけど」
トモヤ「わかんねーなら変なもんさわるなっ」
タツヤ「ていうか、ホントにわからずにやってんのか?」
ジョー「あやしい。絶対あやしいで」
疑いの目で森田を見る鉄板DISH。

みのの思いっきり御殿。
三宅「え?どうなっちゃったの?」
岡田「なぁ、これは?今回は説明はないん?」
坂本「・・・。しかたない、そうまで言うなら説明しよう。これはVセーバーやサムライ・ソードと同じ原理で動いている。ただし電力で補強してあるため、複数の敵を倒すことができる」
井ノ原「どうせまたパクリなんだろ?だから説明したくなかったんだろ?」
沈黙する坂本。

Vレンジャー本部。
ジョー「もうええわ。俺たちはひきあげようや」
タツヤ「えっ?このまま引き下がるってのか?鉄板DISHの名折れじゃねーか」
森田「歯折れ?歯が折れたの?早いとこ歯医者行ったほうがいいよ」
トモヤ「歯折れじゃねーよ、ナガレ!」
森田「ながれ?萩原流行?」
トモヤ「え?あれナガレって読むの?知らなかったなー、ぎゃははは・・・」
森田「そうなんだよ。俺も共演するまで知らなかった。ひゃははは・・・」
タツヤ「俺、ナオレって言ったんだけど」
マボ「ふたりとも聞いてねーぞ。なんかよくわかんねーけど、もう帰ろうぜ」
タイチ「でも、坂本さんのことは?もういいの?また怒られねー?」
マボ「何か土産があればいいだろう。おい、お前!」
森田「え? 俺?」
マボ「その手に持ってるやつ貸せ」
さっと森田の手からリモコンのひとつを奪い取るマボ。
森田「あっ、何すんだよっ。返せよっ」

みのの思いっきり御殿。
三宅「博士、まずいですよ。こっちの武器があいつらに取られちゃいました」
あい「持って帰るつもりみたい。けっこうせこいなあ」
大袈裟「いったいどのリモコンを持ってるんだ?」

Vレンジャー本部。
ジョー「よっしゃ。よくやった、マボ」
タイチ「ついでだから、どんなものなのか使ってみようよ」
トモヤ「また電流かな?」
マボ「よし、スイッチはこれだな」
リモコンを押すマボ。その途端、きらめくものが天井から滑るように降りてきて、鉄板DISH5人の頭をかすめて飛び、また天井へと戻っていく。
タツヤ「な、な、な、なんだ?いまの」
ジョー「この頭から落ちてきた黒いものはいったい何なんや?」
マボ「ま、まさか・・・」
悲鳴をあげる鉄板DISH。

みのの思いっきり御殿。
大袈裟「キタ・カッターだ!そうか、キタ・カッターのリモコンを持ってたのか」
岡田「でも、リモコン取られてたのに、なんであいつらがやられたん?」
坂本「説明しよう。これはさっきのスーパー・セーバーと連動している。さっきセーバーが作動したときに鉄板DISHのメンバーがメモリーにロックされたんだ」
あい「ようするに節約したってこと?こっちもせこいなあ」
黙りこむ坂本。

Vレンジャー本部。
頭のてっぺんを剃りあげられ、頭をかかえて右往左往している鉄板DISHと床の上で笑いころげている森田。
森田「うひゃひゃひゃ・・・、なんなんだよ、その頭っ。かっ、河童みてー!」
トモヤ「なんでこういうことになるんだよっ。これじゃあ外に出られねーじゃん」
タイチ「これはひどいっ。ひどすぎるっ」
ジョー「俺なんかそろそろ気になってたっちゅーに。これから生えてくるんやろか?」
マボ「帰ろう。みんなで帰ろう」
リモコンを放り出し、そそくさと帰っていく鉄板DISH。
森田「おい、もう帰っちゃうのか?ずっといるんじゃなかったのか?」

みのの思いっきり御殿。
三宅「なんだかんだ言って、結局ひとりで追い払っちゃったね」
坂本「ひとり?俺と長野の発明のおかげじゃねーか」
井ノ原「でもさ、あんた鉄板DISHのやつら仲間に入れたいって言ってなかったっけ?」
あい「言ってた。たしかに言ってた」
坂本「・・・・・・」
大袈裟「そうだね。僕はそれを聞いてすごくうれしかったのを覚えてるよ」
坂本「おい、大袈裟。さっきのリモコンマイクを貸せ」
マイクを口にあてる坂本。
坂本「おい、なんだってあいつらを返しちまったんだ?仲間にしたいって言ってただろうが! お前、いまから追いかけてって連れ戻してこい!」
岡田「それって卑怯なんちゃうか? 人のせいにして」
あい「そうだよね」

Vレンジャー本部。
ひとり残った森田。響きわたる坂本の声を聞いて、呆然と立っている。
「なんだよ。全部俺のせいかよ? もともと自分のせいじゃんか」
坂本「なんだって? さっさと行かねーかっ!」
森田「わかったよ。行くよ。行きゃあいいんだろ?」
ふてくされたようにミラクル・スクーターに乗って出ていく森田。

みのの思いっきり御殿。
大袈裟「じゃあ、そろそろ失礼しようか」
井ノ原「本部も誰もいなくなったしな」
三宅「あいつ、だいじょうぶなのかな?」
あい「ちょっとかわいそう・・・」
岡田「ぬれぎぬみたいなもんやからな」
横目で坂本を見る5人。ふてくされる坂本。

ミラクル・スクーターで疾走する森田。あたりはすでに夕暮れで薄暗い。空には雲が月を隠している。森田の前に何かの影が立ちふさがる。スクーターを止める森田。
森田「誰だ? お前。いったい何に乗ってんだ?」
その時、月が雲から顔を出し、あたりが明るくなる。白い馬に乗った男が森田の目の前に浮かび上がる。
男「悪いけど、今日のところはここで引き下がってもらえへんか? あいつらのことは俺らが何とかする」
ミラクル・スクーターのバックミラーがくるくる回り、チャンカチャンカチャンという音楽と「おもいっきり商事」という声が流れる。
森田「俺ら? お前はいったい何者だ?」
男「鉄板DISHの仲間やねんけどな、あいつらには恩があんねん。なんとかしたらな、あいつらもえらい目にあうかもしれん。俺、相棒とふたりで組んでんねんけど、人は俺のことを”白馬の騎士”と呼んでるみたいや」
ミラクル・スクーターのミラーが回り、音楽と声が流れる。
男「なあ、これなんとかならへんのか?人がせっかく決めてるのに台無しなんやけど」
森田「あのさ、このシリーズに出といて決めようと思うほうが間違いなんだよ。自分を捨てないとやってられねーぞ」
ミラクル・スクーターのミラーが回り、音楽と声が流れる。
男「そんな感じやな。なあ、もうちょっと仕事選んだほうがええんとちゃうか?」
森田「あいにく選んでられるほどレギュラー多くねえんだ」
ミラクル・スクーターのミラーが回り、音楽と声が流れる。
男「それにしても、これけっこうせわしないな」
森田「スポンサーがケチだからさ、モトとれるように回数流すんだよ」
男「大変やなあ。俺らも24時間不眠不休で働かされたけど」
森田「おたがいやってらんねーよな」
ミラクル・スクーターのミラーが回り、音楽と声が流れる。
男「なんかこれ聞くとやる気なくなんねんけど」
森田「俺、最初っからやる気ねーからさ」
男「ほな、今日のところはそういうことで」
森田「わかった。じゃ、俺、帰るわ」
たがいに去っていく白馬の騎士と森田。

Vレンジャー本部。
大袈裟、坂本、4人のVレンジャーが帰っている。そこへ森田が入ってくる。
森田「たっだいま〜」
井ノ原「おかえり。おつかれさん。あれ?鉄板DISHは?」
森田「なんかわかんねーけど、馬に乗った変なやつに追い返された」
三宅「馬ぁ? なに、それ?」
大袈裟「まあ、しょうがないよ。ひとりで留守番してもらったんだし」
あい「そうよね。ひとりでよくやったと思うもん」
岡田「珍しいな。あいちゃんがそんな優しいこと言うなんて」
あい「だって、悪いのはこの人だもん」
坂本を指さすあい。じろっとあいを見る坂本。
坂本「なんだ? 俺になんか文句あんのか?」
大袈裟「まあまあ。坂本くんも大人げないよ。みんな無事だったんだから、よかったじゃないか」
納得できない顔のVレンジャーたち。

ナレーション「こうしてまたしても鉄板DISHを退けたVレンジャー。白馬の騎士の正体は何か? 鉄板DISHはこれからどうなるのか? 行け! Vレンジャー。正義のために地球の平和を守り抜け!」

ナレーター「さてと、ところで、作者。この後いったいどうするつもりなんだ。ちゃんと考えてんだろうな? 考えてなかったら、ただじゃおかねーぞ」
みなみ「・・・考えてない。だってVレンジャーだもん」
ナレーター「いいかげんなやつめ!それでいいと思ってんのか!」
みなみ「うっさいなー、ただのナレーターのくせに」
ナレーター「なんだとっ!」
hongming「ちょっと待った!」
ナレーター「何だ、お前まで出てきて」
hongming「V6の数少ないレギュラー番組なんだから、仲良くやりましょうよ」
ナレーター「そんなこと言うけど、これからどうなるんだよ」
みなみ「そもそも、自分が途中で放り出すからこういうことになったんじゃないっ!」
hongming「……」
ナレーター「こんなとこに何しにきたんだよ」
hongming「いや、ちょっと書かせてもらえないかと思って……」
ナレーター「調子のいいやつだな。自分の都合だけで出てきて」
hongming「済みません……」
みなみ「書けるもんなら、書いてもらおうじゃん」
hongming「え? いいの? じゃ、書かせていただきます」
ナレーター「書くんなら、ちゃんと書けよ」
hongming「はい。じゃ、ちょっとこれ読んで」
ナレーター「何だ、原稿ができてるのか。えー、なになに。

 戦国の世を駆け抜けた若き忍者達の物語。
 宝をめぐる戦いの行方はいかに。そして、非情の世界に生きる彼らを待ち受ける過酷な運命とは。
 次回からは、『VレンジャーR外伝』「忍法五番勝負」。お楽しみに!

ナレータ「ふーん。まさか、かっこいいのは予告だけってことはないだろうな」
hongming「(ギクッ)」
みなみ「ちゃんとした続きじゃないの?」
hongmng「そ、それは……」
みなみ「この話の続きはどうなるの!」
hongming「……。あっ、もうこんな時間だ。じゃ、そういうことで今日のところは皆さんさよーならー」
みなみ、ナレーター「逃げるな!」

TO BE CONTINUED!


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