7月29日
7月も終わろうとしています。ここ数日一日のうち何回か集中豪雨的な雨が降っています。平蔵さんはジャガイモの収穫をしようとしたやさきの天候の変化で収穫時期を遅らせています。
雨が止んでも気温は下がらず蒸し暑い数日が続いています。そんなこともありまして、なかなか外出できず、私はいらいらしています。体を伸ばして横になっていればよいのですが、まだまだ若い私の体が歩くのを要求しているのでしょうか。
7月21日
梅雨明けとともに猛暑の夏がやってきました。標高750メートルの我が家もなかなかの暑さです。
私の寝室は2階なのですが、寝る時間の午後9時は30度ぐらいの暑さでした。窓を開けておくと徐々に気温が下がってくるのに、昨夜はいつまでも寝苦しい夜でした。
朝起きて平蔵さんの一言「ふしだらな寝姿」と言われました。
なんと、お腹を上にして寝ていたからです。まあ、のぞかれる心配はないのですが。
3歳になるとともにすべすべしていたお腹に毛が生えてきて、それだけでも暑いような気がするのは私だけでしょうか?
7月10日
久しぶりに晴れました。朝から平蔵さんは畑作業をしていましたが、昼少し前に私の体を洗うことになり、平蔵さんが農作業した後に使うシャワールームでバスタブは使わないで温水のシャワーで濡らしてからシャンプーでゴシゴシ。
お天気が良いと、ドライヤーを使わないで乾くとか、私は魚の開きではないのですが。さっぱりするので良しとしますか。
6月2日
平蔵さん、きょうは会の行事で「上日川峠の遊歩道(往復で2キロメートル」に出掛けました。全線が木の板が張ってある歩きやすい歩道となっています。
迎えてくれたのは、ハルゼミの騒々しい合唱です。その中にカッコー、ホトトギス、ルリビタキ、コガラといった野鳥の声も聞くことができました。
昼食の後、釣堀でニジマスを釣ることになりました。ガイドさんとペアで行なったのですが、ガイドさん趣味は釣りとか、平蔵さん昔は釣り天狗とか、自信はあったのですが。
初めて釣りをするような皆さんが釣れているのに、私の平蔵さんなかなか釣れません。足元で私は周りの方ばかり気にかかります。つい平蔵さんの股間から首を出して釣れている方を。
終わってみると釣れたのは2匹。口ばかりの釣り天狗でした。
5月10日
4月から5月は平蔵さん、出掛けてばかりです。なにしろ私にはわけのわからない団体の定期総会とか。
総会と言っても、様々ですね。粛々と議事が進み短時間で終わるもの、スズメバチの巣をつついたように騒がしく長時間かかるものとです。
そんなことで出掛けているのですが一昨日は駅ではエレベーターを利用するためにいつものペースで角を曲がると、「ギャー」と女性の声。それを聞いて平蔵さん思わず「ワー」と大声を出してしまいました。いつもなら静かで存在感のない平蔵さんでしたがかなり驚いたようです。
私の思うのに、私 メリッサが角から急に出てきたので驚いた女性が叫んだのだとは思いますが、何しろ平蔵さんも角を曲がるのと同時に女性の叫びを目の前で聞いたのですから。「ああ、ぶつからずによかった」とは、平蔵さんの独り言でした。
そんなことが生々しく記憶に残る本日、騒々しい総会が終わり、やれやれと最寄りの駅で降りた平蔵さんはいつものペースで「改札」の指示。私も指示通り軽快な足取りで改札へ向かい、自動改札のやや手前で停止。
いつものように私の頭に触りながら切符の投入口を探ったつもりが、なんと、女性のお尻が。しかし、触ってしまったのです。助成も大きな声ではなかったのですが驚きの声をあげました。
窓口にいた駅員さんも笑っていたような雰囲気。即座に謝った平蔵さんですが、犯罪行為になるのでしょうか?
2月9日
昨日の雪で一面の銀世界となっています。国道や県道は融雪剤の散布により平蔵さんは私との散歩はなるべくしないようにしていますが、今日は農道を使って山の方に出かけました。
白銀のキャンパスのように雪に足跡をつけるのはワクワクします。ときには道路の境が分からないところもありますが、私がつい鼻を使ってしまうと、平蔵さんからチェックがはいります。
しばらく行くと、動物の足跡です。数頭の動物でしょうか、平蔵さんが指先で跡を探って「これは鹿の足跡、まだ通ってあまり時間は経っていないな」などと独り言。また、藪の影から「チリリン、チリリン」と紅マシコでしょうか野鳥の声も聞こえてきました。
途中で洋ランを育てている大きなハウスの前を通ると、従業員の皆さんが除雪作業をしていました。「融雪剤は使っていないのですか」と聞きますと、次回は使いたいとのこと。
融雪剤の毒性を知っているだけに、どうしても歩くのには躊躇してしまう平蔵さんでした。
1月16日
昨日の雪で、道路の日陰の部分は着雪で凍っていましたが平蔵さん、パソコンの訪問指導とかで出かけました。
国道へ出てバスに乗りましたが、雪の影響はないように思われました。ついでと言いましょうか、市役所に寄って県知事選の期日前投票をしてパソコンの指導が必要な家に向かったのです。
さて、帰りなのですが、慣れない道を少々迷いながらも郵便局に寄ったりし駅のバス乗り場より県道を走るバスに乗りました。なんとチエンを履いているではありませんか。道路にはほとんど雪は無いように思われましたが「安全第一」といったところでしょうか。
アスファルトの路面を車内アナウンスも聞こえないほどの騒音と振動で走るのですが、座席の平蔵さんはクッションの上で、それなりに。しかし床に座っている私にとっては、かなり強烈な振動でした。いっぺんでお知りのコリがほぐれてしまいました。
ちなみに、平蔵さんは雪の中でも歩けるトレッキングシューズで靴底は固く、歩道や路面の状態がつかめなく自分の居場所が把握できずに迷ったようです。反省。
1月3日
本来ならば1日にご挨拶するべきところですが、平蔵さん組内の集まりで出かけ、半合の日本酒で酔いまして昼間から寝て過ごす「寝正月」でした。
しかも、正月は高校のサッカーと箱根駅伝が終わらないと落ち着かないとかで、挨拶が今日になってしまいました。
「皆様 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。」と、めりっさの挨拶でした。
さて、高校サッカーは地元の高校がベスト16入りでまだ試合が続きます。箱根駅伝では平蔵さんの母校は惨敗といったところではありますが、選手関係者の皆様本当にお疲れ様でした。地元の大学は来年度のシード入りをして頑張ってくれましたので幸先の良い正月といったところでしょうか。
私にとって、散歩の時間は楽しいのですが家の前の県道は融雪剤がまかれていて気になりましたので、農道などを利用して山の方に出かけました。穏やかで静かな散歩道と言った所でしょうか。明日の正月行事が終われば通常の暮らしとなるでしょう。
11月13日(木曜日)
平蔵さんとマルチメディア・テクノフェアとか言うイベントでアイメッセに出かけてきました。
ブースの当番をしていたのですが、お客さん少々。しかしお一人長期滞在でしかも二度の訪問。平蔵さんの独り言「話の中でカメラマン・脚本家・果樹農家のおばちゃん・……最後は宗教家ということで百面相の女性」とか。
なにしろ二度目は携帯電話を持ってきた、と私と平蔵さんを撮影。しかも3人の外国の若者をつれてきて「宣教師の皆さんです」平蔵さん、間髪を入れずに「私は仙人です」と。
女性は「大菩薩峠という山で霞を食べながら暮らしているそうです」と説明。
周囲のブースでは県内の主な企業や行政機関などが最新の情報機器や技術を展示しているのに平蔵さんのブースだけは時代に取り残された状態でありました。
さて、帰りの電車では、私が降りるためにドアに誘導していたのですがドアが開きません。近くにいた乗客がすぐにドアをあけるボタンを押して無事ホームに。止まっていた電車の脇を階段に向けて歩いていると、いきなり男性の悲鳴。接触もしないのにホームへと、思って「どうしましたか」と平蔵さん。
「いや、大丈夫です」と男性。そのときは電車は動いていたようなので、乗るために待っていたのにも関わらずドアが開かないままで電車は発車してしまったようです。このボタン式電車は平蔵さんの最寄り駅を1日1往復だけ使われていることは知っていた平蔵さんですが今日はアナウンスが無かったと。JRのおじさんわれわれ視覚に障害のある者はもちろん、たまに電車を使う人は「ボタン式」という情報は入っていないので待っていたのにも関わらず置いてきぼりになるのであります。
もう少し利用者のことも考えて駅員を配置するとか告知をするとかちゃんとやってくださいよ。無人駅ではどうにもなりませんよ。と怒っていた平蔵さんでありました。
10月12日
三団体運動会とかで、本日は平蔵さんのお供でお出かけでした。学校のグラウンドでの様々な協議。ベンチで観戦する平蔵さん。
悪さをしないようにとダウンした私でしたが、つい、つい、舌を出して砂のお味をペロリ、ペロリと。なかなか変わった刺激的な味。
様子に気がついた平蔵さん。鼻の頭を砂まみれにした私の鼻をハンカチでぬぐってはくれましたが、なめていたことには気がついてはいませんでした。
家に帰ってワンツーでウンチをぽろり。ビニール袋で取った平蔵さん。感触がおかしいと見てもらい、なんと、半分は砂。
私に向かって、お前は鶏か?などと言われてしまいましたが、翌朝も「砂のウンチ」。これでは小説のタイトルにもならない、とあきれられる私ではありましたが、今度は敷物を準備してもらいたいと私も「プンプン」です。
10月9日
きょうは、平蔵さんのお供で小学校に福祉講話に行ってきました。対象は6年生。
平蔵さんが視覚障害となった経緯、盲導犬との生活など……の話をしているとき、あまりにも退屈な私は、つい柔軟な体を生かし、胸のバンドから腹のバンドをつないでいるバンドに歯を立ててみますと、以外に柔らかく簡単に噛み切ってしまいました。
さすがに、子供たちの前では口先で言っている「悪さをすると拳骨」などとはいかず、「盲導犬も犬なのです。これを見てください」などと言い訳をしていました。
私も動物の本能と言いましょうか、今日や会議のように平蔵さんの意識が私からそれたときを見計らって悪さを考えていますが、ハーネスが使い物にならなくなったらお出かけできないのも困るし、悩んでしまいます。
心境は「悩め る乙女」と言った所でしょうか。
9月14日
会の行事で本日は農作業もしないで1日のバス旅行でした。行き先は長野県安曇野方面。
触れる彫刻、触れる前に平蔵さん、手を消毒。しかし、触れてみると指先がほこりで汚れた……と平蔵さんの感想。特に芸術的感想はなし。
食事をしたワサビ園でワサビのソフトクリームを我慢した平蔵さんは、「マダムが味を覚えると手に負えない」と。
まあ、確かに今の私では難しいかも、と思いますけれども、平蔵さんの愛の鞭があれば、我慢できるかも。と私たちは少し離れた場所で、列をなしてソフトクリームの売店に並んでいる人たちを横目に通行人に愛想を振りまいていました。
若い女性が「触ってもよいですか?」と。平蔵さん、私の頭ですか。どうぞ。
これが、若い女性でなければ「だめ」と言いながら、私が尾を振ると、「お年寄りに愛想を振りまくな」と聞こえるように言うのですから、あきれてしまいます。
帰りがけに寄った道の駅の売店では「買いたい物はあまり無いですね」と言いながら一回りしてバスの入り口で休んでいると、事務局の人が「盲導犬入店拒否されませんでしたか」と。もう一人の盲導犬ユーザーが入店拒否されたとのこと。
平蔵さんと私は何も言われてはいないので、「ああぁそうでしたか……それは、それは」と人ごとの平蔵さんでしたが、帰ると早々長野県のHPより「盲導犬相談窓口」を調べ指導していただくべきメールをしていました。2度とは行かないとは思いますが。
9月9日
ニュースでは台風が関東の南に接近との報もありましたが、きょうは秋を思わせる気候となっています。午後は甲斐市の小学校に福祉講話に出かけるとのことですが、お天気で楽しみです。
さて、数日前に、山の畑に出かけて平蔵さん、電気柵をくぐり「インゲン」を収穫。収穫後しばらくして柵の外に出ようとしたのですが、なんと……。線に触れてはじけるように後退。
入るときには霧雨が降っていたのですが、出るときには霧がかかり、電機柵のセンサーが夜間の状態になり、電気が入ってしまっていたのです。笑っちゃいますね。なんと「まぬけ」なことでしょうか。
そんな平蔵さんと暮らしていくのですから、「ヨタビク」にも変身しますし、ハーネスのバンドをかんだり、リード(皮ひも)を噛み切ったり。私の気持ちを分かっていただけるでしょうか。
ここのところ、平蔵さん、ハーネスが1年もしたら分解してしまう、などと言っていますし。さりとて、協会に新しいものをお願いする様子はありませんし、むしろ鎖のハーネスが欲しいなどと申しております。私、めりっさはあなた次第でどうにでも変わってしまいますのよ、とほえたいです。
9月3日
私のように暖かい肌としなやかな肉体の持ち主を「器物」などと行っているのは警察…。
以前盲導犬が交通事故にあったときにも確か「器物」扱い、また、今度「盲導犬の虐待」の事件が起き、警察では「器物」扱い。いたずらとしては、なんと無神経なばか者なのでしょう。私たちが、おそらく。平蔵さんのように目が不自由な人を誘導し場所を探しているのは大切な仕事だということを理解して欲しいものです。
この件では、多くの報道機関やネットなどで知ることとなりましたのでこれ以上は書かないようにしてもらいました。
さて、平蔵さんは山の畑で午前は大根の種まき、午後は家の近くの畑に白菜の植え付け。出かける合間を縫っての農作業です。
その山の畑に行く農道に湧水が道に流れて歩きにくいところがあります。私が躊躇していると、「このくらいの水で、馬のクロスカントリーではひざ上まである水郷や斜面の途中にある高さ1メートル以上の倒木の障害など、問題にしないで通過する」などと、ふざけたことをまじめに言うので、私の立場はどうなるのでしょうか。メールや電話が私にできるのであれば、訓練所に平蔵さんを言いつけてやろうと思います。
8月22日
ここ数日暑さがぶり返したといいますか。暑い日が続いています。私の家では部屋の最高気温が30度ぐらいですが、しかし外気は35度ぐらいまで上がります。
標高は750メートルと高所にありますが、今年の夏は暑いと平蔵さんは言っています。
平蔵さんの畑の作業は午前中のみとしていますが、山の畑に午前8時ごろまでに着いていないと汗だくになってしまいます。私は汗をほとんどかかないので分かってもらえているのかは不明ですが、先輩オーディンさんから引き継いだ別荘(標高800メートル以上)に入るととても涼しく快適な状況で待機しています。
野菜作りや果物などを栽培していますが、野菜については、ほとんどが脇役的な物ばかりです。例えば、キャベツ、ブロッコリー、レタス、大根、などなど。今はきゅうりやナス、ピーマンなどの他にインゲンやミョウガなどですが、ミョウガはネットをかぶりガサコソとミョウガの中を潜っています。
今年はスイカの収穫に食べごろが9割り以上の確率で収穫できたとのことです。昨年までは早すぎたり遅かったりと確立は5分ぐらいだったとのことです。
ちなみに平蔵産の言葉を引用して「スイカの果実がついてから40〜45日程度と果実をつけている茎のところのヒゲが枯れたところでの収穫が食べごろ」とのことです。お天気とか気温なども多少影響はするそうですので参考にしてください。
別荘周辺ではモズの高泣きが始まったので秋も足元まで近づいていますので暑さももう少しの辛抱です。
7月19日
今日も、暑さにはめげず山の畑に出かけて草取りです。この時期は草との競争などと言いながら、平蔵さんは頭から虫除けのネットをかぶりながら作業をしていました。
少し早めに家を出て、山の畑の私の別荘でくつろいでいると、防災無線より「甲州市○○地区のシンスイ公園付近で熊野目撃情報が入っています。お出かけの際は気をつけてください」などと聞こえてきました。
そんなこととは知らず、平蔵さんと畑に出かけてきたのですが、ちなみに熊が目撃された公園は山の畑と直線距離で400メートルぐらいでしょうか。
家から、その公園に向かってきたわけですが、公園の周辺には民家が10戸ぐらいあるでしょうか。しかし、防災無線の放送はその地区には皮肉にも非常に聞きにくくなっているところです。
まあ、そんな放送があっても出かけるのをやめるようなおっさんではないのですが。私としても熊など見たこともないので「クロラブ」と間違えそうです。
7月13日
平蔵さん「怠け者の節句働き」などと言いながら私と山の畑に出かけました。花豆や小豆などの畑に入り手探りで様子を見ていると、黒マルチの中に鹿の足跡。
発芽した茎を何者かに食べられていたので「ヤトウムシ」の仕業と思い農薬(粒上のオルトラン)を散布しておいたのですが、かなり伸びた花豆の茎の先端も食べられていたので、これは「鹿」の仕業と確信。
今まで3段の電気柵を4段に張り替える作業が午前中いっぱいかかりました。センサーで暗くなると電気が流れる設定をして「怠け者の節句働き」を終えて、夕刻の迎え火で本日の作業は終了です。
7月3日
少し蒸し暑い日でしたが、平蔵さんのお供で甲府まで出かけました。午後よりの会議とか、県警に用事があるとか。平蔵さん首から名札を下げての県警内をうろうろ。
と、そこまでは順調に。しかし、甲府から乗った電車。乗るときはドアが開いていたので平蔵さんを誘導して電車内へ。駅で停車しても近くのドアは静かな状態。下りる人がいるドアだけがいつもより大きな音で開きました。
アナウンスで「降りる時にはドアを開けるボタンを押してください」とか、話では聞いていたもののこの路線では初めてのこと。最寄り駅の手前で私にドアを指示して、平蔵さんはドアのふちを触りまくり。そこに若い男性。「降りるのでしたら僕がボタンを押します」と。しかし「今後もあるのでボタンの位置を教えてください」と平蔵さん。
ドアの右側、かなり高い位置にありました。点字で「アケル」とありましたが、車椅子、小さな子供には届かないかも。なんて独り言。降りてから駅員さんに乗るときはボタンどこにあるの。「右側にありますよ。」とか。乗る人がいないときには困りますね。などと言ったものの。乗る人に頼るしかないな。開かないドアに案内していて間に合うのかしらなどと考える私でした。
6月23日
山開き前の富士山五合目に行ってまいりました。標高2305メートルとか。時折雨でしたので、さすがにお寒いところでしたわ。そこで私初めて馬を見ました。平蔵さんは懐かしい馬のにおいがするとか。あとは野鳥の声ばかり気にしていたようですが。
しかし、驚きました。駐車場周辺、日本語はほとんど聞こえませんでした。薄着で寒そうにしている外国人ばかり。平蔵さん、野鳥の声を聞けば何者かは推測できるのに、早口でよく分からない観光客ばかりだな、とか。登山道の周辺で声を聞いたのは「ルリビタキ」とか。五合目にくる前に寄った浅間神社では「キビタキ」の声がするとか。
6月8日
本来であれば、もう少し前にこのレポートを書いてもらうのですが、何だかよく分からないのですが平蔵さん忙しそうで頼みにくかったのです。私、5月末に3日間大分県に出かけてきました。
新しい洋服を着て、初の飛行機に乗りました。座席は私のために一番前の足元の広い席を確保していただきました。のびのびと乗せていただき、うれしかったです。
特に緊張したのは、シートベルト着用の際のチャイム音で、つい最初は立ち上がってしまいました。少し恥ずかしかったです。
着陸の前には、平蔵さん「耳や頭が痛いと、言いながら立て付けの悪い飛行機だから隙間が開いているのでは」などとふざけたことを言っていました。すぐ前には今はなんと言うのでしょう、過去には「スチワーデス」と呼ばれていた女性が座っているのに。
大分では3日間会議ばかりで観光は無く、ホテルと会場を行ったり来たりで私の好奇心を掻き立てるところはありませんでしたし、お天気がよく暑い3日間でした。
帰りの飛行機はANNの機種変更ということで名前も知らない航空会社の機種でしたがチャイム音にも驚かず落ち着いた私の体験でした。
翌日から平蔵さんの忙しかったのは、出かけている間山梨も暑い日が続き、出かける前に受粉作業をしておいたキウイ(レインボー)の後10日以上間が開いてキウイ(ゴールデンキング、イエロージャンボ)などの花が咲き始め受粉作業に入るのですが、帰って翌日には満開に咲いていたので驚きながら受粉作業をしていたり、3日間の様々な用事をこなすべくジタバタしていたのが原因のようです。今日は昨日の雨の乾きを待ってキウイ(ヘイワード(緑))の受粉作業をするようです。
そうそう、ついでに私の居るところからよく見える庭の松ノ木で子育てしていたセキレイのヒナが巣立ちをはじめました。松の手入れをしていて野鳥の巣があるのを知らずに木陰をつくっていた枝を平蔵さんが切ってしまったのでどうなるか平蔵さんも心配してはいたのですが、やれやれといったところでしょうか。
平成26年5月9日
初仕事から7回目の甲府駅でしょうか。県立図書館でのNPO法人の会議に出かけました。
行きの改札を出るときにもそうでしたが、帰りの改札での話ですが平蔵さんの「改札」との命令語に私も改札を探して少しうろうろ。
すると、こちらですよと女性が平蔵さんの腕をつかみ引っ張るように誘導。私としては「オバちゃん、私の仕事の邪魔をするなよ」といった気分になります。
今日もそんな感じで平蔵さんも戸惑ってはいましたが、帰りの改札でどういうわけか改札をすり抜けて構内に入ってしまいました。
「改札」「改札」との支持を聞きながら少しうろうろ。そこに女性が改札はこちらですよと、またもや平蔵さんの腕をつかみ窓口へ。出口に向かって切符を出した平蔵さんでしたが、その切符を駅員さんが切ったのであります。
切符を切ったものだからその方向で「ゴー」しばらくして「ぶりっぢ」と平蔵さん。
私も会談を探して下りたのですが。(なんと、平蔵さんはホームに下りたつもりでしたが)いつもと雰囲気が違ったのか「すみません、ここ何番ホームですか」などと尋ねてみると「ここは駅の外のロータリーですよ」……。
あわててバックしてエスカレーターでまたもや改札探し。一度方向を見失うとどちらに向かっていいのか大変です。乗る予定の電車には間に合わなかったのですが、そこは帰りということで。
ご親切はうれしいのですが、私の仕事の邪魔はして欲しくはないし、駅員も出口に向かっている人の切符は切らずに受け取れ、そうすれば出口だと気づくのに。と今日の失敗を私と平蔵さんは人のせいにするのであります。
平成26年3月26日
会の会計監査に立ち会うということで、平蔵さんと一緒に甲府市の北新に出かけました。駅から2キロぐらいですか。
駅からデッキを通りまっすぐに北に向かうのですが、どういうわけか駐車場に入ってしまい「少しまごまご」次の大きな交差点では車道に入って止まってしまい、平蔵さんあわてて後退。目的の建物に近づいたものの、入り口が分からず行ったり来たり。通りがかった女性に尋ねてやっと目的地に。
帰りはバスで駅まで。電車の時間に余裕無く、セーフ。駅からのバスで平蔵さんの家から少し離れた路線のバス停。車、人一人行きかわぬ真っ暗な道を家路に。初心犬の私としては、慣れるまでもう少し時間に余裕のあるスケジュールを組んでもらいたいと思いますわね……。
平成26年3月22日
10時よりの卒業式を終え、指導員の皆様と名残惜しそうな平蔵さんでしたが時間に終われるように訓練所を後にし吉祥寺の駅へと向かいました。
静岡のクラスメイトと改札前で別れ私への指示は改札。しかし切符は要らないのかと券売機を目指す私をお叱りになると、近くにいた高齢の助成が「いじめるとやせちゃうでしょう」なんての賜っていましたが、平蔵さんは無視して「改札」の指示。私もそうか、そうか、と改札を目指す。
中央線のホームに。「どちらに行くのですか?」と女性。山梨と答えた平蔵さんに「それではもう少しそちらに」と。言われた通りにやや移動し電車の来るのを待ち電車で次の駅で降りて隣のホームに行こうとする私たちに「どちらに行くのです」と男性。山梨ですとの答えに、「ではこちらです。誘導します」会談の途中で特急に乗るのですがと平蔵さんが言うと、「あ、それでは今のホームの反対側でした……」。
男性と離れた私たちは急いで会談を降りると間もなく特急が入ってきました。ドアを探していると、先ほどの男性が「こちらですよ」と誘導しながら一緒に乗り込んでくれました。自由席の車両に入ると男性は降りる間もなく発射してしまい、そこにいた車掌さんに私たちは座席に案内され、男性は立川までの特急券を買うはめになってしまいました。
ご親切な男性でした。「ありがとうございました」
なんとなく勢いで平蔵さんの家に着きました。帰って協会に着いた旨の電話を入れると「もう着いたのですか」と。家の裏庭で(ワンツー)と行くと残雪にびっくり。自称マダムとしては大変なところに来てしまったと……。
平成26年3月21日
今日の最終テスト(幻のコース)を辛うじて合格した平蔵さんと私の盲導犬としてのスタートが明日より始まります。
どんなコンビになるのか、また都会育ちの私としては平蔵さんの家が一月ほど前の大雪で陸の孤島状況に数日なったとか、心配でございます。
平蔵さんも指導員(女性)の前で私を箱入り娘にはしないなどとのたまわりましたけど、もしかして平蔵さんが箱(ダンボール)のおじさんにならなければよいかと思います。
3月20日
本日は銀座コースのテストと言うことで、JR有楽町駅から本来であれば銀座4丁目のスタート地点まで地上を歩いて行くのですが、雨のため地価(地下鉄などの通路を行きましたが、なんと指導員や我々全員であちらこちらと迷ってしまいました。見えても迷うのですから盲導犬使用者が迷ってもなんら不思議はありません。
やっと予定のスタート地点にたどり着いて、私と平蔵さんは4人の最後の出発となりゆっくりとしたペースで雨の銀座を歩きゴール地点へ。追い抜いてしまった先発の方を待っていると「触らせてください」と言う女性。
「駄目です」と平蔵さん。「駄目ですか最後なんで」………?やはり指導員の言いつけを守る平蔵さんでした。
昼食にナイルレストランで激辛のスープで汗をかくなど平蔵さんも色々と良い経験をした一日でした。
平成26年3月17日
本日は通勤時間帯の電車に乗る訓練をしました。平蔵さんとのコンビで通勤客のにぎわう商店街や駅構内、電車内の訓練です。
座席に座らず、入り口のコーナーに私が座り平蔵さんがそれを保護するような立ち位置となるようにしました。
改札の出口では平蔵さんが切符を入れるのに手間取っていると女性が「私が入れますよ」とご親切にと、思いきや「後ろで待っているのだから」と。まあ、まあ、急がない……といつもの平蔵さんなら「毒舌をかませそうですが我慢したのは立派でした。
平成26年3月11日
私「マダムメリッサ」としては、やや下品な行動をとってしまいました。ハンガーにかけておいた私の歯磨き用手袋が部屋に入ったところに落ちていました。このときト、ハウスに運び平蔵さんのすきをねらってムシャムシャと。
あわてたのは平蔵さん。しかし、後の祭りといったところでしょうか。私としては平蔵さんに命をかけての愛情表現です。
まあ、おいしくはなかったのですが、指を数本いただいてしまいました。「こら、平蔵 油断するな」と、脇の甘さを指摘しておきました。午後からはCコースのテストです。
このコースは車で出かけてコースの起点でおろされてコースを回って訓練所に帰ってくるコースです。まるで戦場に落下傘で降下していく戦士の心境だなんて大げさなことを言っている平蔵ですが、まだまだ試練は残っているのに………。
平成26年3月9日
私 マダムと平蔵さんとの訓練も中盤の日曜日です。本来であればお休みなのですが、日曜当番の指導員の元で課題が与えられての訓練もあります。
少し疲れ気味の平蔵さんとクラスの仲間も少しでも学ぼうと頑張っているようです。スリムの私も少しやせたような気もします。
強いチョークに抵抗があったような平蔵さんも、ほめるための一つの手段ですと、言われ納得気味の憎たらしい平蔵さんです
平成26年3月5日
私、自称マダムと平蔵さんが一緒に訓練を受け始めて11日が経ちました。今日も雨の市街地を濡れながらのペア歩行の訓練です。
一緒のペアを超したり追い越されたりと、障害物を想定しての歩行と、思いがけない障害に対処する訓練です。私が賢明に回避する合図を送っているのに平蔵さんが他のことに気を取られていると、いきなりぶつかります。
本来であれば暖かく軟らかい電柱なのですが、いきなりの反応で私とこみゅにゅけーしょんが取れないときもあります。
平蔵さんの家の方では、信号も近くにはない、田舎のようですが私と一緒にどこにでも出かけられたらと頑張ってほしいです。
平成26年2月25日
平蔵さんの命令のもと、Aコースなるものを案内しているわけですが、順調に進んでいると思えたのもつかの間、いきなりコースをそれてどこかの駐車場らしきところに迷い込んでしまいました。
背後に聞こえる車の流れ、気づいた平蔵さんがバックしてコースに復帰でき、やれやれといったところでしょうか。
気づいたのは明らかに足裏に感じる状態が歩道とは異なっていたからのようです。私はあくまでも平蔵さんの指示のもと動くので、悪いのはすべて平蔵さんとなります。
平成26年2月24日
わたし、merissaと平蔵さんの本格的な歩行訓練が始まりました。やや寒い感じではありましたが、指導員より様々な注意をされたのか、動きに堅さがみられます。
端的に言いますと、昔の「ターミネーター」かどこかの国の「軍人」のような、足と腕が一緒に動いているようなぎこちなさがみられます。私としては冷静にゆっくりと歩くことに心がけた1回目でした。
本日の2回目は同じコースなのに、散歩の犬は出会う詩、自伝者にぶつかるし、さくらの指導員にぶつかったり。障害物の多いコースではありましたが、私の指導員はスマートなのかもしくは平蔵さんのオウキャクでの歩きが幅を必要以上にとっているのかわかりませんが、平蔵さん私をチェックするところか弾き飛ばされる寸前でした。
平成26年2月23日
私こと、マダムMerissaとの初めての出会いでした平蔵さんは距離が短いながらも歩行訓練に入りました。若い女性の訓練士の指導を受けたことで、老人平蔵さんの声の質が違うのか、一度の命令ではなかなか次の動作に踏み切れませんが、運よく反応した私の若い肉体の動きについてくるのも大変なようです。
やはり訓練に入る前に、電気柵で運動神経を刺激してくればよかったと思います。まあ、ぼちぼち面倒をみてやらねばならないでしょう。