赤ずきんチャチャの作者としておなじみのみんちゃん(彩花みんさん)の読みきりが
2001年2月19日に発売された「早春のりぼんびっくり大増刊号」に掲載(けいさい)
されました!
今回の読みきりの作品名は「鬼ラブ」! 名前の通りこの作品の主人公は「鬼」です
今まで「りぼん」や「りぼんオリジナル」それに各種のりぼん系増刊号に掲載された
さまざまな作品の中で「鬼」が主人公をつとめたものってそんなにないでしょうね。
以前みんちゃんの読みきり「しめじ」(チャチャ12巻・P.161〜)に登場した鬼が
主人公の読みきりです、扉絵にバラの花とこわーい鬼の顔が描かれているのですが
ここだけなんだか「りぼん」じゃないみたい。
鬼が恋をしている相手はふもとの村に住んでいる飼い犬「わっしょい」でした
よね(チャチャ12巻・P.175より) 鬼が犬に恋をするというみんちゃんでないと
なかなか思いつかないお話ですが…
「金山さん…」「わっしょいさん…」(P.143の3-4コマ目)
みつめあう鬼とメス犬… なんだかわからないけどこの2人(匹?)うまくいって
いるの??? ここだけみるとけっこういい雰囲気(ふんいき)ですがー
「ジャーキーは持ってないの?」「はいっ!!! 持って来ました!!!」(P.144の1コマ目)
おいおいこれじゃ鬼が犬のしもべになってるようなものです! 「わっしょい」に
言われたものをすぐに差し出す「金山晴夫」 これじゃとてもカップルとはいえない
です、ただの主従関係(しゅじゅうかんけい)でしょう(もちろん「わっしょい」が主人。
「あーっ!!! また鬼山の鬼が来てるぞーっ!!!」(P.144の5コマ目)
しかしこの光景を「わっしょい」の飼い主が見たら、自分の飼い犬に鬼が接近!!!
犬があふない!!! と思うでしょうから、とうぜん鬼を撃退(げきたい)しますよねー
「山へ帰れ!!! こんちくしょうっ!!!」(P.145の1コマ目)
そりゃ、飼い主とすれば当然の行動ですね! どうみても自分が飼っている犬が
危険にさらされていると思うはずですから。
「これ? 村のペットの世話するアルバイト頼まれてるだけだよ」(P.146の2コマ目)
おおっ! 村の人はなにも"鬼=悪=怖い"と単純に考えている訳ではないようですね
女の赤鬼「銀山鷹子(ぎんやまたかこ)」は、なんと村のペットを何匹もひきつれています!
「金山晴夫」はエサを持っていくだけで飼い主に追い返されるのに「銀山鷹子」は
村の人に頼まれてペットを世話… この差は一体? まぁたいていのりぼんっ子なら
理由の想像はできますが。
「顔つきの差かな」(P.147の1コマ目)
そんまんま… そりゃ「金山晴夫」の顔は絵本にでてくるようなこわーい顔ですが…
村人にきらわれていると思った「金山晴夫」は村人の自分に対する印象をよくすれば
「わっしょい」とつきあえると思ったらしく、あることをやってしまったのですが…
「ここの橋 大雨で流されちまったんだ」(P.148の1コマ目)
橋を架け直せば村人から信頼されると思ったらしく「金山晴夫」は橋をかけたの
ですが…
「できたぞ!! どんな洪水がきても流されない石橋だ!!!」(P.149の1コマ目)
…っておいおい! 石橋ってただ巨大な石を川に投げ込んだだけじゃん!
これじゃ橋の役目は果たすかも知れないけれど、川の水をせきとめて
るからまずいんじゃ…
「誰だーっ!!! こんなとこに勝手にダム作ったのはーっ!?」(P.149の1コマ目)
犯人はまぬけな鬼です! 「金山晴夫」が川を完璧にせき止めてしまったので、川の水が
村に流れ込んでしまい大洪水が発生してしまいました!!! ちょっと考えれば
川の水をせきとめてしまったらどうなるかわかりそうなものですが、「金山晴夫」は
「わっしょい」のことしか頭にないので周りがみえないのかもしれせません。
「大変だーっ!!! 土砂崩れだーっ!!! しいたけの家の裏山が崩れたぞーっ!!!」
(P.150の2コマ目)
大洪水が引き金となって「わっしょい」の飼い主「しいたけ」の家の裏山が
崩れてしまいました!!! 「金山晴夫」が何かをすればするほど村に災(わざわ)い
をもたらしますねー 余計なことをしなければよかったのにー
「鬼だ!!! 鬼がしいたけの家をーっ!!!」(P.152の2コマ目)
「しいたけ」の家が土砂にのまれそうになったので、「わっしょい」が危機に
さらされている!と思った「金山晴夫」はなんと家を持ち上げて土砂にのまれる
のを防ぎました! が…
「うわーっ 結局俺んち壊れたーっ!!!」(P.153の3コマ目)
なんと着地に失敗した「金山晴夫」! みごとに「しいたけ」の家を倒してしまい
「しいたけ」の家は倒壊してしまいました… 「金山晴夫」の要領(ようりょう)の
悪さを考えれば大体予想はつきましたが…
しかし不思議なのは大洪水や土砂崩れの原因を作った「金山晴夫」自身は
原因が自分だといことに気付いていないという点、本当にまぬけな鬼です。
「どっかのバカが 川にダムを作りやがって 溢(あふ)れた水が裏山に
流れこんだらしいぞ」(P.154の2コマ目)
ダムを作るとなると住民と行政との間ではげしいやりとりが繰り広げられるのが
普通ですが、「金山晴夫」は無許可でダム建設を行ってしまいましたからねー
「俺のせいかぁぁーっ!!! 俺の仕業(しわざ)だったのかぁぁーっ!!!」(P.154の4コマ目)
ようやく諸悪の根源は自分であることにきづいた「金山晴夫」 村にとっては
めいわく以外の何者でもなく絵本に出てくるような悪い鬼に「金山晴夫」は
なってしまいました。
しかし村人は「金山晴夫」のことをそんなに嫌っていなかったことが判明!
「わっしょい」に「金山晴夫」が近付くと追い払われてしまうのは「おやつ」を
勝手にあげるからだということも判明! 「おやつ」さえあげなければ「金山晴夫」
は「わっしょい」に自由に接触できると思われましたが…
「おやつの切れ目が縁の切れ目ね」(P.156の1コマ目)
「わっしょいさんは 俺をエサをくれる都合のいい男としか見てなかったんだ…」
(P.156の2コマ目)
このまますんなり「金山晴夫」と「わっしょい」がラブラブな関係になったら
みんちゃんらしくないですからね、いかにもみんちゃんらしいオチです。それにしても
鬼を手玉にとるメス犬って…
「ま 元気出せって!!! ここに こんなイイ女がいるだろ?」(P.156の3コマ目)
「銀山鷹子」はさりげなく「金山晴夫」に迫っているのですが、「金山晴夫」は
全く気付いていませんねー 「銀山鷹子」はなんでこんなに要領の悪くて鈍感(どんかん)
な青鬼がいいのでしょうね???